森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
15 巻 , 2 号
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論文
  • 有賀 一広, 吉岡 拓如, 岩岡 正博, 仁多見 俊夫, 酒井 秀夫, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    2000 年 15 巻 2 号 p. 103-112
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    せん断帯が生じ,大変形となる半脚式機械の歩行跡を正確に表すために,拡張個別要素法を適用して土壌モデルを構築した。拡張個別要素法は土壌を自由に動くことができる粒子でモデル化するため,不連続体的な特徴を表すことができる。また,粒子間には引っ張りに対しても抵抗するバネを導入しているので,連続体的な特徴も表すことができる。本論文では拡張個別要素法の適合性について,パンタグラフ式脚を用いた土壌掘削実験と比較検討した。豊浦砂実験では転がり摩擦が土壌反力へ与える影響について検討した。転がり摩擦を考慮しなかった場合,土壌反力は実験結果と比較して著しく小さかった。転がり摩擦を導入することによって,モーメントが伝達され,実験結果に近い値を得ることができた。土壌実験ではひずみ限界値が土壌変形へ与える影響について検討した。適切なひずみ限界値を設定することによって,削り取られた土壌が自立する現象を再現することができた。軟弱土と締め固め土の2種類の条件を設定し,締め固めの影響について検討した結果,土壌の密度の違いも再現することができた。
  • 鈴木 保志, 山内 和雄
    原稿種別: 本文
    2000 年 15 巻 2 号 p. 113-124
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    一般に低コストで作設可能な作業道においても土留工などの災害防止構造物は必要であり,路線の選定や設計如何では多くの災害防止構造物が必要になりかえって経費がかさむことも考えられる。そこで,既設作業道を調査し,災害防止構造物の有無と種類を判別する分析により,斜面崩壊などに関する既往の研究を参考に選定した要因との関係を考察した。地形に関する要因では地山の勾配と集水面積,道の幾何構造に関する要因では道路線形,地質および土質に関する要因では土石の状態と地質構造区分帯が判別に大きく寄与しており,その傾向は従来の知見を裏付けるものであった。
  • 尾張 敏章
    原稿種別: 本文
    2000 年 15 巻 2 号 p. 125-134
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,成長曲線を用いることにより,わが国における高性能林業機械台数の推移予測を行った。2つの成長曲線(Logistic曲線とGompertz曲線)を1988〜1997年度の高性能機械台数データにあてはめ,AICによりモデルの妥当性を比較評価した。両モデルのパラメータ推定には,非線形回帰分析(最尤法)を用いた。分析の結果,保有台数の飽和水準は,Logistic曲線モデルが2,000台,Gompertz曲線モデルが2,900台と計算された。AICはGompertz曲線の方が小さく,より適合度の高いモデルであると考えられた。機種別,地域別,保有形態別の分析においても,AICはGompertz曲線モデルの方が小さかった。機種別では「ハーベスタ」,地域別では「関東・中部」および「近畿・中国・四国」,保有形態別では「その他組合(林業労働力確保支援センターなど)」において,保有台数のさらなる増加が予測された。全体として,保有台数の増加傾向は徐々に収束へ向かうものと考えられた。そのため,高性能機械化においては今後,ハードの普及よりも利用の効率化を一層重視していくべきである。
  • 曹 丘鉉, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    2000 年 15 巻 2 号 p. 135-142
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    小規模民有林の集材作業では,効率的な集材作業システムが必要である。1981年から1990年までの10年間の愛媛県間伐資料により小規模林業における集材作業の分析を行った。主な集材作業は,林内作業車,入力,集材機,自走式搬器によるものである。生産性は,全体の平均が1.10m^3/人日であり,自走式搬器による集材作業が生産性が一番高く,林内作業車,集材機,人力による集材作業の順に低い。生産費は,16,779円/m^3で,林内作業車による集材作業が一番安く,自走式搬機,集材機,人力による集材作業の順に低い。数量化理論を適用して集材作業に影響を与える要因を分析した結果,地域,集材方法,胸高直径,伐採率,平均傾斜(度),集材距離の順で生産性に影響を与えていた。
  • 長谷川 尚史
    原稿種別: 本文
    2000 年 15 巻 2 号 p. 143-154
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    林分の地位格差が林業経営の収益性に与える影響について分析した。スギ人工林林分収穫予想表から3水準の地位(上,中,下)および2水準の植栽密度(3,000本/ha,6,000本/ha)の計6通りの仮想林分において,収穫表に沿った施業を行った場合の収益性に関して試算を行った。80年生時点の「密植」における「地位上」と「地位下」の格差は,利用材積で3.18倍であった。収入間伐を実施できるまでの年数は「地位上」で26〜27年生時点であるのに対し,「地位下」ではすべて保育間伐となった。主伐後の総収支は「地位上」では45年生以降の主伐で黒字となったが,「地位下」では80年生時点でも赤字となった。また賃金単価を変動させて分析したところ,賃金単価が高くなるにしたがって地位の低い林分における収益性が急激に悪化した。伐出費と間伐および主伐収入が均等になる年数を比較した場合,賃金単価が2,000円/人・日程度であれば地位格差はほとんど見られないが,賃金が上昇するにつれて地位格差は非常に大きくなった。以上の結果から林分の地位格差は収益性に大きな影響を与えており,これらをゾーニングして管理する必要があると思われた。
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