日本教育工学会論文誌
Online ISSN : 2189-6453
Print ISSN : 1349-8290
42 巻 , Suppl. 号
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ショートレター
  • 桂 瑠以, 松井 洋
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 001-004
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,大学生を対象に調査を行い,動画共有サイトの効用と満足との関連について視聴ジャンル別に検討を行った.ジャンルとして,一般の個人の動画,You Tuber などネットの有名人の動画,マス・メディアの動画の3群に分け,3群の効用と満足を比較した結果,一部の変数で3群間に差異がみられ,ジャンルにより効用及び満足が異なることが示された.また,動画共有サイトの効用が満足に及ぼす影響では,利便性が満足の一部を低下させる可能性がある一方,情報性,社交性が満足を高める可能性が示唆された.

  • 江﨑 誠治, 鈴木 茂孝
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 005-008
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    TBL におけるピア評価は,メンバーがチームに対してどの程度の貢献をもたらしたかを学修者が互いに評価しあうもので,他者を評価することで学修者の責任性を明確にし,フィードバックを通じて学修者自身の省察を促すことが期待できる.今回,このピア評価の集計作業を自動化するe-Peer 評価システムを改良し,談合・情報漏洩などの対策を施したセキュアなピア評価環境を整備し,授業内で運用した.同一メンバーのチームでピア評価を複数回実施すると貢献度評価の散らばりが収斂する傾向が見られたが,今回のシステムの改良によりこうした現象が解消され,チームへの貢献がありのままに反映される「適正な評価」の実現に迫ることができた.

  • 鵜瀬 亮一, 石田 航, 生田 孝至, 内山 渉, 西原 康行
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 009-012
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/11/07
    ジャーナル フリー

    本研究は,野球の試合をVR 視界動画によって再現して,熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることを目的とした.また,熟達指導者の状況認知が入ったVR 視界動画を大学野球選手に視聴させ,その理解度を明らかにした.その結果,熟達指導者は「長期的育成・長期的戦略」の視点をもってオープン戦に臨むことや1つのプレーを多面的に捉えられるといった特徴があった.また,公式戦に出場経験が少ない選手は,熟達指導者の状況認知に対する理解が低かった.しかし,出場経験が多い選手においても熟達指導者の状況認知を50%以上理解していない項目が複数あるなど,大人数で活動する大学野球部のコーチング面での課題が明らかになった.

  • 山下 祐一郎, 中島 平
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 013-016
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,コンピュータの入力方法のひとつであるフリック入力の学習方法を開発する.そのため,フリック入力に慣れている大学生39名を調査した.この大学生らは,フリック入力の平均速度が1.4文字/秒であり,過去にフリック入力の練習をした学生は4名であった.また,フリック入力が最速の学生を含む2名にインタビューを行った.その結果,フリック入力の学習には文字位置の記憶が不可欠であると示唆された.これらの調査をもとにした学習方法を開発し,教育情報の専門家及び外国人の計7名による検証を行った.この検証により,本研究で開発した学習方法は,45分程度の授業で実施可能であることを確認した.

  • 阿部 真由美, 向後 千春
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 017-020
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/09/28
    ジャーナル フリー

    本研究では,英語を自主的に学ぶ学習者が自ら学習リソースを選択する際の根拠を明らかにし,支援方法を検討することを目的として,日本人の成人英語学習者を対象にウェブ調査を行った.英語学習リソース選択根拠尺度を作成し,因子分析を行った結果,「自己ニーズ」と「外的影響」の2因子が抽出された.さらに,学習者の特性による違いを比較するために,英語の熟達度3群,学習継続期間3群,学習目的4群で分析したところ,継続期間および目的で違いが見られた.これらの結果から,学習者のリソース選択は「自己ニーズ」と「外的影響」の2つの根拠に基づくことが分かった.また,学習者の特性によって支援方法を変える必要性が示唆された.

  • 福井 昌則, 黒田 昌克, 森山 潤
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 021-024
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,プログロミング教育による創造性育成の可能性を検討するために,高校生を対象にJava プログラミングによるゲーム・パズルの制作を題材とした実践を試行し,創造的態度の変容を評価した.実践では,模作→変形・改良→考案・創出という流れの学習過程を設定し,考案・創出の段階で生徒にペアで題材に取り組ませた.その結果,全てのペアが考案したゲーム・パズルを実装することができた.実践前後で繁桝ほか(1993)の創造的態度尺度を用いた調査を行なったところ,「分析性」「進取性」が有意に向上した.このことから,プログラミング教育による創造性育成に向けて一つの実践事例を示すことができた.

  • 木村 敦, 河合 萌華, 中嶋 凌, 山本 真菜, 岡 隆
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 025-028
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    現在,情報モラル教育が盛んに行われている一方で,若年者によるSNS 利用トラブルは後を絶たない.このSNS 利用リスクに関する知識と行動の不一致の背景要因を探るため,本研究では高校生男女500名を対象として,SNS 利用リスクにおける自己リスクの楽観視やトラブル経験と,認知熟慮性との関連を検討した.調査の結果,高校生においても自己リスクの楽観視の存在が示された.また,認知熟慮性の高い生徒はリスクリテラシーが高い一方で,自己リスクの楽観視の度合いが大きく,対人トラブル経験も多いことが示唆された.これらの結果から,認知熟慮性を踏まえたリスク認知メカニズムの解明や情報モラル教育の必要性について論じた.

  • 片瀬 拓弥
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 029-032
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/09/03
    ジャーナル フリー

    本研究は,女子短大生にボードゲーム学習を集中講座として行い,学習前及び学習時の肯定的感情・否定的感情・安静状態の各感情が,ゲームスコアとゲーム外評価にどのような影響を及ぼすのか検討した.その結果,学習時の肯定・否定の両感情は,学習前と比較して有意に上昇し,安静状態は有意に下降した.さらに,パス解析を用いて検討した結果,主に学習時の肯定的感情が高く,安静状態が低い学習者ほどゲームスコアにプラスの影響を及ぼす可能性と,主に学習前の肯定的感情が高い学習者ほど事後リフレクション時のテキスト総文字数(ゲーム外評価)にプラスの影響を及ぼす可能性が示唆された.

  • 野口 聡, 田中 雄也
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 033-036
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,人に教える活動に取り組む生徒の意識が,学習に対する自己評価に与える影響を明らかにする.そのために,活動に取り組む生徒の意識の構成要因が,理科学習の4観点(興味・関心,知識理解,科学的思考,観察実験)の自己評価に与える影響を分析した.その結果,生徒の意識の構成要因として,「①振り返り・まとめ方」,「②自然現象との関連」,「③書き方の工夫」,「④調べ直し」の因子が抽出された.さらに,興味・関心は①,②が,知識理解は①,③が,科学的思考は②が,実験観察は①が,影響することが示唆された.

  • 松河 秀哉, 大山 牧子, 根岸 千悠, 新居 佳子, 岩﨑 千晶, 堀田 博史, 串本 剛, 川面 きよ, 杉本 和弘
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 037-040
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/08/30
    ジャーナル フリー

    本研究では,従来データベースや統計解析実行環境であるR の知識などがある程度必要であったトピックモデルによるテキスト分析に関して,そうした知識を持たなくても分析を可能にする分析支援ソフトウエアを開発した.このソフトウエアは主に,1)形態素解析機能,2)トピックモデル分析の対象とする単語の絞り込み機能,3)トピックモデル分析を実行し,その結果や結果の解釈に必要な情報をExcel ファイルに出力する機能の3つの機能からなる.これを利用すれば,分析そのものではなく分析結果の活用に注力できるようになるため,教育分野の専門家による,IR やFD などの領域におけるトピックモデル分析活用の活性化が期待される.

  • 長濱 澄, 名取 優太, 岩附 直登, 川島 一朔, 森田 裕介, 百瀬 桂子
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 041-044
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/09/26
    ジャーナル フリー

    本研究では,映像コンテンツの高速提示により生じた認知負荷に関する客観的な評価指標として,振動プローブ刺激に対するP300振幅を活用することの有用性を検討し,映像コンテンツの視聴速度と注意配分量の関連性を明らかにした.実験では,被験者21名に対して,等質性が確認された2種類の映像コンテンツをランダム順に等倍速条件と2倍速条件で提示した.また,映像コンテンツ視聴中に振動プローブ刺激を与え,標的刺激に対するキー押し課題を課し,ワイヤレス生体計測器を用いて課題中脳波を記録した.P300振幅の分析の結果,2倍速条件におけるP300振幅は,他の条件に比べて有意に小さく,映像コンテンツを2倍速で視聴する場合,等倍速で視聴する場合に比べて,注意配分量が大きくなる可能性が示唆された.

  • 古賀 竣也
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 045-048
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,統計的リテラシーにおける批判的思考尺度を開発した.GAL(2002)の統計的リテラシー概念や,複数の既存の尺度を参考に質問項目を作成し,高校生192名の評定値に基づいて因子分析をおこなった結果,「数値やデータへの関心」,「懐疑的・複眼的な見方」,「他者との関わり」の3因子18項目からなる尺度が構成された.「数値やデータへの関心」因子は統計的リテラシーにおける知識的要素の部分を強く反映し,「懐疑的・複眼的な見方」・「他者との関わり」因子は,気質的要素の部分を強く反映していることが示唆された.今後は対象者数を増やしたり,再調査を実施したりして尺度の完成度を高めることが課題である.

  • 山本 朋弘, 坂本 博紀
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 049-052
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,体育授業において授業の様子を撮影して,タブレット端末を家庭に持ち帰り,家庭で撮影した映像を視聴して振り返りを行うことが,児童の学びにどのような効果をもたらすのかを明らかにすることとした.授業後の児童向け意識調査や学習シートの記述を分析した結果,児童は授業映像を家庭で視聴することで,授業以外にも振り返ることができ,個人やチームの動きやその改善点への気づきを高めるのに有効であることが示された.一方で,家庭での視聴履歴や,家庭での視聴と授業での話し合いの連続性を検討する必要がある.

  • 長谷部 育恵, 楠見 孝
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 053-056
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/10/04
    ジャーナル フリー

    本研究では,学習者が学習教材を選択する際に,動機づけの高低によって,どのような特性をもつ教材を求めるのかを検討した.大学生と社会人400名が回答を行い,動機づけが低く動機づけ調整が必要な場面と動機づけが高く動機づけ調整が不要な場面のそれぞれについて,学習教材を構成する各要素をどの程度欲しいかを評定した.その結果,第一に,学習教材選択時の動機づけ調整の特徴とは,内容特性の低い学習教材を選択することであると示された.とりわけ,発展的な内容に対するニーズが低下していた.第二に,ニーズには個人差があり,動機づけの高いときには,動機づけにおける自律性が高い人ほど内容特性の豊かさを求めていることが示された.

  • 中嶋 彩華, 久坂 哲也
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 057-060
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究は,小学校教員の教師効力感と教員経験年数の関連の検討を目的とした.現在学級担任をしている教師を対象に質問紙法による調査を行った結果,教師効力感の下位尺度である「学級経営に対する教師効力感」,「指導方略に対する教師効力感」,「学生への関与に対する教師効力感」のすべてにおいて,教員経験年数1〜3年から4~6年にかけて一度上昇し,その後,7〜9年にかけて低下した後,16~20年にかけて再び上昇し,21年以上になるとやや低下する傾向を示した.

  • 香山 瑞恵, 松田 昇
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 061-064
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本稿は,モデル駆動開発方法論に基づくプログラミングにおける設計方法の違いが正答率に与える影響について考察する.大学1年生を対象とした状態遷移図によるロボット動作のモデル図作成において,設計方法が異なる3群の正答率を統計処理した結果,より難しい課題においては,モデル図を評価する直前に設計する時間を設けることが正答率向上に寄与することを示した.

  • 大前 佑斗, 高橋 弘毅
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 065-068
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/10/12
    ジャーナル フリー

    近年,集団型教育における内省活動の重要性が指摘されている.教育効果が生じていた/生じていない受講者の特徴を把握することができれば,よりよい内省を行うことが可能となる.そのため本論文では,決定木を活用し教育実施前後のデータから,教育効果が生じた/生じていない受講者の特徴を言語化する手法を提案した.高校生らに行われた教育に対し提案手法を適用した結果,教育効果が生じた/生じていない生徒の特徴の言語化が確認された.提案手法を活用することで,良好な教育効果が生じた/生じていない受講者の特徴を言語的に把握することが可能となる.

  • 鶴田 利郎, 中橋 雄
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 069-072
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究は,現行の学習指導要領に基づき複数の教科書会社から出版されている平成25年度版と平成29年度版高等学校情報科の教科書において「メディア・リテラシー」の定義が,どのように扱われているのか明らかにしたものである.分析の結果,次のことが明らかとなった.(1)メディア・リテラシーの定義について扱っている教科書は平成25年度版と比較して平成29年度版の方が増えている.(2)改訂前後で大きく内容が変更されたものはほとんどない.(3)「発信者の意図を理解した上でメディアから発信される情報を批判的に読み解く力」を含めている点はいずれの教科書も共通していたが,それ以外の力の含め方において違いがある.

  • 藤本 匡介, 鈴木 宏昭, 小田切 史士
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 073-076
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本実践では,日本の大学院への進学を希望する中国人留学生を対象に,自作のオリジナル映像ドラマを媒介としたトゥールミン・モデル指導を行った.まず学習者の初期能力を明らかにするため,日本留学試験の記述問題に取り組ませ,それをトゥールミン・モデルを用いて評価した.次に,オリジナル映像ドラマを媒介とした授業実践を行い,ドラマ視聴後,ドラマの結末がなぜ妥当であるかを論理的に文章化させ,産出された文章をもとにトゥールミン・モデルの構成指標を解説し,意識化させた.そして再び,1回目の日本留学試験と同レベルの記述問題に取り組ませ,1回目で産出された文章とのトゥールミン・モデルの当てはまり具合を比較した.

  • 富永 香羊子, 中村 康則, 向後 千春
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 077-080
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/11/02
    ジャーナル フリー

    本研究では,教員に対して学校図書館を授業で活用するための研修プログラムを開発し,研修の効果を検証した.その結果,研修プログラムにおける学校図書館を活用した課題解決型の授業について,次の3点が明らかとなった.(1)児童生徒の主体的な学びを育み,学び方の習得に繋がる.(2)児童生徒の21世紀型能力の獲得に繋がる.(3)意図的・継続的に実施することが望ましい.これらの結果から,研修を通して学校図書館を授業で活用したことによって,教員の学校図書館活用への意識の変容を促し,一定の効果をもたらすことが示唆された.

  • 赤倉 貴子, 中村 修也, 加藤 浩一郎
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 081-084
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,国立大学工学系学部で行われている知的財産教育の現状を把握するため,全国の国立大学工学系学部のシラバスを対象としてトピック分析を行った.その結果,2単位程度の講義の場合が多く,倫理教育の一部として数時間のみ取り上げる場合も多かった.一方,技術戦略・イノベーション的な内容を取り扱っている大学もあった.こうした事例を参考にして,倫理だけではなく,知的財産の積極的活用を教育内容に取り入れることを検討することが必要である.

  • 大﨑 理乃, 山田 雅之
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 085-088
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    主体的で対話的な深い学びをもたらす授業方法の一つとして協調学習が注目されている.同時に,協調学習過程の評価方法の開発が求められている.本研究では,協調学習の分析に機能機構階層図を指標として用いることで,知識利用の観点から学習過程を捉えることを提案し分析を行った.分析の結果,本提案方法によって学習者の(1)自分のもつ知識のグループへの共有,(2)他の学習者から共有された知識の利用,(3)教師から提示された知識利用,(4)教材上の「重要知識」の利用の,四つの様相を確認することができた.

  • 瀬戸崎 典夫, 冨永 裕也, 森田 裕介
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 089-092
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    月の満ち欠けの理解は,学習者にとって困難であり,小学校教員志望学生においても,月の見かけの位置と観測可能な時刻に対する認識状態は低い.そこで,本研究はVR 環境における探索的な学習活動によって,能動的視点移動を支援する探索型VR 教材の開発を目的とした.また,能動的視点移動による学習効果について検討した結果,探索的な活動による能動的視点移動と,複数視点を提供する受動的視点移動の学習効果に有意な差がないことが示された.

  • 山田 雅之, 遠山 紗矢香
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 093-096
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究は協調学習プロセスの検討方法の提案を目指し,二人で問題を解いているプロセスにおける身体動作も含めて検討した.本研究は小学生の全国学力学習状況調査B 問題で正答率の低かった「あた」問題を対象に,一人で問題を解いた後に二人で問題を解きそのプロセスを可視化した.12ペアの学習プロセスの理解レベルと身体動作を可視化した結果,(1)多くのペアでは問題解決の前半に身体動作も含めた理解レベル間の往還が起きること.(2)一人のときに不正解であっても理解レベル間の往還が身体動作と共に起きることでペアでは正解になり,身体動作を伴っても理解レベル間の往還がなければ正答に至ることは困難であることが示唆された.

  • 高橋 純, 佐藤 和紀, 大村 龍太郎
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 097-100
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    汎用のソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下,SNS とする)やスマートフォンのビデオ撮影機能を活用して,模擬授業ビデオやコメントを投稿したり振り返ったりした.受講者の全てが日常的なコミュニケーションに活用するSNS を用いたため,アカウントの作成も不要であり,すぐに模擬授業の演習を行うことができた.回数を重ねるごとに受講者の模擬授業に対する自信や理解が高まり,こうした講義形態は,自分の授業改善につながったなどの評価を得た.

  • 林 大介, 赤倉 貴子
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 101-104
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    既存のe-Testing における筆者照合の研究は,普及の進んでいないペンタブレットを用いたものであった.そこで本論文では,e-Testing の受験者認証に新たにタブレットPC を導入することを提案した.タブレットPC 導入の評価実験で,タブレットPC がペンタブレットと同程度の認証精度であることを確認できた.実試験環境の評価実験では,開発したe-Testing システムとタブレットPC を用いて,実際に40問の英語テストを実施した.その結果,事前に目標値として設定した認証精度を上回る結果となった.以上より,e-Testing における受験者認証にタブレットPC を導入できることが示唆された.

  • 臼井 昭子, 佐藤 克美, 堀田 龍也
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 105-108
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    美術科の鑑賞の授業に用いる教材を充実させる手立ての一つにVR(Virtual Reality)の活用がある.本研究では,生徒が作品を鑑賞して感じたことや考えたことをワークシートに記述するという鑑賞の授業を実施し,従来の教材を用いた場合とVR 教材を用いた場合とで,(1)生徒がワークシートに記述する語に違いが見られるのか,(2)生徒の「意欲」や感じた「没入感」「ストレス」に差が見られるのかについて検討した.その結果,VR 教材を使用した授業では,使用しなかった授業に比べて,その場で作品を鑑賞しているような語が多く用いられるなどの特徴が見られたほか,生徒の意欲が高く没入感も得られていたことなどが示唆された.

  • 白井 詩沙香, 竹中 一平, 長瀧 寛之, 兼宗 進
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 109-112
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,高等学校共通教科「情報」におけるデータベース教育導入時の補助教材としてマンガ教材を開発し,その効果を検証した.開発したマンガ教材,小説風教材,従来の教科書を用いた比較検証実験を行った結果,主観的満足度においてマンガ教材が最も高い結果が得られ,導入学習時の学習動機づけの促進に有用であることが示唆された.

  • 岸 俊行, 稲垣 良介
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 113-116
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究は水難事故防止教育の一環として小学校4年生の体育の授業において学校プールでの着衣泳の実践授業を企画・実践し,着衣泳の実践授業が子どもたちの内面にどのように影響するのかを明らかにした.実践の効果として子どもたちの川・プールへの認知の変化を分析対象とし,実践前・実践後・遅延(50日後)の3時点間での子どもたちの認知の変化を検討した.分析の結果,子どもたちの川・プールへの認知は大きく6つに分類可能であることが明らかとなった.また学校プールでの着衣泳の実践がプールへの認知のみならず川への認知にも影響を及ぼしていることが示唆された.

  • 池田 真結, 郷原 惇平, 佐古 彰史, 渡辺 雄貴
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 117-120
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    生徒に主体的で探究的な学習を行わせることによって,数学の有用性を実感させ,探究心を促す必要があると考え,本研究では生徒主体の探究的な学習として「現物実験」に着目し,数学の探究心を促す題材として「現代数学」との接続を可能にするものを選び,教材の開発を行った.効果の検証の為,質問紙調査を授業前後で行ったところ,本教材によって生徒の数学への興味・関心や数学の有用性の認識を高められることが示唆された.また,特に数学への興味・関心について,成績の良し悪しに関わらず授業の前後で有意に向上していた.したがって,本教材は数学の苦手な生徒にとっても興味・関心を喚起することのできる教材であることが示唆された.

  • 淺田 義和, 八木(佐伯) 街子
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 121-124
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/10/09
    ジャーナル フリー

    Moodle は学習履歴として様々なデータを記録・保持している.しかし,学習分析や教学IR といった観点から記録したログを利用しようとする場合,その抽出にあたっての機能はやや不十分であるといえる.今回,Moodle のプラグインの1つであるConfigurable Reports を用い,目的に応じてデータベースより直接情報を抽出することを試みた.この結果,フォーラム上での投稿傾向やMoodle そのものの活用状況などを抽出することができた.データ抽出時の負荷などを考慮すると抽出用のSQL には改善の余地が残されているが,これらは学習者支援あるいはFaculty Development の検討を行うための基盤データとして利用可能と考えられる.

  • 仲間 妙, 佐藤 和紀, 梶本 佳照, 磯崎 ひろみ, 高橋 純
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 125-128
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    教員志望学生を対象に,小学生向け漢字ドリル指導法を学ぶための講義パッケージを開発し実施した.講義内容は,漢字ドリルの基礎知識を学び,模範授業映像の視聴後,指導法を練習するものであった.講義の事前事後に漢字ドリル指導の自信や,講義から学んだこと,さらに学びたいことは何かを明らかにする質問紙調査を行った.その結果,漢字ドリル指導の自信向上が見られた(研究1).また,本講義が漢字ドリル指導のイメージを具体的に伝えることに効果的なことが示唆された.さらに,授業以外での指導法などについての講義も求められる可能性も示唆された.また,感想の共有や指導法の練習が,学びにつながった可能性が考えられた(研究2).

  • 高橋 薫, 保坂 敏子, 宇治橋 祐之, 我妻 潤子
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 129-132
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/10/04
    ジャーナル フリー

    学習者の多様化が進む日本語教育では,多様な学習者の個人差を補完する一つの手法として,反転授業への関心が高まっている.しかし,反転授業では,デジタルコンテンツを自作することに対する技術的なハードルや,教材をLMS などにアップロードする際に生じる著作物利用の許諾申請など,著作権に関する心理的なハードルもあり,二の足を踏んでしまう人も多い.そこで,他者との対話を通して体験的に著作権を学ぶ,ワークショップ形式の著作権セミナーを開発した.セミナーの前後で質問紙調査を実施したところ,著作権に対する理解が進み,ワークショップ形式の参加型のセミナーが肯定的に評価されたことがわかった.

  • 羽田野 健, 菊池 拓男
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 133-136
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/08/30
    ジャーナル フリー

    技能訓練において技能の熟達度が評価される場面で,技能者の熟達度が発揮されない問題が存在する.本研究は,その要因探索を目的とし,技能者が情報処理を制御するスキル,すなわちコンダクト・スキルに注目し,技能五輪全国大会の情報ネットワーク施工職種に出場の全選手を対象にしたアンケート調査を基に,熟達度で使用スキルの構造が異なるかを検討した.熟達度別にコンダクト・スキルを比較した結果,その構造に違いが認められ,熟達度で目標や処理可能なタスク等が異なる可能性が示唆された.また,過剰負荷を避け,ゲーミフィケーションの概念を基にコンダクト・スキルの習得を効率的に行う段階的負荷開放指導法を提案した.

  • 清水 優菜
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 137-140
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,高校生を対象に,Grit と達成目標,数学の成績の関係を検討することであった.重回帰分析および階層的重回帰分析の結果から,Grit が達成目標と数学の成績を直接的に促進し,さらに達成目標を媒介して間接的に数学の成績を促進することが明らかとなった.とくに,Grit の中でも根気強い努力が,達成目標や数学の成績を促進することが明らかとなった.

  • 多喜 翠, 伊澤 幸代, 堂坂 更夜香, 向後 千春
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 141-144
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/09/03
    ジャーナル フリー

    大学エクステンションセンターで公開講座を受講している社会人を対象に,受講動機と受講後の変化についての質問紙による調査を行った.その結果,大学エクステンション公開講座を複数回受講している人は,初回の人に比べ「仲間をつくる」ことや「自分に活かす」こと,また,「大学が開いている」といったことが受講動機として高く,受講後の変化に関しては,特に人間関係と生き方が変わったと感じていた.このことは,講座を通じてできた仲間との交流や,講座で獲得した知識が実際に活用されているという実感と,大学が開いていることへの信頼感が,その後の継続的な受講動機につながることを示唆している.以上のことから,大学エクステンション公開講座を設計するにあたり,仕事のみならず自分に役立つような知識やスキルを提供すると同時に,ともに学ぶ仲間をつくれるような活動を支援していく形態にすることが必要だろう.

  • 寺田 恵理, 保崎 則雄
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 145-148
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/11/09
    ジャーナル フリー

    本研究は,タイプすることが増えたデジタル社会において,手で文字を書くこと,また,手書き文字がどのように認識されているか明らかにするものである.デジタルネイティブ世代の大学生,通信教育課程の社会人学生,書家を対象に質問紙調査を行った.その結果,「①誠意の伝達,②情動的印象の伝達,③整斉さの効果の認識,④手間のかかるもの」の4因子が抽出された.つまり,手書きに対して,誠意や情動的印象を効果的に伝えるという価値を見出し,その価値判断には字の整斉さが重要であること,その一方で,手間がかかるものと認識されていることが明らかになった.この認識には,手で書くことの好き嫌いや自信が影響することが示唆された.

  • 森田 泰介, 河崎 雅人
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 149-152
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    授業中に一般的に見られるマインドワンダリング(MW)はどのような契機によって終了し,学生達の注意が授業内容に再び向くことになるのだろうか.本研究では,授業中のMW からの復帰の契機について調査的に検討するため,186名の大学生に最新のMW の内容やその持続時間,MW からの復帰の契機について報告するよう求めた.調査の結果,大部分のMW は過去や未来に関するものであることや,復帰の契機の多くが授業内容に関連する外的な事象であることが示された.これらの知見に基づき,授業中のMW のメカニズムやその制御法について考察を行った.

  • 胡 啓慧, 野中 陽一
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 153-156
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,一人一台の情報端末を導入した二つの中学校を対象として,キーボード入力スキル,ソフトウェアの基本的な操作スキル,情報活用の実践力に関する調査を行った.学校間,学年間における比較により,一人一台の情報端末の活用は生徒のキーボード入力スキルを向上させることが明らかとなった.また,スキル習得のためのトレーニングを行うことで更に向上させることが可能であることが明らかとなった.これらのスキルには関連性がみられなかったことから,それぞれにトレーニングが必要となる可能性が示唆された.

  • 岩﨑 千晶, 川面 きよ, 村上 正行
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 157-160
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では大学がラーニングコモンズ(LC)をどう評価しているのか整理し,評価方法に関する動向を明らかにする.具体的にはCiNii を活用し「ラーニングコモンズ」で検索収集し,LC の評価を扱った文献66件に対し,評価目的,評価手法,評価項目に着目して分析し,結果を整理した.分析の結果,LC の評価は6つの目的に分けられ,LC の利用動向を明らかにする調査が最も多く約半数を占めた.一方で学習成果を明らかにする調査は限られており,その評価項目には汎用的な能力が用いられていた.評価手法は質問紙調査に次いで,観察調査・ヒアリング調査の採用がされていた.また量的な調査が全体の約70%を占めていることが明らかになった.

  • 橋本 陽介, 石田 祐, 三好 俊文, 藤澤 由和
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 161-164
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,新たな入試制度と,新たなカリキュラムに基づく基盤教育を開始した大学で,すべての学生が履修し,ICT ツールを援用したアクティブラーニング形式の講義において,AO 入試で入学した学生と他の入試で入学した学生で,学びへの取り組みに違いが存在するかを検討した.その結果,一般選抜(前期)で入学した学生よりも,特別選抜(AO 入試)で入学した学生の方が,学びへの取り組みが意欲的であることが認められた.こうした点から,AO 入試において意図した学生の確保が一定程度なされていると考えられた.その一方で今後は,AO 入試で入学した学生の理論的な学びの程度や卒後まで視野に入れた評価が必要であると考えられた.

  • 中村 修也, 赤倉 貴子
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 165-168
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,授業形態ごとの満足度の要因の違いを明らかにすることを目的に,学生に対する授業評価調査・分析を行った.特に,1対多の講義形式,演習形式,SGD 形式の3つの授業形態を対象に,学習者同士の関係性について重点を置いた授業評価を実施し,因子分析と共分散構造分析による要因の分析を行った.その結果,どの授業形態においても授業の中で他の学習者の存在が満足感に影響していることがわかった.

  • 濵田 さとみ, 鷹岡 亮, 横山 誠
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 169-172
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    図形の合同証明を苦手とする学習者は少なくない.この要因の1つとして,学習者が「証明手順」を理解しようとすることに留まり,「証明構造」の理解ができていないことが考えられる.そこで,本研究では,中学校数学科三角形の合同証明において「証明構造」の理解を支援する証明構造理解支援Web アプリを開発した.本稿では,合同証明における「証明構造」について定義し,「証明構造」の可視化による理解支援について述べる.さらに,証明構造理解支援Web アプリの機能について説明する.開発したWeb アプリの評価実験を通して,本Web アプリが「証明構造」のイメージを獲得することに対する一手法として有用であることが示唆された.

  • 梁 琳娟, 田口 真奈
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 173-176
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    [早期公開] 公開日: 2018/10/12
    ジャーナル フリー

    近年,中国ではICTを活用した日本語教育が盛んになっている.中でも「沪江(Hujiang,フージャン)」(https://www.hujiang.com/)は,2015年時点で,登録者数8000万人を突破し,有料サービスの利用者数も300万人を超えるなど,現在,中国におけるもっとも大規模な語学教育プラットフォームであるといえる.しかし,本プラットフォームがどのような教授機能を有するかなど,日本語教育環境としての本プラットフォームについて明らかにされたものはほとんどみられない.そのため,本研究では文献調査ならびにユーザーインタビューによりその教授機能を明らかにするとともに,沪江のオンライン日本語教育のプラットフォームとしての可能性について論じた.

  • 中田 英利子
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 177-180
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では評定時期が学生による授業評価に与える影響を検討した.シラバスどおり進行した授業を対象に大学生248名にシラバスどおり授業進行したかを評価する際に想起した事象などを回答させた.その結果,評価対象回1週間後にその内容が想起されやすいこと,評定時期により評定値に差はないが対象回直後と1週間後は当日の内容から評価するが2週間後は教員の性格などから評価すること,1週間後と2週間後はノート参照せずに評価することが示された.以上から,対象回1週間後であれば,適切な授業内容を想起して対象回当日の情報から正確に評定できるという授業評価の妥当性と信頼性とが比較的担保できる可能性が示唆された.

  • 原田 勇希
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 181-184
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究は,中学校理科の天文分野で活用することを見据えた紙筆版の空間的視点取得課題(PSPT)の開発を目的とした.反応時間と誤答率の分析より,本研究で作成した刺激に対する左右判断は空間的視点取得の認知的処理を反映できていると考えられた.また,心的回転課題や「季節による星座の見え方」の単元テストおよび主観的理解度とも理論的に想定された相関があった.このことから,PSPT は基準関連妥当性を持つ課題であると考察された.

  • 堀出 雅人
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 185-188
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    インターネットへの過度な依存は青少年の心身の成長が阻害される危険性もある.個々のニーズに応じた依存予防教育の充実が求められる.本稿では,インターネット依存予防教育の一環として,地域の野外活動施設を活用した学習機会の実現可能性を探る.不登校傾向からインターネット依存を高める青少年を含む10名を対象としたプログラムを開発し,その効果を検証した.インターネット依存自己評価スケール(K-スケール)の結果,依存リスクの高い5名はキャンプ終了後「一般的使用者」の数値まで改善された.参加者の振り返りから,オンライン以外の遊びの発見,信頼する仲間との約束がインターネット利用に変化をもたらすと考えられる.

  • 立石 力斗
    2018 年 42 巻 Suppl. 号 p. 189-192
    発行日: 2018/12/20
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    本研究では,特別支援学校における教育実習での知的障害のある児童・生徒と関わりが,教育実習生の授業・教師・子どもイメージにどのような変容をもたらすのかについて明らかにすることを目的とした.分析の結果,授業イメージは,「組み立て」「楽しさ」「不透明」が有意に上昇することが明らになった.特別支援学校での授業実施が教育実習生の主体性・創造性に委ねられることや,授業実施上の困難さを感じるようになると考えられる.教師イメージでは,「サポーター」が有意に下降し,「努力家」が有意に上昇した.子どもの自立を考える姿勢と,学び続ける教師像を抱くことが示唆された.子どもイメージでは,「繊細さ」が有意に上昇した.子どもの実態を把握する微視的な視点が身につくことが明らかになった.

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