てんかん研究
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13 巻, 1 号
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  • キンドリングモデルを用いた研究
    岩佐 博人, 菊池 周一, 鈴木 かおり, 古関 啓二郎, 佐藤 甫夫, 長谷川 修司
    1995 年 13 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    てんかんの生化学的基盤におけるG蛋白質の役割について検討するため, ラット扁桃核キンドリングモデルを作成し, 最終発作後24時間 (K-1群) および2週間放置した時点 (K-II群) での両側大脳皮質膜分画における特異的 [3H] GTP結合能の変化を調べた。データはScatchard解析により分析した。β-adrenergicレセプターアゴニストであるisoproterenol (IPN) 非存在下での特異的GTP結合におけるKI群およびK-II群のBmax値, Kd値は対照群と差がなかった。IPN存在下では, 対照群ではIPN非存在下と比較してBmax値の著明な増大がみられたが, キンドリング群ではK-1群, K-II群ともに, IPNによるBmax値の増大効果が消失していた。以上の結果から, キンドリングモデルにおける発作発現や持続性のてんかん原性の維持機構に, βレセプターと共役するG蛋白質であるGsの機能変化が重要な意義を有していることが示唆された。
  • 兼本 浩祐, 川崎 淳, 河合 逸雄
    1995 年 13 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    てんかんを疑われて来院した進行性ミオクローヌスてんかんの症例 (以下PME群) を, 若年性ミオクローヌスてんかんの症例 (以下JME群) と比較し, 問診と初診時の脳波所見について, 両群で有意差を示す項目を見いだすことを試みた。その結果, (1) 基礎律動の徐波化, (2) 棘徐波の出現の頻繁さ (最初に棘徐波が出現した時点から30秒以内に棘徐波の群発が3回以上) が, PMEに, (3) 覚醒後数時間にほぼ限定された大発作がJMEに, 有意に多い特徴として取り出された。初期の段階におけるPMEは, JMEと様々の点で誤診される危険のある病態であることを強調し, JMEの診断の際に留意すべきであることを指摘した。
  • てんかんおよびてんかん症候群の国際分類の応用
    荻野 竜也, 村嶋 逸子
    1995 年 13 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    てんかんおよびてんかん症候群の国際分類 (ICE) を用いて, 4歳未満に発症したてんかん患者95例 (男児49例, 女児46例) の実態を検討した。55.8%が1歳までに発症した。局在関連性てんかんが73.7%と多数を占め, 全般てんかんは23.2%であった。特発性てんかんは極めて少数で, 5.3%に特発性全般てんかんの症例を認めるのみであった。年齢別に検討すると症候性局在関連性てんかんは3歳以上4歳未満発症の群で多く認められた。一方, 症候性全般てんかんは年齢が小さい群ほど多く認められ, 特に1歳未満発症例で多かった。病型の変容が認められた7例全例で, 発症は1歳未満であり, West症候群またはearly myoclonic encephalopathyに関連した変容であった。ICEを用いることで99%の症例で何らかのてんかん病型へ分類でき, ICEは乳幼児期においても有用であった。しかし, 症候群に分類できた症例は40%にすぎず, 特に局在関連性てんかんで分類できない症例が多く認められた。
  • 岩橋 和彦, 米山 弘人, 宮武 良輔, 市川 佳幸, 細川 清
    1995 年 13 巻 1 号 p. 21-23
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    自然発症性のてんかん症状をを示すスナネズミの神経型一酸化窒素合成酵素 (NOS) 活性を測定しNOS活性とてんかん性との相関関係を調べた。その結果, てんかん発作に対する感受性の強い群ほどNOS活性が低いことが判明した。
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