本研究の目的は,ハイフレックス型研修の受講形態(対面orオンライン)に起因する学習効果の差を,傾向スコアとマルチレベルモデルを用いて検証することである.2021年から2022年にかけて実施された複数の教職員研修の受講者1,810名分のデータを用いてマルチレベルロジスティック回帰モデルによる分析を行い,得られた傾向スコアを基に1対1の最近傍マッチングを行った結果,92対184名分のデータが抽出された.マッチング後のデータを用いてマルチレベル順序ロジスティック回帰モデルによる分析を行ったところ,ハイフレックス型研修の受講形態に起因する学習効果の差の効果量はごく小さい値であった.教職員が個別最適に学ぶ環境を整備する上で,ハイフレックス型研修は有益な手段の一つとなり得ることが示唆された.
抄録全体を表示