West症候群 (WS) 187例を成因, 基礎疾患より厳密に分類し, 臨床, 脳波像を比較検討した。さらに3年以上追跡しえた128例につき, 成因, 基礎疾患が予後に及ぼす影響を検討した。
1) 特発群では, 発作予後, 知能予後, およびpyridoxa lphosphate大量療法の有効率が症候性の群に比し有意に良好であった。
2) 症候性WSの中では出生前要因群の脳形成異常群において早発例, 先行発作が存在する症例が有意に多く, 大田原症候群後WSに変容したり, WSからLennox-Gastaut症候群へ変容する症例が多かった。また, この群では発作, 知能予後は著しく不良であった。一方, 出生後要因群では晩発例, asymmetric hypsarrhythmiaを認める症例が有意に多く, 知能予後は比較的良好であった。周生期要因群では特徴を認めなかった。
以上より, 厳密な成因, 基礎疾患に基づく分類がWSの病態生理の解明, 予後判定などに重要なことを強調した。
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