乳児重症ミオクロニーてんかんの治療薬であるスティリペントール(STP; 本邦未承認薬)はチトクロームP450(CYP)2C19の強力な阻害剤である。STP併用および非併用時におけるデスメチルクロバザム(DCLB)の血中濃度投与量比(LDR)を活性の高いホモ型(hmEM: CYP2C19
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*1)の2症例、活性が中間であるヘテロ型(htEM: CYP2C19
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*2)の1症例、活性が欠損している型(PM: CYP2C19
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*2)の1症例について調査した。STP併用時のLDRは、hmEM症例では11倍と1.7倍、htEM症例では4.8倍と上昇した。PM症例では0.6倍と減少し、阻害効果が観察できなかった。CYP2C19は抗てんかん薬を含めて様々な薬剤の代謝に関わっており、日本人におけるPMの割合も約20%と高いことから、STPによる相互作用を予測する上で、CYP2C19の遺伝子多型測定は有用と考えられる。
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