てんかん研究
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23 巻, 3 号
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巻頭言
総説
原著
  • 坪井 弥生, 河口 修子, 今高 城治, 鈴村 宏, 山内 秀雄
    2005 年 23 巻 3 号 p. 215-222
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/01/17
    ジャーナル 認証あり
    胎児期・新生児期を起因時期とする脳障害とてんかん発症の関連を知るために、当院NICUを退院し、外来において3年間以上の観察をした357例について後方視的研究を行った。てんかんを発症したのは15例であった。出生体重1,500 g未満の児ではてんかん発症率は2.8%、平均てんかん発症年齢は51カ月であり、てんかん治療予後が良好で、アプガースコアが低値(1分後3点以下)、新生児期脳室内出血を既往にもつものが多かった。出生体重1,500 g以上の児ではてんかん発症率は5.2%、平均てんかん発症年齢は21カ月、てんかん治療予後不良のものが半数以上認められ、出生前脳室周囲白質軟化症、周産期低酸素性虚血性脳症を合併したものが多かった。てんかん発症例において、新生児期脳室内出血および周産期低酸素性虚血性脳症を合併したものが有意に多く、また6カ月以下でてんかんを発症した例はいずれも難治性てんかんであった。
症例報告
  • 岡崎 光俊, 伊藤 ますみ, 薬師 崇, 矢島 邦夫
    2005 年 23 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/01/17
    ジャーナル 認証あり
    欠神発作は一般的には全般てんかんに分類されているが、その中にfrontal absenceとよばれる、発作焦点が前頭領域に推定される一群が存在することが知られている。今回我々は発作症状の推移および脳波所見の変化を後方視的に比較することができた成人のfrontal absenceの一例を経験したので報告する。患者は抗てんかん薬治療に対して難治に経過する欠神発作様の症状と単純部分発作および二次性全般化発作を認めた。長時間ビデオ脳波同時記録にて右前頭部を起始として急速に全般化する3Hz棘徐波複合を捕捉し、臨床的には突然の一点凝視、意識消失、動作停止を呈した。発作間歇期脳波では右前頭部に棘波を認めた。SPECT、PETにおいても同部位に一致する発作焦点の存在が示唆された。また本症例では、症状経過や脳波所見が発達に伴う特異な変化を認め、frontal absenceと典型的な欠神発作との間に差異が存在することを明らかにした。
短報
  • 奥村 彰久, 辻 健史, 小沢 浩, 伊藤 正利, 渡邊 一功
    2005 年 23 巻 3 号 p. 229-232
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/01/17
    ジャーナル 認証あり
    West症候群に対するACTH療法中の副反応予防対策の現状についてアンケート調査を行った。日本小児神経学会評議員の所属する113施設に対し、アンケート調査を質問紙により行った。今回は、ACTHの減量中止の要否とその理由、感染予防・低K血症・脳退縮に対する対応について検討した。51施設から有効回答を得た。ACTHの漸減中止は、42施設で実施されており、35施設で必要と考えていた。必要と考える理由は、視床下部・下垂体・副腎系の機能不全などの内分泌的理由が最多であった。感染予防の配慮を行っているのは34施設であった。モニタリング以外の低K血症に対する介入は19施設で実施されていた。脳退縮への対応は46施設で行われていた。ACTH療法の副反応に対する予防対策は施設間で大きく異なっていた。ACTH療法を適切に施行するためには、副反応予防対策の標準化が必要であると思われた。
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