言語的な指示に従って動作を実演して記銘する記憶課題を被験者実演課題(SPTs)といい,実演をせずに記銘する課題を言語課題(VTs)という.本研究は,SPTsにおける記憶方略(符号化方略,検索方略)の使用について,質問紙を用いてVTsと比較検討した.対象者は大学生40名(男性17名,女性23名,平均年齢21.1歳)であった.質問紙は符号化方略11項目,検索方略8項目から構成されていた.実験の結果,SPTsはVTsに比べて,(1)符号化方略の使用は少ないが検索方略の使用は同程度であること,(2)符号化,検索の両方において身体部位,動作に関する方略が用いられることが示された.
抄録全体を表示