森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
13 巻 , 1 号
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論文
  • 佐々木 重樹, 神崎 康一
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,集材作業システムを個々のオブジェクトが相互に関係しながら並立して動作するシステムとしてモデル化し,実際にコンピュータ上で動作させることによりシミュレーションを行った。このモデルにより,システムを部分的に変更した場合の功程を予測することが可能である。また,現実にない条件を仮定して功程を予測することも可能である。作業システムの一部を変更した場合の作業功程の予測として,搬器を遠隔操作による係留機構を装備した搬器に変更した場合の作業をシミュレーションした。この結果,搬器を変更することにより2.4倍の功程の向上が予測され,また,この予測値と実測値の差異は4.9%であった。本研究によって,オブジェクト指向による集材作業システムのシミュレーションモデルは実際の集材作業に近い結果を予測可能なことが示された。また,作業システムの一部を変更した場合にも,集材功程の変化を高い精度で予測可能なことが示された。本研究のシステムを運用することにより,実際に作業を行う前に最適なシステムを試行錯誤で検討していくことが可能になる。
  • 中尾 博美, 八尋 樹子
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 1 号 p. 9-18
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    高性能機械化作業が全国的に進められている。機械の導入と作業のため高密度の道路網が開設される。その際,道路沿いに発生する不安定土砂の流出が危惧される。本報では,作業道沿いに発生した崩壊斜面からの土砂流出の動向を10か月にわたって観測した。新生の崩壊斜面からの地表水流出率は,崩壊からの経過時間の長い斜面より高く,プロット面積に反比例した。総降雨量が,総土砂と細粒土砂の流出量と高い相関を示した。降雨に対する土砂流出の難易は,プロットごとに異なった傾向を示した。単位流出水量あたりの土砂流出量は,崩壊発生後2年経過したあともほとんど変化が認められなかった。流出土砂の粒径分布は,母材土壌の粒径及び総土砂量のたかによって異なった。崩壊斜面は時日の経過に応じて,地被率の増加が認められたにもかかわらず,降雨のたびに,変化無く土砂流出が続いていた。斜面と渓流との相対的位置とその間の勾配や林床条件によっては,適当な措置が必要となろう。
  • 永井 芳郎, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 1 号 p. 19-30
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国における最近の高性能林業機械の普及状況は,目ざましいものがある。架線系集材機は,タワーヤーダ,自走式搬器を除いて頭打ちの状態が続いている。本報告は,こういった最近の林業機械化の動きと,自走式搬器のこれまでの導入状況と機械,作業システムの特徴について考察した。自走式搬器は,九州を中心に1983年頃より急速に普及を見た。この傾向はさらに岐阜県,静岡県へと進み,その後岩手県でも普及を見た。前者は元来,架線集材系の多い県に普及を見たとみられる。また,自走式搬器の集材システムの特徴を見るために,天竜地区にて日報,および現地にて調査した。自走式搬器を用いた集材作業による生産性は,平均,セットあたり18.5〜35.7m^3であった。
  • 吉村 哲彦, 松場 京子, 竹内 典之
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    林道の切取のり面から崩落する土砂や石などは,たびたび通行の障害となり,それらの除去には多大な労力を要する。本研究は,降雨や凍結融解による切取のり面からの崩落土砂量を計測し,その計測結果に基づいて,崩落土砂量の季節変化や経年変化の予測を行うことを目的としている。本研究では,勾配が5分,7分,9分の3か所の調査プロットを設置し崩落土砂量の計測を行った。その結果,9分勾配の斜面では崩落土砂量が年々減少したが,他の斜面では減少する傾向が見られなかった。調査開始から4年目の年間崩落土砂量は,5分勾配では476kgで,9分勾配の127kgの約3.8倍にもなった。崩落土砂量に影響する要因を分析するために分散分析を行った結果,凍結融解の回数,降雨量,のり勾配という要因すべてが有意水準1%で有意であるという結果になった。特に凍結融解の回数は,その寄与率が25.8%と最も大きく,崩落土砂量に大きく影響していた。崩落土砂量の時系列のデータは,EPA (Economic Planning Agency)法によって,TC(季節・不規則変動調整済み要素),S (季節変動要素),I (不規則変動要素)に分離することができた。TCおよびSを用いたモデルは,崩落土砂量の季節変化や経年変化をおおむね良好な精度で予測できることが示された。
研究・技術資料
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