実験社会心理学研究
Online ISSN : 1348-6276
Print ISSN : 0387-7973
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53 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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原著論文
  • 村山 綾, 三浦 麻子
    53 巻 (2013 - 2014) 2 号 p. 81-92
    公開日: 2014/03/18
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,集団討議で生じる葛藤と対処行動,およびメンバーの主観的パフォーマンスの関連について検討した。4名からなる合計17集団(68名)にランダムに配置された大学生が,18分間の集団課題を遂行した。その際,討議開始前,中間,終了時に,メンバーの意見のずれから算出される実質的葛藤を測定した。また討議終了時には,中間から終了にかけて認知された2種類の葛藤の程度,および葛藤対処行動について回答を求めた。分析の結果,集団内の実質的葛藤は相互作用を通して変遷すること,また,中間時点の実質的葛藤は主観的パフォーマンスと関連が見られないものの,終了時点の葛藤の高さは主観的パフォーマンスを低下させることが示された。関係葛藤の高さと回避的対処行動は主観的パフォーマンスの低さと関連し,統合的対処行動は主観的パフォーマンスの高さと関連していた。関係葛藤と課題葛藤の交互作用効果も示され,課題葛藤の程度が低い場合は,関係葛藤が低い方が高い方よりも主観的パフォーマンスが高くなる一方で,課題葛藤の程度が高い場合にはそのような差はみられなかった。葛藤の測定時点の重要性,および多層的な検討の必要性について議論した。
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  • 黒川 雅幸
    53 巻 (2013 - 2014) 2 号 p. 93-107
    公開日: 2014/03/18
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,もったいないと感じた後の認知,感情,行動の変化について明らかにすることが目的であった。研究1では,大学生171名を対象に質問紙調査を実施した。参加者の経験や場面想定法による評定から,もったいないと感じた後には,それと類似する出来事において,再びもったいないと感じないように行動の改善を図ったり,気をつけたりすることが多いことが明らかになった。さらに,研究2,3では,研究1で得られた結果を行動レベルで確認するための実験的な検討を行った。研究2では,大学生42名を対象にもったいないを情動特性として捉えた実験を行った。価値の損失および再利用・再生利用可能性の消失によるもったいない情動特性が高いほど,もったいないと感じないように行動することが明らかになった。研究3では,大学生45名を対象にもったいないを状態的感情と捉えた実験を行った。しかし,もったいない感情が喚起されても,もったいないと感じないようにする行動はみられなかった。さらに,研究4では,大学生42名を対象に,情動特性と状態的感情の両方から検討し,状態的感情の喚起がもったいないと感じないような行動を導くことを明らかにした。
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  • 阿形 亜子, 釘原 直樹
    53 巻 (2013 - 2014) 2 号 p. 108-115
    公開日: 2014/03/18
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    近年,好ましい人物であるとの評判を獲得できることが向社会的行動を引き出すという競争的利他主義(Van Vugt, Roberts, & Hardy, 2007)が,多くの研究で注目を集めている。そこで本研究では,個人の貢献にともない評判が形成されうる状況がパフォーマンスを促進するかどうかを検討した。発展途上国に寄付する物品を作成する場面を用いて,貢献量を他者に呈示できる個人条件と,自己の貢献量が提示できない集団条件を設定し,実験をおこなった。併せて,作業量に伴って参加者自身に金銭報酬が与えられる物質的報酬条件との比較をおこなった。その結果,寄付物品作成場面を用いた潜在的報酬条件において,集団条件よりも個人条件でパフォーマンスが高まり,評判が形成されうる状況が寄付行動を促進することが示された。一方,潜在的報酬条件と物質的報酬条件の間で,パフォーマンスに差はみられなかった。最後に,実験操作の問題点について考察し,向社会的行動の促進要因としての評判の効果について議論をおこなった。
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  • 野波 寬, 蘇米雅, 哈斯額尓敦, 坂本 剛
    53 巻 (2013 - 2014) 2 号 p. 116-130
    公開日: 2014/03/18
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    正当性とは,自他がコモンズの管理に関与する権利の承認可能性と定義され,その規定因として,法規などの制度にもとづく準拠枠である制度的基盤と,自他の専門性などへの主観的評価である認知的基盤が提起される。本研究では,内モンゴル自治区における牧民・行政職員・都市住民の間での,牧草地の管理権をめぐる正当性の相互承認構造を検討した。牧民が認知的基盤に依拠して自らの正当性を承認する一方,行政職員は制度的基盤より彼らの正当性を否認するなど,三者間には正当性の判断に不一致が見られた。コモンズの管理など多様な人々の利害にかかわる公共政策の決定において,正当性の相互承認に焦点をあてることの重要性について議論した。
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資料論文
  • 矢崎 裕美子, 斎藤 和志
    53 巻 (2013 - 2014) 2 号 p. 131-140
    公開日: 2014/03/18
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究は就職活動時の情報探索行動および入社前研修が内定獲得後の就職不安の低減に及ぼす効果を検討した。入社前研修としては,内定者向け研修と内定者懇親会を取り上げた。一般企業への就職が決定している学生177名を対象とし,質問紙調査を行った。因子分析の結果,内定獲得後の就職不安は1因子,情報探索行動は先行研究と同様の企業特徴,就活方法,自己関連,経験・体験の4側面で構成された。内定獲得後の就職不安に対し,各情報探索行動(高・低)×入社前研修(参加・不参加)の二要因分散分析を行った結果,内定者向け研修と経験・体験,就活方法の情報探索行動の交互作用効果,内定者懇親会と経験・体験の情報探索行動の交互作用効果が得られた。また,企業特徴,就活方法の情報探索行動と内定者向け研修の主効果は見られたが,内定者懇親会の主効果はみとめられなかった。本研究の結果から,就職活動中に情報探索行動を多く行ったうえで入社前研修に参加することが内定獲得後の就職不安低減に効果的であることが示された。
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  • 山中 咲耶, 吉田 俊和
    53 巻 (2013 - 2014) 2 号 p. 141-149
    公開日: 2014/03/18
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,他者の面前におけるパフォーマンスの抑制メカニズムについて認知的,感情的側面に着目して検討した。本研究で想定したメカニズムは,課題遂行中に目標とする水準を達成できていないと認知することによって,感情体験が上昇する結果,さらなるパフォーマンスの悪化が生じる,というものである。実験の結果,課題遂行時に自己の成績が目標よりも劣っていると認知した遂行者は,認知後の成績が低下し,自己報告による感情得点が高くなった。一方,自己の成績が目標よりも優れていると認知したものは,成績の変化は見られず,感情得点は低下した。以上の結果より,本研究で想定したパフォーマンスの抑制メカニズムは概ね支持された。なお,行動指標と主観的に報告された感情指標の変化傾向が概ね一致した一方で,生理指標は時間推移に沿った変化しか示されなかった。生理指標の変化傾向が,失敗数,感情指標と一致しなかったことより,生理的覚醒が直接的にパフォーマンスを抑制するわけでなく,状況へのネガティブな認知と感情体験の上昇がパフォーマンスに影響する可能性が示唆された。
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