森林立地
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56 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 志知 幸治, 山田 毅
    原稿種別: 諸言
    2014 年 56 巻 2 号 p. 71-73
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
  • 戸田 堅一郎
    原稿種別: 解説
    2014 年 56 巻 2 号 p. 75-79
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    地形判読を容易にすることを目的として,数値標高モデルを用いた新たな立体図法(CS立体図)を開発した。CS立体図は, GISソフトを用いて標高値から傾斜と曲率を計算し,異なる色調で彩色し重ねて透過処理することにより作製する。山地崩壊危険地の予測を行う場合は,小縮尺と大縮尺のCS立体図を用意し,巨視的視点と微視的視点から地形判読を行うと,より的確な判断が可能になる。CS立体図を用いて地形判読を行い,現地調査を行うことで,山地崩壊危険地の予測精度と調査効率の向上が期待できる。
  • 岡本 透
    原稿種別: 解説
    2014 年 56 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
  • 磯部 一夫, 大手 信人
    原稿種別: 報告
    2014 年 56 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    森林生態系において,窒素循環は時空間的にどのように制御されているのか。環境の変化は窒素循環にどのような影響を与えるのか。これらは森林立地学の一貫した主要な研究テーマであり続けている。また窒素循環の地球規模的な変化にともなって各地域の森林生態系における窒素循環も変化していることが相次いで報告され,これらの研究の重要性は一層高まっている。これまで森林の窒素循環と環境要因(気候,植生,土壌の理化学性など)との関連に関して様々な研究が行われてきた一方で,窒素の形態変化にかかわる生物地球化学的な諸反応を担う微生物群集の生態についてはブラックボックスとして扱われる傾向にあった。しかし,近年の遺伝子解析技術と情報処理技術の飛躍的な進展によって,以前より遥かに多くの情報を得ることができるようになっている。従来の知見に加えて,窒素の形態変化を担う微生物群集の生理・生態情報を把握することで,先に述べた研究テーマについてより良く理解できるようになるのではないだろうか。
  • 中森 由美子, 栗生 剛
    原稿種別: 論文
    2014 年 56 巻 2 号 p. 97-106
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    和歌山県南部の暖温帯域に位置するスギ・ヒノキ人工林伐採跡地において,伐採後10〜24年を経た若齢段階の林分構造を調査し,植生タイプによる林分特性の違いを調べた。13林分29方形区(10×10m, 1林分3方形区のみ5×5m)に出現した胸高直径1cm以上の木本類の調査から,林分は微地形や伐採後年数,標高の違いによって特徴付けられた4つのタイプに分類できた(陽樹・先駆種型,常緑広葉樹I型,針葉樹型,常緑広葉樹II型)。アラカシ,シイ類を主とした常緑広葉樹I型は凸地形に,クスノキ,カナクギノキ,カラスザンショウを主とした陽樹・駆種型は凹地形に分布する傾向がみられた。方形区数の多かった陽樹・先駆種型,常緑広葉樹I型において,林分の質的な回復状況を示す非先駆性高木の幹密度,胸高断面積合計,平均樹高は量的な回復状況を示す林分の胸高断面積合計が増加するほど増加した。一方,伐採後年数の増加による非先駆性高木の幹密度,胸高断面積合計の増加はみられなかった。陽樹・先駆種型および常緑広葉樹I型の植生回復は,伐採後の経過時間によって植生回復の度合いが一律に決まるのではなく,一定量の樹木の定着・成長が見込めれば量的に回復するという点で類似していた。伐採後10〜24年経過した林分において,常緑広葉樹I型および陽樹・先駆種型は樹種の違いを除けば,非先駆性高木の定着量などの林分構造に大きな違いはないと考えられた。
  • 武藤 輝行, 小山 浩正
    原稿種別: 報告
    2014 年 56 巻 2 号 p. 107-110
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    ニセアカシアの駆除を目的に,山形県赤川の河川敷においてニセアカシア林分の伐採後に切り下げ工法を実施した。切り下げ工法は平均低水位と地表高との比高差を利用し,冠水頻度を高めることでニセアカシアの再生を抑制する工法である。すでに平均低水位に比べて1.0m程度高い地点まで切り下げる方法(平均低水位+1.0m)がニセアカシアの再生を抑止する効果があるとされている。しかし,この方法には土砂が大量に排出される問題が残っている。本報告では,土砂の排出量を抑えつつニセアカシアの再生も抑制できる切り下げ高を見極めるために,平均低水位+1.5mおよび+2.0mの切り下げ効果を調べた。赤川河川敷の踏査から,平均低水位+1.5m以下では年平均の冠水日数が多く,ニセアカシア群落も成立しにくい傾向にあった。また,ニセアカシアの稚樹は,平均低水位+1.5mを目標に施工された試験区では施工後3年が経過しても少なかったが,平均低水位+2.0mで施工された試験区では,施工後1年間で高密度に再生していた。このことから,河川敷において土砂排出量を抑えつつニセアカシアの再生を防止するのに有効な切り下げの程度があることが示唆された。
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