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原稿種別: 表紙
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
Cover15-
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 目次
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
Toc3-
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 目次
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
Toc4-
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
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谷口 るり子
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
1-4
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
授業で提示したPowerPointファイルを,授業後自由に参照できるようにWeb上に置いた場合,学生がこのWeb教材をどの程度利用するのか,特に授業に欠席した学生に注目して学習状況を分析した.その結果,授業を欠席したために授業中に見ることができなかったスライドを後から参照する割合は,学生全体と比較して,欠席回数が3回までの学生の方が高いことがわかった.また,欠席分のWeb教材のうち,小テストの解答スライドは,試験の点数に効果を与える場合があることがわかった.
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新開 純子, 宮地 功
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
5-8
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
プログラミング教育では,アルゴリズムを作成する能力とプログラム言語で表現する能力を育成することが重要である.特に,アルゴリズムを作成する能力の育成は,問題解決能力の育成になり,重視すべきである.そこで,アルゴリズムを作成するまでのプロセスを重視した教育を行うために開発した学習支援システムを活用して,Cプログラミング入門教育を実践した.実践後,プログラミングに関する力と意識を調査した結果,プログラム作成プロセスに必要な知識と力が有意に向上することがわかった.
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村井 潤一郎, 山田 剛史, 杉澤 武俊
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
9-12
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
心理学関連学科において,心理統計教育は重要な意味を持っている.そこで,心理統計教育の現状把握のため,質問紙を用いた全国調査を行った.調査票を全国の担当教員に送付し,授業の担当教員,その授業を受ける学生,双方からデータを収集し分析した.基本統計量に基づき考察した結果,学生が力がつくと思っている授業,教員が実際に行っている授業それぞれの特徴が明らかになった.これらの結果の,心理学以外の統計教育への適用可能性も示唆された.
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倉田 伸, 藤木 卓, 寺嶋 浩介
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
13-16
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
情報モラル(倫理)の指導において,取り上げる問題場面(問題文自体)を学習者に作成させることにより学習内容と日常の体験を関連させることができる作問演習に注目した.作問演習方法として題材法,訂正法,類題法に焦点をあて,平嶋(2005)の作問理論を元に問題を構成して授業実践を試行した.その結果,作問演習による学習は通常の問題解決による学習に対し効果的な学習が可能であること,また訂正法による指導は難易度が高い問題に対し効果的であることが分かった.
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生田 淳一
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
17-20
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本論文は,VALLERAND and RATELLE(2002)の動機づけの階層モデルにおいて指摘された状況的意欲について検討した.大学での講義において教室実験を行った.3回の講義において実施された課題における学生の状況的意欲についてデータを収集し,状況的意欲がどのような状態にあるかを調べた.本研究の主な結果は,以下の2点である.(1)学習者(学生)には,状況的意欲が変化するグループが存在することが見いだされた.(2)課題の内容が状況的意欲の変化に影響する可能性があることが示唆された.このことから,状況的意欲には変化可能性があることが示唆された.
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藤木 卓, 寺嶋 浩介, 平岡 賢治, 村田 義幸, 中村 千秋
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
21-24
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,教員免許更新のための遠隔講習開設検討の基礎資料とするために,離島部と都市部をテレビ会議で結ぶ遠隔講習を試行し,遠隔教育理論である相互対話距離について検討した.その結果,相互対話距離に直接関係する項目において,実施した4講習のうちの1講習で対面講習の評価が遠隔講習を上回った.その要因には,会場間での講師活動の差の影響が示唆された.また,テレビ会議環境のうち,資料同期ツールが高い評価を得た.
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仲道 雅輝, 松葉 龍一, 江川 良裕, 大森 不二雄, 鈴木 克明
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
25-28
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
日本福祉大学では,履修登録前に学習目標や授業内容の確認を容易にするオンデマンド化された科目ガイダンスビデオを開発し,2008度より本格的な利用を開始した.この導入により,全教員がe-learningコンテンツ制作に関わることになったためにe-learning製作に対する不安や負担感を減少させることができた一方,シラバスの見直し,学習目標をより明確化する等のFD活動も活発化させ,ICTを活用したブレンド型授業が増加するなどの全学的な教育改善に進展してきている.本論文では,科目ガイダンスビデオの開発,視聴実施に至るまでの組織的な取り組みと,科目ガイダンスビデオ開発の効果を検証するために行った開発に携わった教員へのアンケート調査の結果を報告する.多くの教員は科目ガイダンスビデオの開発をかなり好意的に受け入れており,その視聴実施は受講生に対して十分な効果が認められるという考えを持っていることが分かった.
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河井 正隆
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
29-32
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,専門学校教員の養成においてブレンディッド型e-Learningを活用した協調自律学習がどのような意味をもつのか,その意味を学生授業アンケートと学生インタビューから検討した.今回対象とした授業は,本校教員養成学科に開設する必修科目「教育学概論」(2008年度前期)で,受講生は2年生15名(男性13名,女性2名)である.検討の結果,次の点が明らかとなった.(1)ブレンディッド型e-Learningにより自己を相対化するコミュニケーションが活性化する.(2)チームへの責任感や貢献しようとする意識が高まり,チーム内の役割も明確化され機能する.(3)学習意欲の高まりに伴いチーム間の競創関係が生じる,などである.今後,協調自律学習をより効果的に運用できるよう授業デザインの再考が課題と思われる.
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島田 英昭
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
33-36
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
防災意識の高まりから,防災マニュアルの重要性が増大している.従来の教材では,内容の理解が第一の目的とされるが,防災マニュアルには行動喚起力が必要である.インストラクショナル・デザインの立場から言い換えると,防災マニュアルには説得的タスクが内包されている.本研究は,防災マニュアルにしばしば含められている予測的確率情報に着目し,防災マニュアルで利用される予測的確率情報の有無と内容を操作し,予測的確率情報が説得力に与える影響を明らかにすることを目的とした.心理実験を実施して分析した結果,(a)予測的確率情報の単なる存在ではなく,その内容が説得力を高めること,(b)予測的確率情報は信頼感,安心感を高め,結果として説得力を高めるという認知プロセスがあることが明らかになった.
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久保田 善彦, 楡井 正弥, 鈴木 栄幸, 舟生 日出男, 加藤 浩
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
37-40
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
中学生の理科学習を対象とし,問題解決の仮説生成場面で発散と収束に関する創造性態度テストを行った.その結果,発散は,クラス全体のアイディアの把握が影響していた.収束は,クラス全体のアイディアの把握と共に自己のアイディアの理解が影響していた.そこでは,自己のアイディアの相対化が行われていたと推測される.本実践では,同一のKBシート上に学習を展開した.これによって,複数の班のアイディアが同時に可視化できるため,自班のアイディアの相対化に繋がったことが,仮説生成場面における発散および収束の態度を向上させたと言える.
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中村 好則
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
41-44
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
聾学校生徒にとって携帯電話はコミュニケーションツールとして重要な機器であり,多くの生徒が所有している.一方,聾学校生徒の数学学習では,学習内容の定着や活用等に課題があり工夫や配慮が必要である.筆者は,いつでもどこでも使用できる携帯電話用の教材があれば,聾学校生徒の学習を支援できる可能性があると考える.そこで,本研究では,携帯電話で学べる数学教材を試作し,聾学校生徒を対象に実践を行い,その教材を評価した.その結果,本実践において,試作教材は既習事項の定着を促し聾学校生徒の数学学習を支援できる可能性が示唆された.しかし,さらに実践を深め,効果の一般性を検討することが課題である.
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田島 貴裕
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
45-48
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,教員免許状更新講習(予備講習)理科教育コース[地学系実験ユニット]を実施し,アンケート調査分析と経済性分析を行った.受講対象者が少ない地学分野では,受講者の属性が多様であるため,講習内容に対しての印象も異なっており,今後の実施についての改善点が明らかとなった.また,教員免許状保持者の懸念となっている費用負担の在り方について,今後も継続して検討する必要性が示唆された.
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舟生 日出男, 三戸 裕美, 平嶋 宗
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
49-52
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
学習すべき内容を表現した「教材コンセプトマップ」を活用することで,教材作成者の思考過程についての学習者のリフレクションが支援され,教材の内容理解の促進が期待できる.本研究では,教材コンセプトマップ作成者のノード群の比較・検討の意図を知らせるためのアウェアネスとして,作成時の視線情報を取得しておき,コンセプトマップの再生時に重ね合わせて提示することを目指した.支援システムを開発し,予備的な評価実験を行った結果,アウェアネスとしての教材コンセプトマップ作成者の視線情報が,学習者による内容理解を促進する可能性が示唆された.
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伊豆原 久美子, 向後 千春
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
53-56
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
学生が毎週の授業の感想や質問などを教員とメンターに送る機能をレビューシートという名前でLMSに実装し,大学のeラーニング形式の授業で利用した.学期末にレビューシートとARCS動機づけモデルの枠組みによる授業評価アンケートを実施し,レビューシートの利用が授業評価に及ぼす効果を検討した.レビューシートに関する設問を因子分析した結果,「学習促進」「負担回避」「コミュニケーション」「不安・気遣い」の4因子が抽出された.4因子と授業評価を潜在変数として共分散構造分析によるパス解析を行った結果,コミュニケーションへの好意的な反応が授業評価を向上させることが示唆された.
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元木 芳子
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
57-60
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
外国語の学習では,同じ教員から同じ時間数の授業を受けていても,時間が経つにつれ学生間に成績の差が出てくる.このことは学習者側にも要因があると考えられる.e-Learningでは,学習者自身の取り組み方が,その成果に大きな影響を与えると考えられる.本研究では,ドイツ語初学者を対象に,学習の際すぐに採点し,誤答には正答を表示し,学習者自身が自己評価し,教授者がコメントを返すことで,ほとんど学生と対面することのないe-Learning学習でも,その学習効果を総合得点の上昇で確認した.
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亀石 由貴, 山本 裕子, 野嶋 栄一郎
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
61-64
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究は,一斉授業における児童間の連続発話の特徴を明らかにすることを目的とする.ある公立小学校4年の算数の授業を対象にビデオ記録を含む参与観察を実施し,児童間の連続発話を中心にカテゴリ分析を行った.さらに,児童間の連続発話と,他児童の発話との関連を検討するため,カテゴリの組み合わせによる分析を行った.その結果,本授業において,教師は,授業に直接関連した発話を中心に行っていた.児童間の連続発話場面では,先行発話者に対する同調行動が行われている可能性,また,児童間で暗黙的な発話ルールが共有されている可能性が示唆された.
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永田 智子, 森山 潤, 森広 浩一郎, 掛川 淳一
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
65-68
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
教職大学院生の学びの蓄積と振り返りを促進するとともに,多様な参加者の円滑なコミュニケーションを促進するためのeポートフォリオ・システムを開発した.10週間の試用期間を経て,投稿量・投稿内容の分析と大学院生に対するアンケート調査を実施した.分析の結果,大学院生は主として個人研究や講義で学んだことの蓄積として活用していることがわかった.また,試用期間中は対面コミュニケーションが中心であったため,eポートフォリオ上でのコメント投稿は多くなかったが,大学院生らは,自分の考えを伝え指導や助言がもらえることについて本システムに期待していることがわかった.
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三島 知剛, 安立 大輔, 森 敏昭
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
69-72
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究の主目的は,教育実習生が必要と感じている学習内容を実習前後の変容の可能性と合わせて検討することであった.そのため,学習を大学講義で扱われることが多い理論的内容と,大学講義では扱われにくい実践的内容に大別し,実習生135名を対象に調査を行った.その結果,(1)教科の指導法や心理学的な背景を必要とする理論的学習や,学習指導や授業作りに直結した学習内容を必要と感じていること,(2)実習経験により,実践的な学習内容より理論的な学習内容を必要と感じるようになること,の2点が主に示唆され,実習経験による実習生の求める学習内容への意識の比重の変化の可能性や大学カリキュラム構築に関する示唆と合わせて検討された.
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市原 靖士, 森山 潤
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
73-76
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では中学校技術科「情報とコンピュータ」の授業を事例に,ディジタルコンテンツを用いた学習指導における学習者の熟慮・衝動型認知スタイルの影響を検討した.熟慮・衝動型は,認知的テンポの違いによる認知スタイルであり,衝動型は全体的・直感的に問題を解決する傾向を,熟慮型は分析的・論理的に問題を解決する傾向を持つ.このような両者の特徴から,ディジタルコンテンツを用いた学習指導では,教材のマルチメディア性によって学習のしやすさに差異が生じるものと考えられる.そこで中学2年生188名を対象に2種類の教材を用いた実験授業を行った.その結果,熟慮型の男子はマルチメディア性の強い教材をあまり好まない傾向が示唆された.また,影響力は弱いものの,衝動型の学習者では,マルチメディア性の強い教材において学習内容の理解が促進されやすい傾向が把握された.
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北神 慎司, 谷口 和也, 山本 大介, 高橋 直久
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
77-80
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,提示されたアイコンの意味を答える自由回答方式の質問を中心として,モバイルマップ上のランドマークを表示するアイコンのわかりやすさについて,複数の観点から検討した.その結果,まず,個々のアイコンのわかりやすさに関する基礎的データが得られた.そして,全体の傾向としては,わかりやすいアイコンが多いものの,個別に見れば,代表性などの問題から,必ずしも,わかりやすいとは言えないアイコンも存在した.さらに,アイコンの見やすさといった観点,あるいは,アイコンの階層といった観点から,わかりやすさについて検討したところ,アイコンのデザインにおいて,視覚的典型性が重要であることが示唆された.
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鴈野 重之, 尾沼 玄也
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
81-84
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
ティーチングアシスタント(TA)制度は授業の質を向上させるツールとして多くの大学で導入が進んでいる.しかし,その効果的運用についての研究は少ない.そこで,大学における物理の実験についてビデオカメラによる記録とその分析を行い,学生が実験室でどのように振舞い,どのようにTAを利用しているのかを調べた.学生は非常に基礎的な事項であってもTAの助力を必要とし,高い頻度で質問をしていることがわかった.また,実験の進度は班内の理解の早い学生の進度に引きずられる傾向も見られた.学生はTAの質的な面を重要視している.TAへの教育を徹底し質を高めることで,TAを媒介とした理解の浸透が期待される.
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坂本 篤郎, 堀田 龍也, 山内 祐平
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
85-88
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
初等教育の教科学習での協調学習場面において,教師が学習者のどのような要因に着目して足場はずし(Fading)を行うのか明らかにすることを目的とし,10名の小学校教師に対して質問紙と半構造化インタビューを用いて調査を行った.抽出された足場はずしを,それらが行われた際の理由や状況によって類型化した結果,3つのカテゴリ,7つのサブカテゴリに分類することができた.以上より,教師が協調学習場面で足場はずしを行う際に認識している観点が示された.
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後藤 康志, 丸山 裕輔
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
89-92
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
メディアからの情報の共時的分析と通時的分析を通して,メディアの情報は送り手の意図によって意図的に選択されていることに気づかせ,メディアに対する批判的思考を育成する教材パッケージを開発した.小学生35名を対象とした授業を実施した結果,教材パッケージの利用によりメディアからの情報が偏る理由と,偏った結果,隠されているかも知れない情報を指摘できるようになったことが示唆された.
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岸 俊行
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
93-96
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,実験的にPCを用いた遠隔カウンセリングを行い,カウンセリング時におけるモニタ上に提示されるクライエントの自己画像がクライエントの不安や発話内容とどのような関連があるのかの検討を行った.画面上に提示される自己画像の顔部分に着目し,顔面積の大きい群をモニタ接近群,小さい群をモニタ回避群とした.また分析の指標として,クライエントの不安得点を算出し,クライエントの発話内容を3つのカテゴリに分類し,それぞれのカテゴリの発話時間を計測した.分析の結果,モニタ接近群の方が,モニタ回避群よりも不安得点が低く,カウンセラーとの相互交渉に係る発話時間が長いことが明らかとなった.
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高橋 薫, 村松 浩幸, 椿本 弥生, 金 隆子, 金 俊次, 村岡 明, 堀田 龍也
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
97-100
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本稿では,総合的な学習の時間にアントレプレナー教育(起業家教育)に取り組んでいる山形県米沢市立南原中学校の実践を,言語力育成の観点から評価した結果を報告する.同校の実践では,一連のビジネスのプロセスの中に,言語力育成に配慮した授業デザインがなされている.生徒の言語力の変容を,実践の前後に生徒が書いた意見文の質(客観的評価)と,実践後のアンケート(主観的評価)から評価した.その結果,実践後は産出する文章の質を向上させており,より高度な論証を行っていることが明らかになった.また,実践後のアンケートから,生徒は自らの言語力の伸張に自信を深めていることが確認された.以上のことから,客観的評価と主観的評価の双方から,言語力の伸張が確認され,授業デザインの効果が推察された.
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小川 修史, 小川 弘, 掛川 淳一, 石田 翼, 森広 浩一郎
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
101-104
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
昨今の教育改革では教員の自己研鑽の必要性が強調されている.しかし,現場の諸問題に対応しながら経験の浅い教員が協調して授業改善に努めるのは大きな負担となる.そこで,筆者らは分散環境における授業改善を支援するシステムの構築を目的として,共有された授業風景動画の特定場面と討論中の発言内容の対応を明示化するシステムVISCOの開発を目指している.VISCOの開発にあたり,筆者らはまずプロトタイプシステムを構築し,実践的検討を行った.結果,VISCOを用いる事で課題箇所が指摘され,課題に関連した場面が明示化されることによって議論が活性化し,授業改善に活かされている点が示唆された.
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玉田 和恵, 松田 稔樹
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
105-108
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本稿では,玉田ら(2004)が開発した「3種の知識による情報モラル指導法」を改善し,その効果を検証した.改善のポイントは,直接学習していない新規の情報モラル課題にも対応できるように,3種の知識の枠組みや知識相互の関係を学習者に明示的に指導する点と,情報モラルの判断をするために最低限知っておかなければならない情報技術の知識としてインターネットの特性を明示し,判断の際に情報技術を使用した際のプラス・マイナス面についてトレードオフ関係を検討させる点にある.教師と高校生を対象に,改善した内容を基に授業を実施し評価を行ったところ,思考力の向上と,情報技術に着目して問題を詳細に検討する態度の育成に効果があることが検証された.
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中山 実, 佐藤 知条, 宇治橋 祐之, 武田 一則
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
109-112
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本報告では,テレビ番組とICTを活用した授業による学習効果を調べるために,実践授業前後で標準学力テストを実施した.また,学習者の自己評価を実施した.その結果,標準学力テストの得点には変化がなく,学力での効果は見られなかったが,学習者の自己評価との関連を調べたところ,自己評価の「満足感」の因子は学力テスト得点の変化と,「まとめの力」の因子は学習態度の得点と,それぞれ関連することがわかった.
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松田 岳士, 山田 政寛
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
113-116
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究は,eラーニングコースの学習支援担当者にとって進捗管理の重要なポイントであるメッセージ発信タイミング決定の判断基準を探るものである.具体的には,大学が提供する非同期・分散型のeラーニングコースにおいて,学習計画を立てる習慣がある学習者とそのような習慣がない学習者が,実際の学習活動においてどのような差異を示すのかについて調査した.その結果,学習計画を立てる習慣のある学習者は,習慣のない学習者に比べると深夜に学習することが少なく,また,コース実施期間の中期にも学習するといった特徴があった.
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高橋 純, 堀田 龍也, 青木 栄太, 森下 誠太, 山田 智之
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
117-120
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
教科書に準拠した算数科提示用デジタルコンテンツを活用した授業実践を行い,実物投影機を活用した授業との比較から,本コンテンツを評価した.その結果,提示用デジタルコンテンツを活用した授業では,実物投影機を活用した授業と同じレベルまで理解度が高まっていた.児童や教員を対象にしたアンケート結果では,両群共に4段階評価で平均3を越える高い評価であったが,両群を比較すれば,本コンテンツを活用した授業の方が高い評価であった.児童の楽しさや満足,教員の板書のしやすさといった項目で,より高い評価が得られていた.また,本コンテンツを活用した授業の方が,拡大提示にかかる操作時間は短く,数多くの指導場面で教科書の拡大提示が行われるといった授業の特徴も明らかとなった.
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志賀 靖子, 歌代 崇史, 赤堀 侃司
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
121-124
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
電子掲示板は対面授業内外やe-learningにおいて広く活用されている.しかしながら,従来の電子掲示板は投稿機能のみが議論の参加手段であるため,非言語的手がかりが欠如し,相手の存在を意識しにくいとともに,投稿を読んでもコメントを積極的に行いにくいという問題点がある.本研究では投稿以外のフィードバック手段として下線引き機能を提案し,実装した.2つの評価実験より,投稿内容に下線を引くことは,他者から自分の投稿がどのように受けとめられているかということや他者同士の関係を把握しやすい可能性が示された.特に下線を引かれたのが自分の投稿である場合,励ましといった心理面への効果を持ち,より動機づけの低下を防ぐ可能性が考えられた.
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高木 正則, 若林 俊郎, 勅使河原 可海
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
125-128
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
我々は学習者が問題を作成し,その問題をグループ内で相互に評価できるWBTシステム「CollabTest」を開発してきた.CollabTestでは,学生が作成した問題を利用して確認テストを出題することもできる.本研究では,CollabTestを小学校5年生に利用してもらい,作問と相互評価,確認テストの解答を実践した.実践の結果,4割の児童がオンラインテストを繰り返し解答し,知識の定着に役立てていたことや,作問や相互評価活動を通して四字熟語の問題を解くことが得意になった児童が増加したことなどが示された.
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野中 陽一, 石塚 丈晴, 高橋 純, 堀田 龍也, 青木 栄太, 山田 智之
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
129-132
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
野中ら(2008b)が抽出したICT機器の日常的な活用のための環境構成において検討すべき4つの要件のうち,「板書とプロジェクタによる投影を組み合わせる」,「機器の配置や投影場所等を完全に固定せず,必要に応じて配置の変更ができるように配慮する」,という二つの要件を検証するために,ICTを日常的に活用している教員を対象としたアンケート調査を実施し検討した.その結果,ICTを日常的に活用している教員は,これらの要件を重視していることが確認された.
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堀田 龍也, 皆川 寛, 渡邉 光浩, 高橋 純
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
133-136
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
ICT活用頻度の低い教員のICT活用を促すことを目的とし,ヒアリングをもとにリーフレット開発のためのルールを同定した.ルールに従って開発したリーフレットに対し,558名の教員からの評価を得た.評価の結果,ICT活用頻度の低い教員ほどリーフレット全体から受ける印象を高く評価していた.また,ICT活用頻度の低い教員ほどリーフレットで取り上げている事例の追試可能性を感じていた.以上のことから,開発されたリーフレットは,ICT活用頻度の低い教員のICT活用を促すことが示された.
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小清水 貴子, 藤木 卓, 寺嶋 浩介, 織田 芳人, 藤本 登, 西田 治, 園屋 高志, 米盛 徳市, 仲間 正浩
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
137-140
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
離島教育におけるICT活用の特徴として,子どもたちに多様な教育機会を保障することがあげられる.しかし,離島の教師は,他の教師とコミュニケーションを取る機会が少ない.そこで,本研究では,離島の教員を対象としたICT活用指導力の向上を目指す教員研修において,他者との共同を設計要件に加えた研修を実施し,その評価を行った.その結果,ICT活用の意義に対する理解や,ICT活用に対する意欲の高まりが見られた.
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皆川 寛, 高橋 純, 堀田 龍也
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
141-144
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
「授業中にICTを活用して指導する能力」を向上させるために,模擬授業・研究授業・ワークショップ型事後検討会の3つの活動を組み合わせた校内研修プログラムを開発した.実際に研修を実施し評価を行った.その結果,校内研修プログラムの活動及び構成は妥当であるという評価が得られ,「授業中にICTを活用して指導する能力」を向上させる上で有効であることが確かめられた.
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中村 隆敏, 角 和博, 江口 俊男
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
145-148
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
情報メディアにおいて,動画映像は最も生活に密着しているが動画情報発信のリテラシー教材が少ない.教材化することで,フレーム毎に作り出される映像メディアへの構造理解ができる.附属中学校技術科における共同研究は,グループワークによる協調学習の意義と動画映像の構造理解を目標にして行われた.その結果,クレイアニメーションは動画の構造や原理について理解しやすく,背景やキャラクターなどをシナリオに合わせて設計することで工夫して制作する創造力が育成でき,グループ内で役割分担を行うことで協調学習の有効性が実証できた.
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渡邉 光浩, 高橋 純, 堀田 龍也
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
149-152
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
算数科の一斉授業において,同じ教員が同じ題材で,ICTを活用した授業と活用しなかった授業を行った.それぞれの授業の各段階にかかった時間や,児童に対する教員の学習支援の程度を比較した.ICTを活用した授業では,活用しなかった授業に比べて,教員による指示・説明や児童に対する学習支援,児童による活動の時間が短縮されていた.このことから,ICTを活用した授業では指導の効率化が図られていることが確かめられた.
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谷塚 光典, 東原 義訓
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
153-156
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,教員養成初期段階の学生が臨床経験科目における経験についてINTASCスタンダードに基づいて作成したティーチング・ポートフォリオの記述内容を,観点「コミュニケーション」に着目して,テキストマイニングソフトを用いて分析することを通して,教員養成初期段階の学生のリフレクションの特質を明らかにした.また,所属校園による臨床経験の内容の違いから,リフレクションの傾向も異なることが明らかになった.
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楡井 正弥, 久保田 善彦, 鈴木 栄幸, 舟生 日出男, 加藤 浩
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
157-160
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
社会人講師による教授活動の効果を高めるため,中学校理科「音」の学習においてCSCLを利用し概念地図を用いた社会人講師と生徒の交流を行った.具体的な交流は,(1)学習者の概念地図を社会人講師に提示する,(2)学習者の概念地図に専門的な知識(知恵)を社会人講師が付加する,(3)社会人講師の講話は,付加した概念地図を表示しながら行う,である.この結果,学習者は,単元の学習の復習や理科の有用感を高めることが明らかになった.また,概念地図を提示する効果が明らかになった.更に,社会人講師は,学習内容や学習者の理解状況が把握でき,かつ専門的知識を関連できるため,安心して講話に臨めることが明らかになった.CSCLを利用した交流は,異文脈間の境界横断を支援する手段の一つになると考えられる.
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岸 磨貴子, 三宅 貴久子, 久保田 賢一, 黒上 晴夫
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
161-164
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,海外との協同物語制作が,児童・生徒の異文化理解に与える影響について考察する.異文化理解・自文化理解の育成を目的とし,研究の対象を日本の小学5年生とシリア・アラブ共和国のパレスチナ難民の中学1年生による物語の協同制作の実践とした.児童・生徒は写真の中に作り出された仮想的世界に自分たちを代表するキャラクターを派遣し,対話することを通して,同じ写真でも見方,考え方,感じ方が違うということを知るようになった.このように国際間協同物語制作学習は,児童・生徒が異文化を理解する方法として有効であることがわかった.
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佐野 彰
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
165-168
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
拡張現実(AR:Augmented Reality)はカメラで撮影した現実の映像に3Dオブジェクトデータをリアルタイムに重畳表示する技術である.これまでARコンテンツの開発システムは複数報告されてきたが,開発したARコンテンツは,専用アプリケーションのデータとして配布する必要があり,簡便に利用することが困難であった.本報告ではマルチプラットフォーム環境に対応した,Webブラウザ上で動作するARコンテンツを開発・利用できるシステムを構築し,システムの検証を行ったところ,マルチプラットフォーム環境で開発・利用のいずれも簡便に使用できることが示された.
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河村 壮一郎
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
169-172
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
3次元画像を視覚教材として利用する効果を検証する実験を行った.2台の液晶モニタとハーフミラーを組み合わせた自作装置を用いて,偏光方式の3次元画像と音声によるスライドショーを提示した.映像の印象や理解の程度を確かめるため,アナグリフ方式3次元画像および2次元画像と比較する実験を行った.その結果,偏光方式3次元画像は2次元画像と同様に観察しやすい上に立体感の印象が強く,視聴の意欲を高めることが示された.一方,アナグリフ方式の画像を見続けることに対する評価は低かった.3次元画像を教育に利用する効果と課題が示唆された.
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牧村 真帆, 山内 祐平
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
173-176
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
ワークショップのデザインプロセスのうち,初期段階のアイディアの生成過程における実践家の思考過程を明らかにすることを目的とし,6名の実践家を対象に,思考発話法と半構造化インタビューを用いて実験を行った.案の生成と下見時の空間体験との関係について分析を行った結果,新たな案が生まれる際に,空間がそのきっかけとなっていることが明らかになった.また,デザインプロセスにおいて既出の案が別の案へと展開される際にも,多くの場合空間に関する気づきや解釈がきっかけとなっていることがわかった.
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西浦 和樹, 田山 淳
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
177-180
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,創造性育成のための教育ツール開発を試み,その心理的効果を検証することであった.カードゲーム開発にあたって,ブレインストーミングを4つの役割に置き換えた役カード(4種類各10枚)に加え,発想を促進するTOIカード(50種類),簡潔明瞭なカードデザイン,わかりやすいルール(30秒ルール)を採用することを確認した.被験者35名に対して,ゲームを実施したところ,本カードゲームは,平均35個のアイデア量を確保したこと,また抑うつ感の高い被験者は,ゲームの進行に伴って抑うつ感が低くなることを示した.さらに,ブレインストーミング法の基本ルールについては,長期にわたり保持されていることが明らかとなった.
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西森 章子, 細川 和仁, 後藤 真一, 古川 治, 浅田 匡
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
181-184
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
本研究では,学校や教師が,授業実践を通じて子どもたちにつけたいと考える力を,「実践レベルの学力観」であると考え,その「学力観」をとらえることを試みている.具体的には,通知表に収められた評価観点をテキストデータと見なして,1993年度と2003年度に収集された全国小学校(6年生)の通知表内の評価観点を対象に,認知過程カテゴリーに基づく分析をおこなった.その結果,(1)1993年度から2003年度にかけて,実践レベルの学力観には大きな変化は見られないこと,(2)学習者が自らの発想に従って学習を導くといった能動的な認知プロセスが,受動的な認知プロセスとともに重視されていること,(3)教科ごとの学力観には固有性があり,これらによって,「実践レベルの学力観」が相補的に形成されている可能性があること,が示された
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中野 由章
原稿種別: 本文
2009 年 33 巻 Suppl. 号 p.
185-188
発行日: 2009/12/20
公開日: 2016/08/06
ジャーナル
フリー
ゲーム機WiiのコントローラWiimoteを使って,高精度な室内位置検出システム(WPS)を開発した.従来のシステムは,充分な精度が確保できなかったり,装置が大掛かりになったりして,容易に利用できるものではなかった.今回開発したWPSは,安価な装置を簡易に設置でき,かつmm単位の高精度な位置検出を行なうことも可能である.実際にWPSを使った位置検出実験を4日間に亘って行なったが,本システムの実用性を確認できた.このWPSを教師教育や特別支援教育,スポーツ・コーチングなどに教育応用すれば,新しい教育工学的アプローチの開発も期待できる.
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