森林立地
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42 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 横井 秀一, 山口 清
    原稿種別: 論文
    2000 年 42 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    岐阜県の豪・多雪地帯の広葉樹が混交するスギ不成績造林地の樹高階分布と構成樹種の樹高成長過程を解析し,不成績造林地の取扱い方法を検討した。調査地の林齢は15〜31年で,広葉樹は下刈りあるいは除伐後に侵入していた。スギは,全調査地で上層に出現するとともに,広い樹高階にわたって存在した。高木性広葉樹の樹高はスギ上層木と同じかそれよりも低かった。高木性広葉樹には,用材として有用な樹種が多かった。樹高成長速度はウダイカンバやシラカンバで大きく,ミズメやホオノキで中庸,スギ上層木やミズナラ,ブナで小さく,スギ下層木や小高木・低木性広葉樹ではさらに小さかった。樹種ごとの樹高成長速度とスギ植栽後の保育は,不成績造林地の将来の林型に対して大きな影響力を持つ要因であると考えられた。特に,除伐は森林の発達に大きな影響を及ぼすと考えられたことから,除伐の時期に不成績化を判定し,不成績造林地では除伐を中止することを提案した。その際の判定基準は,スギの立木密度と上層木の平均樹高に置いた。不成績造林地に対しては,有用広葉樹上層木の立木密度からみて広葉樹経済林の成立の可能性が高いときは整理伐による改良を行うことを提案した。
  • 小谷 二郎, 高田 兼太
    原稿種別: 論文
    2000 年 42 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    冷温帯下部のスギ人工林内に侵入した広葉樹53種の葉数の季節変化やシュートと葉の伸長様式を調べた。出現樹種の伸長パターンは,順次伸長タイプと一斉伸長タイプに分けられた。高木性のオニグルミ・ホオノキ,小高木や低木性のニワトコ・イボタノキなどはシュート当りの葉数が多く,葉の寿命も短く,伸長期間の長い顕著な順次伸長パターンを示した。このタイプは,ギャップ内で成長を拡大するのに有利な伸長様式を備えているようである。逆に,高木性のヤマモミジ・ミズナラ,小高木や低木性のエゾユズリハ・ツリバナなどは,シュート当りの葉数が少なく,葉の寿命が長く,伸長期間の短い顕著な一斉伸長パターンを示した。このタイプは,被陰ストレスに対し耐性的な性質を備えているようである。順次伸長を持つヒメアオキを除く常緑樹は,一斉伸長タイプに属した。一斉伸長を持つコマユミを除く半常緑樹は,順次伸長タイプに属した。以上のことから,スギ人工林内での樹種によるフェノロジーの違いは,ギャップに対する依存性の違いを反映しているものと思われた。
  • ナガシロ-カンダ テレサ-ナミコ, 中尾 登志雄, 伊藤 哲, 高木 正博, 野上 寛五郎
    原稿種別: 論文
    2000 年 42 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    南米アマゾンに自生する3種(Cedrela odorata, Swietenia macrophylla, Schizolobium parahybum)の造林適地を明らかにするために,これらの実生苗を用いて異なる土壌水分条件に対する成長および乾物分配様式の反応を調べた。土壌水分条件は過湿(-0.004MPa), 乾燥(-0.80MPa〜-1.26MPa),適潤(-0.02MPa〜-0.06MPa)の3処理を設定した。3種ともに中庸な土壌水分処理で最大の苗高,地際直径,葉面積および乾燥重量を示した。S. macrophyllaおよびS. parahybumの相対成長速度(RGR)は,乾燥および過湿処理で適潤処理に比べて低下し,低下の割合は乾燥処理で大きかった。純同化速度(NAR)の低下の程度は乾燥及び過湿処理で同程度であった。葉面積率(LAR)はS. parahybumでは過湿処理で増加し,S. macrophyllaでは乾燥処理で減少しており,乾燥処理におて葉への分配が過湿処理に比較して減少したことが,より大きなRGRの低下につながったと考えられる。C. odorataでも,適潤処理に比べて乾燥処理および過湿処理ではRGRが低下したが,その割合は過湿処理で大きかった。NARは過湿処理で若干増加し,乾燥処理では若干低下していた。LARは乾燥処理および過湿処理の両方で低下したが,特に過湿処理での低下が大きかった。過湿処理で成長が低下したのは,光合成産物の葉への分配が減少したためと考えられた。
  • 高橋 輝昌
    原稿種別: 論文
    2000 年 42 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    ヒノキ林林床への広葉樹リターの供給が土壌の養分特性に及ぼす影響について検討するために,隣接する落葉広葉樹林から落葉広葉樹リターが供給されるヒノキ林(広葉混入区),落葉広葉樹リターが供給されないヒノキ林(ヒノキ純林区),落葉広葉樹天然林(広葉天然林区)において,A_0層,鉱質土壌層の化学的性質と窒素無機化特性を調査した。A_0層量は広葉天然林区と広葉混入区で約17Mg ha^<-1>,ヒノキ純林区で約8Mg ha^<-1>であった。広葉天然林区のA_0層中のK,Ca,Mg含有量は広葉混入区よりも2〜7割多く,また,ヒノキ純林区の3〜9倍であった。鉱質土壌層の全C,全N含有率,CEC,土壌深0〜10cmまでの交換性Ca,Mg含有量およびpH(H_2O)は概ね広葉天然林区≧広葉混入区&gt;ヒノキ純林区の傾向にあった。7月から11月にかけての鉱質土壌層(土壌深0〜10cm)のN無機化量は広葉天然林区,ヒノキ純林区,広葉混入区でそれぞれ100,77,67mg kg^<-1>であった。N無機化量に占めるNH_^+_4-Nの割合は広葉天然林区と広葉混入区で約4割,ヒノキ純林区で約1割であった。以上の結果から,広葉樹リターの供給はヒノキ林の土壌養分特性の改善に概ね有効であると考えられる。
  • 溝口 岳男
    原稿種別: 報告
    2000 年 42 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    In order to modify of regular root sampling and sorting techniques for simultaneous analysis of root and arbuscular mycorrhiza dynamics, three kinds of root sampling were conducted in several Japanese cedar (Cryptomeria japonica D. Don) stands from 1988 to 1992. The results of root mass analysis indicated that, compared to other tree species, great sampling variation in Japanese cedar posed the most serious problem to detecting subtle fluctuations in active root tips that are capable of forming mycorrhiza. In place of direct root mass comparison, several indices calculated from root parameters (e.g., number of living root tips per gram of living fine roots) can be applied to reduce the influence of sample variation.
  • 羽根 崇晃
    原稿種別: 記録
    2000 年 42 巻 1 号 p. 37-39
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
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