本研究では,大学生がボランティア活動を通じて得たい参加成果志向の構成要因を明らかにし,参加志向動機・不参加志向動機に及ぼす影響を検討することによって,大学生のボランティア活動の推進やボランティア教育のあり方に繋がる知見を得ることを目的とした.大学生に対して質問紙調査を行った結果,参加成果志向では,自己成長・キャリア開発・精神的高揚・ヘルス安寧・評価承認の5因子が見出された. また, 大学生のボランティア活動参加に対して,参加成果志向は,参加志向動機・不参加志向動機を規定する要因であることが明らかとなった. 特に,自己成長・精神的高揚は,内発的な参加志向動機を高めることが示された. ボランティア活動の推進やボランティア教育の実効性を高めるには,参加成果志向を的確に捉え,これらに適切に応える方策をとる必要があることが示唆された.
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