過去に2回以上の部分発作を示す, 潜因性局在関連性てんかんの患児40例を対象に, clonazepam (CZP) 単剤治療を行い, 最初の12か月間発作が完全に抑制された30例について, その後の経過を観察した. CZPの初回維持量は0.1mg/kg/dayを基準とし, 治療期間は2年9か月~7年7か月 (平均5年2か月) にわたる.
30例のうち, 5例怠薬時に発作が出現したが, 維持量継続期間中に発作が再現して, CZPの単剤治療を断念したものは2例のみであった. この2例と途中転居によりその後の経過を観察し得なかった3例を除く25例中21例では, 最終的に5年間発作が抑制され, 脳波上突発性発射が消失し, 減量期間を経て断薬を試みたが, このうち5例に反跳発作を認め, 1例は断薬後に再発した. 4例はCZP単剤治療を継続中である.
脳波所見は, 投薬開始後6か月の時点で30例中22例 (73.3%), 24か月の時点で27例 (90.0%) で突発性発射が消失していた.
小児の部分発作に対するCZP単剤治療の効果は優れているが, 怠薬, 断薬時の反跳発作には十分注意すべきと考える.
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