てんかん研究
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巻頭言
原著
  • 吉岡 大祐, 松岡 秀晃
    2026 年43 巻3 号 p. 591-599
    発行日: 2026/01/30
    公開日: 2026/02/05
    ジャーナル 認証あり

    要旨:精神科医のてんかん診療からの離脱が指摘されている一方、てんかん患者の精神科受診状況は十分に検証されていない。本研究は、外来てんかん患者の診療科別受診状況および精神症状・発達障害の合併状況を明らかにすることを目的に、鳥取大学医学部附属病院における2003年度および2023年度の外来てんかん患者を後方視的に比較した。その結果、患者数は507人から823人へ増加し、高齢者の増加が顕著であった。精神科受診者数は両年度でほぼ同数を維持し、割合は15%から13%と大きな変化はなかった。抑うつ症状、心因性非てんかん発作など精神症状の合併率は既報より低く、過小評価や見逃しの可能性が示唆された。知的・発達障害は全体の42.5%に認められ、多くが小児科から成人移行せず通院を継続していた。精神科受診は一定数維持されており、発作管理や精神症状対応の両面で精神科医の関与は依然不可欠であり、診療体制の整備や精神科医の教育機会の確保が求められる。

  • 青山 大樹, 白水 洋史
    2026 年43 巻3 号 p. 600-608
    発行日: 2026/01/30
    公開日: 2026/02/05
    ジャーナル 認証あり

    要旨:本邦の2018年度版てんかん診療ガイドラインでは、焦点発作に対する薬剤としてラコサミド(LCM)は第二選択薬となっているが、焦点発作に対するLCMの単剤使用が認可されてからレベチラセタム(LEV)に加えLCMが1剤目に使用されるケースがある。そこで新規に焦点てんかんと診断された患者に対するLEV又はLCMの治療継続性と忍容性等について検討を行った。治療継続率はLEV群で61.3%(95%信頼区間:0.49~0.72)、LCM群で73.4%(95%信頼区間:0.62~0.82)であった。LCMの投与された患者はLEVに比べ年齢が高く発作焦点が側頭葉である患者が多い結果となった。一方、両剤とも副作用による中止は少なく忍容性が高いことが伺えた。本研究ではLCMが高齢発症の側頭葉てんかんに対して長期間単剤で使用可能である事が示唆された。

  • 柴田 有里, 小坂 仁
    2026 年43 巻3 号 p. 609-620
    発行日: 2026/01/30
    公開日: 2026/02/05
    ジャーナル 認証あり

    要旨:市中病院の小児てんかん治療終結を検討した。2016年4月~2025年3月に当科の一般外来でてんかん診療を受けた症例を対象とし、患者背景、最終診断、治療終結に至るまでの診療歴と断薬後経過を後方視的に調査し統計解析を行った。全211例中92例で治療を中止し、21例が再発した。うち7例で2回目の中止に踏み切ったが4例が再発し、残り3例は中止後3~8年が経過しているが再発はない。初回再発に有意に相関していたのは全般てんかん、発症年齢12歳以上、多剤併用、無発作期間35カ月未満、断薬後脳波異常、断薬年齢16歳以上で、再発後断薬に成功した群と2回目の再発を来した群で有意差があったのは断薬後脳波異常のみであった。特に治療再開から断薬までの期間における2回目までの脳波所見では、正常脳波の割合が断薬成功群で有意に高かった。症例数は限られるが、再発後の治療再開後に早期の脳波正常化が得られる場合、再度治療終結を検討し得る可能性が示唆された。

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