実験社会心理学研究
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37 巻 , 2 号
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  • 山口 創
    37 巻 (1997) 2 号 p. 109-118
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 2者のとる座席配置の特性のうち, 位置と視線に着目し, 視覚的遮蔽下において位置が気分に及ぼす効果について検討した。実験Iでは2者の視線を剥奪し, 距離 (近距離・遠距離) ×位置 (正面・斜め・横) ×身体方向 (前・後・左・右) のそれぞれに配置された被験者の気分について測定された。分散分析の結果, 位置の主効果だけに有意な差がみられ, 自分が相手の正面>斜め>横に位置する順に緊張や興奮が高まることがわかった。一方, 親密感や快といった気分は, 相手と自分との空間的な対称性によって高まることがわかった。次に実験IIでは相手に対する位置だけを把握させる実験を行った。空間の配置は実験Iと同様であり, 2者に視覚的遮蔽下で, 相手に対する位置だけを把握させた。また相手に対する位置を変化させる条件 (絶対空間条件) と, 相手の身体方向が変化することで相対的に位置の変化が起こる条件 (相対空間条件) を比較した。結果は, 空間様式の違いに関らず, 相手の正面, 斜め, 横に位置する順に緊張や興奮が高まることがわかった。これに対して, 親密・快の気分ではどの要因の効果もみられなかった。これらの結果について空間の特性と身体性といった見地から討論された。
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  • 矢守 克也
    37 巻 (1997) 2 号 p. 119-137
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    空前の都市型震災となった阪神大震災は, 多くの尊い人命を奪い, 甚大な被害をもたらすとともに, 自然災害に対する社会的対応のあり方, ひいては, 日本の社会システムのあり方に関して, 多くの警鐘を鳴らした。その一つに, 大量の避難者を, しかも数ヶ月という長期間にわたって引き受けた避難所に関わる問題がある。これまで, 災害に伴う避難所には, 被災者の安全と当面の衣食住を確保する「一次機能」だけが想定されていた。しかし, 阪神大震災によって, 避難所が, 中長期的な生活復旧を支援するための拠点としての機能, すなわち, 「二次機能」をもカバーしなければならないことが明らかになった。本研究では, まず, 事例としてとりあげるA小学校 (神戸市東灘区) が, 強力な地域リーダーのもと, ボランティアを巧みに活用しながら, 時期ごとに運営体制を段階的に変容させ, 一次機能, および, 二次機能の両者を果たしえた過程を, 同避難所のリーダー, 一般避難者, ボランティア, 関連行政組織の担当者らに対するインタビュー結果をもとに報告する。次に, その段階的変容プロセスを, 杉万ら (1995) が提唱した, 避難所運営に関する「トライアングル・モデル」の観点からとらえ返す。最後に, 以上を踏まえて, 今後の大規模災害時の避難所運営に関して, 10の提言をまとめる。
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  • 菅沼 崇, 浦 光博
    37 巻 (1997) 2 号 p. 138-149
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 友人の道具的行動と社会情緒的行動がストレス反応と課題遂行に及ぼす効果を実験的に検討することを目的とした。要因計画は, 2 (道具的行動の有無) ×2 (社会情緒的行動の有無) ×2 (正当性の高低) のデザインが用いられた。被験者は女子学生91名であり, 彼女らはそれぞれ親密な同性の友人 (サクラ) とともに実験に参加した。従属変数は, 生理的ストレス反応の指標として平均血圧 (MBP), 心理的ストレス反応の指標として状態不安, および課題遂行量 (単純計算) であった。正当性が高い友人の道具的行動は課題遂行を促進する効果をもった。一方, 正当性が低い友人の社会情緒的行動は, 道具的行動を伴わない場合に生理的ストレス反応を緩和する効果をもった。このような結果から, リーダーシップ過程とソーシャル・サポート過程との差異は, 正当性によって説明されることが示唆された。
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  • 樋口 康彦
    37 巻 (1997) 2 号 p. 150-164
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究においては, 在日留学生を被験者として, 心理的特性と適応感の関連について調査を行った。方法としては, 質問紙法を用いた。まず, 過去における適応に関する研究結果を基に在日適応感に影響を与える要因として, 達成志向性と調和志向性を選定した。
    そして各志向性の平均値を基に被験者たちを4タイプに分類した。分散分析の結果, 達成志向性・調和志向性ともに高いタイプが最も高い適応感を示すことがわかった。次に, タイプ分けの効果の他, 各志向性が適応感に与える効果の有意性について確認するため分散分析を行った。その結果, 各志向性の主効果, 両変数の交互作用が有意であった。
    次に, (a) 心理的特性以外の要因, (b) 心理的特性, (c) 適応感の関係性について総合的にとらえるため, 2次因子分析を行った。その結果, 達成志向性, 調和志向性は, 友人からのサポート, 語学力と並んで, 適応感と非常に強い関係を持っていることが明らかになった。
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  • 日高 由香子, 山口 勧
    37 巻 (1997) 2 号 p. 165-176
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    内外集団間差異と内集団での合意性推測の関係を検討するため, 3つの研究および補足研究が行われた。研究1およびその追試である研究2では, ある特定のトピック (普遍的に評価される事柄あるいは多様に評価される事柄) についての内外集団間差異の教示を大きくすると, 内集団での合意性推測の程度が高くなるという予測を立て検証した。大学生を対象としたこの二つの研究と補足研究により, 推測に用いられるトピックのタイプに影響を受けるものの, 予測は部分的に確証されることが示唆された。すなわち, 特定の二つの集団を比較するトピックで, 二集団を比較することが, 適切であると考えられる場合, 内外集団間差異の教示は, 内集団での合意性推測の程度を変動させた。会社員を対象とした研究3では, 推測に用いられるトピックのタイプに関わらず, 知覚された内外集団間差異の程度と, 内集団での合意性推測の程度には, 正の相関が認められた。上記の研究結果より, 推測課題による制限はあるものの, 内外集団間差異の知覚は, 内集団での合意性推測の程度と関連があることが示唆された。
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  • 八ッ塚 一郎, 矢守 克也
    37 巻 (1997) 2 号 p. 177-194
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    阪神大震災における既成組織のボランティア活動の事例について報告するとともに, 日本社会におけるボランティアの位置づけを軸として, 日本社会とボランティアの変容過程を分類整理する概念枠組みを提示した。まず, 阪神大震災時, 有効な救援活動を行った既成団体の事例として, (1) 企業 (2) 半官半民の公益団体 (3) NGOのそれぞれについて、特徴的な団体をインタビュー調査し、記述及び内容的整理を行った。次に、阪神大震災時の救援ボランティア活動を, 一時的・突発的な現象ではなく, 日本社会の長期的な変容過程の一部として把握するため, (1) ボランティアが篤志的活動である社会 (2) ボランティアが補完的役割を果たす社会 (3) ボランティアが第3セクターをなす社会 (4) あらゆる活動を「震災ボランティア」が担う社会 (5) 既成組織のネットワーク化をボランティアと呼ぶ社会, の5類型モデルを提示した。この5類型は, 高度経済成長と「ゆたかな社会」の到来に伴う, 既成組織の枠を越えたネットワーク的活動の勃興を整理した図式であり, 日本社会におけるボランティアの位置づけの変化を反映したものである。さらに, まさに形成の途上にある社会的現実として, 「ボランティア」を把握し研究する方向性を提示した。
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  • 田中 豊
    37 巻 (1997) 2 号 p. 195-202
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 科学技術及びその産物のベネフィット認知の構造を因子分析を用いて調査し, 大学生の科学技術及びその産物に対するベネフィット認知の認知地図を作成すること, そしてベネフィットの各因子が, 科学技術及びその産物の社会的受容をどの程度予測し得るかについて, 重回帰分析を用いて調査することである。調査は, 男女大学生を対象に, 9尺度・30項目の質問紙を用いて, 1994年に東京で実施された。
    その結果, 科学技術に対するベネフィット認知は「親近性」と「将来性」という2つの因子から構成されていることが, 因子分析により明らかにされた。また, 科学技術及びその産物の社会的受容を決定する上では, 「親近性」の因子よりも「将来性」の因子の方が重要であることが, 重回帰分析により示された。
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  • 野上 真
    37 巻 (1997) 2 号 p. 203-215
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では, 学生の運動部集団において, 主将のリーダーシップ効果が, 部員の学年, 技能水準, 自律性および種目により, いかに規定されるかを検討した。その結果, 得られた知見をまとめると, 以下の通りである。
    第一に, 高学年の部員ほど, 主将の計画Pの正の効果が高まる傾向が見られた。また, 低学年の部員ほど, 主将のMの正の効果が高まった。
    第二に, 補欠選手より正選手において, 主将の計画Pの正の効果が現れやすく, また, 圧力Pの負の効果が現れやすかった。また, 正選手より補欠選手において, 主将のMの正の効果が高まった。
    第三に, 自律性の低い部員よりも高い部員において, 主将のMの正の効果が現れやすく, また, 圧力Pの負の効果が現れにくかった。また, 自律性の高い部員より低い部員において, 主将の計画Pの正の効果が高まった。
    第四に, 個人種目, 集団種目の違いにより, 主将のリーダーシップ効果に顕著な差は見られなかった。
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  • 杉万 俊夫
    37 巻 (1997) 2 号 p. 216-222
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本特集「過疎地域の活性化-グループ・ダイナミックスと土木計画学の出会い」の導入論文として, まず, 過疎問題の性質が基本的に変化したこと, 具体的には, 1960年代の「貧しさの中の過疎」問題が, 1970年代後半以降, 「豊かさの中の過疎」問題に変化したこと, したがって, 現在の過疎問題は, 極めてグループ・ダイナミックス的問題であることを指摘した。次に, 行政統計に基づき, 過疎問題の現状を簡単に紹介した。さらに, 過疎地域活性化というテーマにアプローチする上で, グループ・ダイナミックスと土木計画学の学際的研究が必要であることを述べ, 両者の過疎問題に対するパースペクティヴを論じた。最後に, 本特集の2つの論文の基本概念が, 相互に翻訳可能であることを論じた。
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  • 岡田 憲夫, 河原 利和
    37 巻 (1997) 2 号 p. 223-249
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中山間地域におけるコミュニティ活力の向上に外部者の参入と関与が一つの有効な糸口を提供し得ることを, 特に, 小国町のケーススタディに即して実証した。その際, この種の外部者の重要性は単に頭数にあるのではなく, むしろそれぞれの「かけがえのなさ」や「個性・多様性」に裏付けられた地域社会への影響の質的側面に注目すべきであることを指摘した。これらの実証的な事実を踏まえて, 地域コミュニティの人々とコミュニケーションを維持し, 何らかの影響を与える外部参入者を「ハビタント」として, 一般的に概念化することを提唱した。この定義をあてはめることにより, 実証分析により確認された各々の外部参入者をハビタントと言い換えることができることを指摘した。その上で, ハビタント概念の明確化と分類について検討した。さらに, ハビタントの参入の促進を図る上で, 内部と外部の人・もの・金・情報の面でのチューニング・チャンネル機構の重要性とその機能的要件についても実証的分析を行った。最後に, ハビタント概念が中山間地域におけるコミュニティ活力の向上等を図る上で, 有効な観点を提供し得ることを明らかにした。
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  • 森 永壽
    37 巻 (1997) 2 号 p. 250-264
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 過疎地域の一つである鳥取県八頭郡智頭町において, 過去13年間にわたって展開されてきた地域活性化運動の軌跡を紹介し, その軌跡を, 大澤真幸の社会学的身体論に基づき, 規範形成・変容のプロセス (超越的身体の構成プロセス) として考察した。特に, たった二人の住民リーダーによって創出された規範が, 彼らから一般住民に対するイベントや外国人・研究者の一方的伝達 (贈与) が成功することによって, 規範の作用圏を拡大するとともに, 一般住民, さらには町行政の規範的前提を再編成していくプロセスを描出した。
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