森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
19 巻 , 1 号
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論文
  • 今冨 裕樹, 鹿島 潤
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は温熱環境の視点から,生理的快適性に富むチェーンソー保護衣開発のための基礎資料を得ることを目的として,市販されている3種類のチェーンソー保護衣の衣服内気候を調べた。ズボンタイプの保護衣の着用は,冬季では,温冷感尺度は「やや暖かい」,快適感尺度は「快適」,春季では温冷感尺度は「暖かい」,快適感尺度は「不快」,夏季では温冷感尺度で「暑い」〜「非常に暑い」,快適感尺度は「非常に不快」に区分された。したがってわが国においてズボンタイプの保護衣の着用は冬季では適するが,それ以外の季節では温熱環境の視点から適用しにくいものと考えられた。チャプスタイプの保護衣の着用は,冬季ではズボンタイプの保護衣と比べて暖かさは劣るが,未着用に比べるとかなり暖かさが確保されること,春季では衣服内湿度が比較的低いためにさほど蒸れも感じられないこと,夏季では暑さや蒸れが感じられることがわかった。夏季では時折,留め具を緩めて保護衣内の換気をよくすることにより,暑さや蒸れによる不快感を緩和させることができるものと思われた。なお,保護衣内の温度上昇に伴う生体負担の変化を調べた結果,着用保護衣の違いから生じる温熱環境と生体負担との間に明確な関係を見出すことはできなかった。
  • 神波 康夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    開発途上国の海外からの技術と資金を導入して効率的に経済発展を遂げようとする外発的発展手法の失敗の経験の下で,それに代わりえる手法として提案されているのが内発的発展である。商品作物を目的とした第一次産業が発達した開発途上国では大量のバイオマスが排出される。従来,バイオマス資源は持続可能資源として認識されているが,内発的発展をするための地域産業の資源となりえるか検討されていない。本研究はマレーシアのオイルパームバイオマスの主たる排出場所である農園とパームオイル搾油工場を一地域として,そこから排出されている各種のバイオマス資源を全量原料として用いる事業が内発的発展の選択肢となりえることを検証した。さらに,原料を内部循環利用することが可能であることよりゼロエミッション・エコインダストリーパークの事業となることを示した。
  • 朴 範鎭, 呉 宰憲, 有賀 一広, 仁多見 俊夫, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 19-26
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    林内作業車乗車時に暴露される全身振動は,オペレータの作業疲労の重要な原因と考えられる。本研究は,全身振動によって林内作業車のオペレータに与えられる疲労度を判断可能な,現場で連続的に測定できる生理指標の抽出をねらいとして行われた。研究は現場調査と室内実験に分けられ,まず現場で試験車両の作業振動と騒音を測った。測った資料を利用し,室内実験装置で現場の条件を再現しながら暴露時間とともに疲労感の主観的尺度と生理的指標の変化を測った。その結果,蓄積的な疲労感を評価する指標として,背中の筋電図のパワースペクトラムと心拍変動性指標の0.1Hzパワーの生理指標を抽出した。
  • 瀧本 義彦, 市村 秀樹
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    森林作業において機械化が促進されつつあるなかで,枝打ち作業は今でもまだ人力作業が多く行われている。そこで本研究では,ヒノキの枝打ち作業を人力とリモコン式枝打ち機械で行った場合の労働負担,作業能率の比較研究を行った。人力,機械作業をそれぞれ要素作業に分類し,作業時間,心拍数からエネルギー消費量を求めた。その結果,人力作業では「枝打ち」作業,機械作業では「様子を見る」作業が全体の約75%の時間割合を占めており,ここでのエネルギー消費量の違いが,人力作業の高負担につながっている。1日あたりの作業可能な枝打ち木の本数を作業能率から計算すると,人力作業では作業者の枝打ち作業経験年数による差が大きいが,機械作業ではほとんど差が見られない。さらに枝打ち経験年数が多い作業者では人力作業能率が高くなるが,経験年数が少ない作業者では機械作業能率が高かった。これらのことから,新規就労者が効率的に枝打ち作業を行うためには,リモコン式枝打ち機械が有効であると推察される。
  • 米津 克彦, 長谷川 尚史
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    林内でのGPS単独測位におけるマスク設定の有用性についての検討を行った。林内において仰角マスクによる測位誤差の減少はみられなかった。胸高断面積合計が大きい林分では,必ずしも開放地における仰角マスクの推奨値が適していない。SNRマスクは,通常使われているマスク設定では測位誤差の減少はみられなかったが,測位誤差とSNR値の平均の間に有意な関係がみられた。PDOPマスクは林内では測位成功率を低下させるが,最も誤差減少の効果が高かった。測位誤差に影響をおよぼす要因を特定するために重回帰分析を行ったところ,開放地においては4衛星の仰角,林内においてはSNR値の平均とPDOP値が有意となり,重回帰式の決定係数は最大で0.45となった。選択された変数を用いてマスク設定を行った結果,平均測位誤差は開放地では40%,林内では35%減少した。本研究の結果,SNR値の平均とPDOP値を用いることで林内での精度管理の手法確立が可能であることが明らかになった。
  • 川島 義紀, 岩岡 正博, 峰松 浩彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2004/04/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,製材所で発生する木質バイオマスのエネルギー利用の可能性と,二酸化炭素削減効果を明らかにすることを目的として,製材所で発生する木質バイオマスの量と製材品の乾燥に必要な熱量から二酸化炭素削減量を算出した。二酸化炭素削減量は,木質バイオマスによって代替される化石燃料から発生する二酸化炭素量とした。製材所で発生する木質バイオマスのうち,樹皮の発生量は樹皮剥ぎ工程で実測し,残廃材の発生量は素材入荷量と製材品出荷量の差から求めた。また,製材品の乾燥に必要な熱量は聞き取り調査で得た。この結果,製材所で発生する木質バイオマスから得られる熱量は,樹皮の含水率と原木に対する残材発生率によって変化するが,製品として出荷しているチップも燃料とすることによって,製品の乾燥に必要な熱量のすべてを得られることがわかった。このとき二酸化炭素排出削減量は,素材入荷量100m^3あたり8.6tとなる。すなわち,平成12年度の日本の製材用素材入荷量2,652万m^3すべてを同様に処理すると削減量は約230万tとなり,日本が京都議定書で義務付けられている削減量7,400万tの約3%にあたる。
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