森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
18 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
論文
  • 伊藤 かおり, 井上 公基, 石垣 逸朗
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 2 号 p. 67-74
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,河川の水質浄化機能や水生生物に配慮した河川工事および水辺域環境を評価するために,北上川支流の宮城県栗原郡築館町の内沼に流入する八沢川(YSW)と太田川(OTA)において水温と窒素負荷量を測定した。本研究における水辺域とは河岸から50m以内と定義し,この地域における水辺林の割合が異なる二つの河川を選定した。YSWは,水辺林の少ない護岸工事の進められた河川である。OTAは,水辺林の多い自然河川である。水温測定箇所は,各河川の上・中・下流の3か所設け自動水温計をセットし2001年9月14日から10月12日までの1時間ごとに測定した。水辺林は,最高水温と平均水温の上昇を抑制し,水温日変化を緩和することが明らかになった。水質測定箇所は,YSWに11か所OTAに16か所設けNH_<4^->N, NO_<2^->N, NO_<3^->N濃度を測定した。窒素発生負荷量は, YSWでは76,814 g/day, OTAでは71,203g/dayであり,最下流地点における窒素流達負荷量はYSWでは5,444 g/day, OTAでは6,207g/dayであった。よって, YSWとOTAの窒素発生負荷量の推定値に対する最下流測定地点までの窒素流達負荷量の割合は,YSWで7.1%, OTAで8.7%であり大きな差はみられなかった。したがって,2流域における水質浄化機能は同等であると考えられた。水辺林の割合からは,河川の水質浄化機能を評価することができなかった。
  • 瀧本 義彦, ヨフイー ユリアティーエフイ
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    チーク材(Tectona grandis L.f.)の人力運材時の作業能率と作業負担の現状を調査し,運搬に影響する因子を把握し,作業負担の改善につながる可能性を検討した。調査はインドネシアの東ジャワの貯木場で,2002年に2名の作業者について行った。変数は,1997年の調査を参考にして,運搬距離(3種類):D1(<10m), D2(10-20m), D3(20m<)と丸太の寸法(3種類): L1(1人で1本運搬: 直径15cm,重量35kg), L2(2人で1本運搬:直径30cm,重量95kg), L3(8人で1本運搬:直径60cm,重量450kg)を組み合わせて調査した。作業能率の結果は平均,D1:0.593, D2:0.212, D3:0.121(m^3/m/hr/man)であった。作業能率では運搬距離と運搬時間が比例した。そして,運搬距離と作業能率は反比例で,運搬時間と作業能率も同じであった。丸太の寸法は作業能率に影響があったが,丸太の寸法と作業能率の間には特定の関係がなかった。運搬時のエネルギー消費量(EETr),エネルギー代謝率(RMR)と1日の作業時のエネルギー消費量(EEWT)から作業負担の分析を行った。作業負担の結果は: EETr(L1:0.0797, L2: 0.0711, L3:0.0707 (kcal/kg/min), RMR(L1:3.2, L2:2.7, L3:2.7)とEEWT(L1:1356, L2:1216, L3:1222kcal/day)であった。作業負担の場合,丸太の寸法との傾向は見られないが,L1の作業負担はL2より高かった。L2の運材方法をL1に適用すればL1の作業負担と作業能率が良くなると思われる。
  • 山崎 一, 林 英夫
    原稿種別: 本文
    2003 年 18 巻 2 号 p. 85-94
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    木製構造物で補強された法面の力学特性を明らかにするために,模型による平面ひずみ載荷実験を行った。その結果,法面補強効果とそのメカニズムは,載荷条件によって大きく異なった。まず,補強領域直上に荷重を与えたフロント載荷条件下では,木製構造物は補強土構造物と同様に機能し,高い法面安定効果が得られた。しかし,部材の腐朽進行時には,上層の補強材に作用する曲げ応力によって部材が損傷する可能性について検討を要することを指摘した。一方,補強領域の後背部上方から荷重を与えたバック載荷条件では,補強法面が擬似擁壁として機能し,法面土塊の押し出しに抵抗した。法面安定化に対する積極的効果は低いが,部材の作用応力は小さい。さらに,木製構造物の施工時の締固め促進効果によって,土塊の強度が改善され,法面安定性を向上し得ることを指摘した。
速報
研究・技術資料
feedback
Top