てんかん研究
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14 巻, 3 号
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  • その他の大発作を有するてんかんと比較して
    兼本 浩祐, 川崎 淳, 河合 逸雄
    1996 年 14 巻 3 号 p. 181-186
    発行日: 1996/10/31
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル フリー
    睡眠時に大発作が集積して出現する224例のてんかん例と覚醒時に大発作が集積する86例のてんかん例を, 特に時間帯と関係なしに大発作が出現する1, 590例のてんかん例と比較した. その結果, 睡眠時大発作は症候性局在関連てんかんと最も強い関連を示し, 精神性前兆, 脳波上は側頭部焦点が有意に多かった.症候群別では前頭葉てんかんと側頭葉てんかんと有意の関連を示した. 他方, 覚醒時の大発作は特発性全般てんかんと最も強く関連し, 欠神発作, ミオクロニー発作, 3c/sおよびそれより速い全般性棘徐波が有意に多かった. 症候群別では若年性ミオクロニーてんかんと有意の相関を示した. さらに睡眠時大発作てんかんは局在関連てんかん全体の予後と比較すると有意に良好な寛解率を示し, 覚醒時大発作てんかんは特発性全般てんかん全体と比べると有意差には到らないがより良好な寛解率を示した.
  • 金田 圭司, 長野 方紀, 早坂 宏之, 池本 真美, 高畑 直彦
    1996 年 14 巻 3 号 p. 187-191
    発行日: 1996/10/31
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル フリー
    複雑部分発作重積後、記憶障害が生じた症例を経験したので報告する。症例は47歳、女性。47歳時より眩量、嘔気とともに健忘が出現した。頻回に出現するようになり当科初診となった。その後意識変容をきたし脳波検査にて複雑部分発作重積状態と診断された。重積終了後、記憶障害が出現し、また頭部MRIにおいては両側海馬領域に異常信号を認めた。記憶障害は記銘障害が主体であり、海馬病変が記憶障害の責任病巣と思われた。従来の報告によるとこの異常信号は重積により生じる浮腫と推測されている。本症例においても記銘障害の改善とともにMRI上の異常信号もみられなくなってきており、異常信号は浮腫であると思われた。
  • 斎藤 茂子, 宮尾 益知, 小林 繁一, 山形 崇倫, 桃井 真里子
    1996 年 14 巻 3 号 p. 192-197
    発行日: 1996/10/31
    公開日: 2012/07/17
    ジャーナル フリー
    7歳男児。意識障害を主徴とする非痙攣性てんかん重積状態で発症し、初回の発作時脳波では全般性高振幅徐波が持続していた。意識障害が改善すると共にローランド棘波が出現し、その後の間欠期脳波でも入眠期にローランド棘波を認めた。現在の発作は、入眠時のみ右側の顔面、上肢の間代性痙攣が認められ、中心側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (BECCT) と考えられる。BECCTにおいて非痙攣性てんかん発作が重積した例の報告はなく、本例の存在は、中心側頭部焦点の場合も全般化し非痙攣性てんかん重積をきたしうることを示した。
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