我々は、臨床経過、症状、検査所見から症候性部分てんかんと診断される患者の中にLennox-Gastaut症候群で観察されるrapid rhythm様の波形を呈した症例を経験した。
発病年齢が15歳と遅い点、複雑部分発作が主体である点、発作間欠時に背景脳波の徐波化はなくα活動を中心とした正常な背景活動が見られる点でLennox-Gastaut症候群とは異なっていた。本症例は両側の側脳室沿いに異所性灰白質を有しており、ILAEが提唱する症候群分類の中の構造的/代謝性の原因に帰するてんかんに分類される。このような新分類提案の中で、「全般発作」と「部分発作」という従来の二大別する分類では解決されない発作型の一例として、現在検討中のILAE分類などに、より実際的な新たな視点を与えるためには、今後の症例の蓄積と深部脳波所見・脳磁図所見などを含めた知見の集積が必要である。
抄録全体を表示