実験社会心理学研究
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23 巻, 2 号
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  • SHINOBU KITAYAMA
    1984 年 23 巻 2 号 p. 97-105
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    How does similarity in the views of most members in each of two groups modify the influence of the minority within each group? Similarity of the majority's view between groups (Similar/Dissimilar) and the Outcome of a prior intergroup cooperative act (Success/Failure) were varied. The results suggested the importance of a majority's readiness for acknowledgement of other views and the value of the assumption that the two groups were psychologically one group. A minority exerted less influence on a majority after a failure than after a success. Similarity was effective only in the Failure condition: A minority had the least influence in the Similar-Failure condition.
  • 誘導者と避難者の人数比が指差誘導法と吸着誘導法に及ぼす効果
    杉万 俊夫, 三隅 二不二
    1984 年 23 巻 2 号 p. 107-115
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は, 緊急避難状況における2つの避難誘導法-指差誘導法と吸着誘導法-を現場実験により比較検討したものである。指差誘導法とは, 誘導者が大声とともに出口の方向を指し示して誘導する方法であり, 従来, 避難訓練の場で広く用いられてきた典型的誘導法である。一方, 吸着誘導法とは, 誘導者が自分の近辺にいる少数の避難者 (本実験では1名) に対して, 自分についてくるよう働きかけ, その避難者を実際にひきつれて避難する方法であり, 本研究において新しく開発された避難誘導法である。
    本研究では, 特に, 誘導者と避難者の人数比が, 両誘導法にいかなる効果を及ぼすかを中心に検討した。具体的には, 避難者を常に16名と固定し, 誘導者4名の場合 (誘導者1名当りの避難者数4名) と誘導者2名の場合 (誘導者1名当りの避難者数8名) を比較した。また, 誘導者は2名であるが, そのうちの1名は指差誘導法を, もう1名は吸着誘導法を用いるという併用型についても検討した。
    実験に際しては, (1) 避難者のすぐ近くにあり, 特別な誘導がなされない限りは避難者が使用するであろうと予想される一つの出口と, 大部分の避難者からは当初見ることができない遠方にあるもう一つの出口, という合計2つの出口を設け, 誘導者が後者の遠方の出口へ向って誘導するという, 避難者にとって複雑な避難状況を構成した。また, (2) 避難開始直前の20秒間, 突然照明を消し, 非常サイレンを鳴らし続けるという操作を導入し, 避難者にある程度の不安と動揺を与えた。
    実験の結果, 誘導者と避難者の人数比によって, 指差誘導法と吸着誘導法の優劣が逆転することが見出された。すなわち, 誘導者4名の場合には, 杉万・三隅・佐古 (1983) の実験結果と同様, 吸着誘導法の方がはるかに迅速な避難を達成した。ところが, 誘導者2名の場合, 指差誘導法は, 先の誘導者4名による指差誘導法よりも短時間で避難を完了したが, 吸着誘導法においては, 誘導されなかった方の出口から避難してしまった避難者が16名中11名も出現した。誘導されなかった出口からの避難者が出現したのは, この誘導者2名による吸着誘導法の場合だけであった。以上の結果から, 誘導者1名当りの避難者数が少ない場合には, 指差誘導法よりも吸着誘導法の方が極めて有効であるが, 誘導者1名当りの避難者数が多い場合には, 吸着誘導法では不十分な誘導結果となることが明らかになった。
    また, 誘導者2名による併用型においては, 誘導者2名による指差誘導法よりもわずかながら短時間で避難を完了した。この事実は, 現実の避難誘導計画を作成する上で, 指差誘導法と吸着誘導法の併用を積極的に考えていくことに対する一つの根拠を提供するものであろう。
  • 廣兼 孝信, 吉田 寿夫
    1984 年 23 巻 2 号 p. 117-124
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は, 印象形成における手がかりの優位性の様相が, 推測されるパーソナリティの次元や認知者および刺激人物の性によつてどのように異なるかについて検討することを目的に計画された。
    手がかりとしては, 顔, 声, 体格, 服装の4つを用い, 1人の評定者にこれら4つの単一手がかり条件と, 4つの手がかりすべてを同時に含んだ全体手がかり条件のもとで, 同一の複数の刺激人物のパーソナリティについて評定させた。そして, 各単一手がかりによる評定結果と全体手がかりによる評定結果のプロフィールの類似度を表わす相関係数をもって各手がかりの優位性の指標とした。
    このような方法によって得られた主な結果は, 次のようなものである。
    1. 一般に, 声による手がかりが最も優位であり, 顔や服装による手がかりがそれに続き, 体格による手がかりの優位性が最も低かった。
    2. 印象を形成する対象の性により手がかりの優位性の様相は異なっており, 相手が男性である場合には顔が, 女性である場合には声が最も優位性が高かった。
  • 久木田 純
    1984 年 23 巻 2 号 p. 125-137
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は, 自集団以外の他集団と共に課題を遂行する状況において, 集団間の友好性と達成度の高低, 集団成員間の達成度の高低が, 集団内および集団間の報酬分配の公正感をどのように規定するかを検討した。
    集団間の関係が (1) 友好的である場合を実験I, (2) 非友好的である場合を実験IIとし, 各々の実験において友人二人 (個人達成度の高・低) からなる2集団 (集団達成度の高低) に対し報酬を支払う相互依存的状況が設定された。集団内分配と集団間分配において公平 (equity) と平等 (equality) の二つの分配原理につき, 個人決定と集団決定の状況で分配原理の選択を行なわせた。
    主な結果は以下の通りであった。
    (1) 個人決定による集団内分配原理の選択では, 実験I・実験IIの両者において一貫して高達成度の成員が平等原理を, 低達成度の成員が公平原理を選択した。
    (2) 集団決定による集団内分配原理の選択において, 実験IIの低達成度集団以外の条件では, 公平原理よりも平等原理が多く選択され, また, 平等原理を選択した集団での集団決定においては高達成度の成員の強い影響力があったことが見出された。
    (3) 個人決定による集団間分配原理の選択においては, 実験Iでは公平原理よりも平等原理が多く選択され, 逆に実験IIでは平等原理よりも公平原理が多く選択された。
    (4) 集団決定による集団間分配原理の選択においては, 実験Iでは, 集団の達成度にかかわりなく平等原理が多く選択され, 実験IIでは, 高達成度の集団は平等を多く選択し, 個人決定とは異なる選択をしたのに対し, 低達成度の集団は個人決定と同様公平原理を多く選択した。
    これらの結果については, 利己的・非利己的分配の観点から考察され, 特に, 低達成度条件においてはそれが個人であると集団であるとを問わず, 非利己的分配原理の選択を行なうものと考察された。
  • 中村 雅彦
    1984 年 23 巻 2 号 p. 139-145
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 向性次元の性格の類似性が, SP間の特性の感情価を同等にした場合に, 直接的に対人魅力に効果を及ぼすかどうかを検討することであった。また, これと合わせて, 知覚された類似性がSPの性格特性の認知にどのような影響を与えるかという点についても検討を行なった。
    被験者は大学生の男女60名であった。被験者は, 48個の特性形容詞について自分にあてはまる程度, 自分にとって満足できる程度を評定した後向性検査VATに反応した。次に, 外向型SPまたは内向型SPを呈示された被験者は, 所与のSPと自己との間に知覚された類似性, 48個の特性形容詞がSPにあてはまる程度, SPに対する魅力について評定を行なった。なお, 外向型SPと内向型SPの特性の感情価は, あらかじめ同等になるように統制されていた。
    本研究において見出された結果は, 次の通りであった。
    1. 対人魅力尺度については, 8尺度中4尺度において類似性の主効果が見出された。これは, 類似したSPの方が, 非類似のSPよりも好まれることを示すものであった。また, 有意な交互作用も見出され, 項目によっては, 類似性とは別に, 外向型SPが選好されたり, 内向型SPが選好されることが明らかになった。
    2. 類似したSPにあてはまると知覚された特性には, 非類似性のSPにあてはまると知覚された特性に比べて, 被験者自身にあてはまる特性と, 被験者の満足できる特性が有意に帰属さることが明らかになった。
  • 上野 徳美
    1984 年 23 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    The present study was designed to investigate the effects of message repetition and the amount of threat to freedom on resistance to persuasion. This experiment focused on subjects whose initial attitude were in line with the position presented in the persuasive message.
    Two factors were involved in this experiment, i, e., the number of message presentations (1 or 2), and the amount of threat (high or low), which constituted, then, a 2×2 before-after factorial design.
    Regardless of the number of message presentations, reactance effects were found in the high threat condition and positive attitude change was induced in the low threat condition. But no interaction effect between message repetition and the arnount of threat was found.
    The results were discussed in terms of the theory of psychological reactance. However, some doubt remained as to the validity of its basic propositions.
  • 三井 宏隆
    1984 年 23 巻 2 号 p. 153-158
    発行日: 1984/02/20
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 23 巻 2 号 p. 166
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
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