パンクロマチック空中写真は,簡易デジタルオルソフォトがGIS技術の進展で比較的容易に作成できることから,今後活用が期待される。本研究では,森林域でパンクロマチック空中写真による画像分類に,比較的簡易な画像分類手法である教師無し分類法に着目して4次回帰式による分類法を考案し,集材路作設による林地攪乱域の抽出とその植生回復過程の解析に導入した。4次回帰式法による分類精度の誤差は1.18m(2pixel)であり,判別効率表による分類精度の評価でもISODATA法と比較して優位性が認められた。集材路作設後5年程度で急速な植生回復が認められ,崩壊地の拡大も見られなかった。集材路作設による風景へのインパクト期間は,着葉季においては集材路周囲の残存林分の林冠が修復し,新生林分が鬱閉する10年程度といえた。
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