森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
11 巻 , 2 号
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論文
  • 清水 裕子, 酒井 秀夫, 南 知栄
    原稿種別: 本文
    1996 年 11 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    新素材の作業服として,今回,綿・ポリエステル高次複重層糸織物の作業服Aと,アクリル極細繊維編物の作業服Bを下刈作業服に用いた場合の衣内気候について検討を行った。衣内温度,絶対湿度の変化の全体的な傾向は外気の黒球温度のそれに一致していた。作業服Aは,多量の発汗が生じたときは通気性が阻害され,衣内湿度が高くなっていた。作業服Bは吸水率が高くて通気性もよいが,汗で完全に濡れた場合には熱伝導率が大きくなる。作業服A,Bは本来,通常の屋外での着心地を重視した開発意図によるものであり,多量の発汗には適応しきれなかったが,例えば曇りで風があるときや,晴れていても湿度が低く,風があるときのように,風,湿度等の条件がそろえば,蒸散によって身体を冷やし,その機能を発揮することができるものと思われる。
  • 酒井 秀夫, 笠原 直人, 清水 裕子
    原稿種別: 本文
    1996 年 11 巻 2 号 p. 85-96
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    暑熱環境下において,身体を積極的に冷やして体温上昇を抑制することによって生理的負担の軽減を図る方策として,吸水繊維に冷水を含ませる水冷ベストの冷却効果と有用性について検討を行った。ベスト着用により衣内の相対湿度は高くなったが,強制的に衣内温度を抑えることができ,太陽の輻射熱を遮り,冷却効果は30〜40分持続していた。ベストの下にシャツ1枚着用しても,十分な冷却効果が得られ,着用した衣服によって着用感を向上させることもできた。ベスト着用により作業時および休息時の心拍数の低下が認められた。ベスト着用により体熱放散の必要性が弱くなり,末梢の血管が収縮し,皮膚表面への血流量が減少し,生理的負担が軽くなったものと考えられる。日本産業衛生学会の修正実効温度による許容温度条件をもとに暑熱環境の評価を行った。わが国の夏の気象条件では,容易に許容基準を超えてしまうことが予測され,水冷ベストを処方することは有効と思われる。とくに初心者や,夏季当初,休み明けなどの暑熱未馴化の時期に効果が期待される。
  • アルンプラパラット ワンチャイ, 田坂 聡明, 越智 士郎
    原稿種別: 本文
    1996 年 11 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    山梨県富沢町の路網を対象にGISによる林道機能と路網配置の評価をおこなった。この研究では,GISを利用して林道の持つ連結性,到達性機能の数値化を試み,路線機能と高機能路線の配置について検討をおこなった。結果から明らかなとおり,到達性を表す機能値,連結性を表す機能値ともに手作業での選定に良く一致していることが確認された。一方,各トラックごとに求められた連結,到達機能の高い林道が中心からの距離に関わらず一定値となるのに比べ、連結性の高い林道は外部に向かうにつれて減少する傾向が認められた。また,高機能路線の位置図とこれらの分析結果を利用することにより,高機能な路線の少ない地域を選定しこれを補強するなど,循環路網設計にも有効に利用することが可能であると考えられる。最後に,これら路網分析へのGISの導入は非常に効果的であり,セクター,トラックごとの分析や,高機能路線位置の出力などが容易におこなえることが確認された。
  • 澤口 勇雄, 市原 恒一, 豊川 勝生, 大川畑 修
    原稿種別: 本文
    1996 年 11 巻 2 号 p. 103-112
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    林道網の細部は低規格の林道で形成されるが,今後,高密度の林道網整備を進める上で,どの程度の規格を想定するかは,林道網の整備進度に大きな影響を与える重要問題である。本論では,低規格の林道を代表する林道3級と作業林道をとりあげ,主として幾何構造を実態比較解析することによって,林業的機能を重視する林道網の末端の林道規格を論議した。実態比較は,開設費,横断面,線形,迂回率,HACKの法則の類似式の適用について行った。作業林道の開設費は,林道3級の1/2〜1/3であり,この差の7割は土工費と構造物費から説明できた。両林道に幾何線形や迂回率に差は余り見られず,HACKの法則の類似式の適用に対しても,ベキ乗式の定数の違いは,路線延長や利用区域森林の規模の違いと結論された。数量化2類で分析した結果,林道3級は作業林道に比べ,縦断勾配が少し緩やかな道の割には,切盛土量が多いため開設費が高い道と位置づけられた。これらの結果から,林業的機能を重視する林道網は,林道1級,林道2級及び作業林道の体系で行うのが合理的と示唆した。
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