てんかん研究
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24 巻, 4 号
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巻頭言
症例報告
  • 櫻井 高太郎, 武田 洋司, 田中 尚朗, 栗田 紹子, 本間 次郎, 小山 司
    2006 年 24 巻 4 号 p. 268-273
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/12
    ジャーナル 認証あり
    症例は21歳女性。9歳時よりミオクロニー発作が出現し、若年ミオクロニーてんかんと診断された。バルプロ酸によりミオクロニー発作は抑制されたが、全般性強直間代発作は持続した。23歳時に従来のミオクロニー発作とは異なる、四肢に筋収縮を認める発作が出現したため入院となった。ビデオ脳波同時記録の結果、その発作を強直発作に類するものと考えた。フェニトインの導入により、全般性強直間代発作と強直発作は抑制された。通常、強直発作は症候性全般てんかんなど、広範な脳障害に基づくてんかん症候群で認める発作型である。しかし、本症例は臨床的、脳波的にも特発性全般てんかんの特徴を有しており、神経学的症状や画像での異常所見を認めなかった。若年ミオクロニーてんかんと診断した一群においても強直発作が出現する可能性があり、診断や加療に注意が必要と思われた。
短報
  • 辻 富基美, 西林 宏起, 郭 哲次, 篠崎 和弘
    2006 年 24 巻 4 号 p. 274-279
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/12
    ジャーナル 認証あり
    てんかん患者の頭痛にトリプタン製剤を使用し、頭痛への有効性およびQOL改善について検討した。その中でも片頭痛の特徴をもつてんかん発作後頭痛の治療およびQOLについて注目した。対象は外来通院中のてんかん患者のうち、てんかん発作後頭痛をもつ2例と、発作間欠期に頭痛がある4例である。てんかん発作後頭痛2例とも前兆のない片頭痛の特徴をもち生活に重大な支障があった。トリプタン製剤によりてんかん発作後頭痛2例は軽快し、生活の支障が著明~中等度改善した。一方、発作間欠期の片頭痛3例ではトリプタン製剤による生活の改善は著明改善から軽度改善まで個体差が大きかった。トリプタン製剤は前兆のない片頭痛の特徴をもつてんかん発作後頭痛に有効で、QOL改善にも有効である可能性がある。
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