森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
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22 巻, 2 号
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論文
  • 横山 卓郎, 千葉 正弘, 新井 義和, 曽我 正和
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 51-60
    発行日: 2007/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    著者らは,個々の枝を検出し,その位置を認識した上でそれらを枝打ちする枝打ロボットを開発している。本論文では,樹木の損傷を軽減することを目的とした小型な切断機について検討し,枝に対する各種切断機の切断能力の比較を行う。比較対象の切断機は,主に工業分野で用いられるルーター刃,エンドミルおよびラフィングエンドミルである。いずれも形状が類似しており,小型化の可能性はほぼ同等であるが,刃の配置の違いから,枝の切断時の抵抗に相違が予想される。より小型でかつ軽量な切断機構を開発するために,実験によってそれらの抵抗を明らかにする。結果としては,ルーター刃よりもエンドミルの方が小さい抵抗(直径12mm,進行方向に約60N)で枝を切断できることを確認した。また,ラフィングエンドミルはエンドミルよりも抵抗の振動が少ない(直径12mm,進行方向の振動幅約40N)ことを明らかにした。以上から,実際の枝に対する切削抵抗が最も小さく,限られた動力で効率的に切断可能である切断機として,ラフィングエンドミルを導出した。また,ラフィングエンドミルを搭載した切断機構を開発し,森林における切断実験を通してその有用性を示した。
  • 土屋 麻子, 山田 容三, 中澤 昌彦, 吉田 智佳史, 陣川 雅樹
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 2 号 p. 61-72
    発行日: 2007/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,間伐補助金を導入しない場合の,利用間伐により発生する森林バイオマスのポテンシャル量を,国産材価格を考慮して推定することを目的とした。さらに,3タイプ6種類の補助金を想定し,補助金の導入が森林バイオマス搬出可能量に与える影響を検討した。森林バイオマスのポテンシャル量については,利用間伐の実施可能性を判定するために4つの条件を設定し,その条件下で材価と費用を比較して利用間伐の実施可否を判定し,森林バイオマス搬出可能量を推定する手法を開発した。本手法を対象地域である愛知県北設楽郡東栄町に適用した結果,平成13〜16年度において利用間伐地に発生する森林バイオマスのポテンシャル量はごくわずかであると推定された。対象地域では搬出距離が長く,主な用材が材価の安いスギであることから,搬出可能割合が低かったためであると考えられた。補助金を導入する場合では,森林バイオマス搬出可能量の変化の傾向が,全間伐木を全木集材する場合と用材のみを全木集材する場合で異なることが明らかとなった。
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