森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
22 巻 , 3 号
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特集巻頭言
論文
  • 中澤 昌彦, 鈴木 秀典, 岡 勝, 田中 良明, 吉田 智佳史, 近藤 耕次, 松本 武
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 3 号 p. 121-132
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,ネットワーク分析を用いて流域内の各地域における道路網の時系列的・階層的特性を明らかにすることを目的とした。対象地域には,豊川を中心とする愛知県東三河森林計画区の上流から東栄町と設楽町,中流から鳳来町(現在は新城市に合併),下流から新城市を選択し,これら4市町の1990年と1999年におけるネットワーク分析の各指標の階層的および時系列的な変化を比較した。さらに,ネットワークの連結性に関する指標の目標値を検討し,それを達成するための最低路網密度の算出を試みた。その結果,10年間に開設された林道は循環路を多く形成し,ネットワークの発達に大きく貢献していたが,一方作業道は森林全域に対する到達距離の短縮や循環路数の増加の効果は認められるものの,ネットワークの発達にはほとんど貢献していないことが明らかとなった。また,本研究で用いた指標は,概ね下流から上流に向かって変化し,流域内の地理的位置関係に対応した道路網のネットワーク特性が確認された。さらに,α指数の目標値がα=20%程度となることを導いて,それを達成するためには,山間地域では最低4m/ha前後の連絡する道路が必要であると算出された。
  • 鈴木 秀典, 梅田 修史, 山口 智
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 3 号 p. 133-142
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    稜線部への路線開設における地形条件を明らかにした。対象地は,これまでに解析を行っている木曽谷に,磐城・天竜の各森林計画区を加えた地域である。全体的には,路網密度が高い地域で稜線路線が多くなっていた。これは,通常の林道が谷筋から開設され次第に斜面を登っていくために,ある程度の道が開設されなければ稜線部まで到達できないことに起因すると思われる。解析の結果,斜面傾斜,傾斜分布の歪度,比高,谷密度といった地形条件が厳しくなると稜線部路線が少なくなることが分かった。いくつかの地形条件では,ある値より大きい場合に路線開設に影響を及ぼしており,この上限値が傾斜20度,比高1,250〜1,500mであった。このような地形条件を持つ地域では,稜線部への路線開設が難しくなるといえるが,いくつかの地域では,稜線部への路線開設が多く見られた。これは,隣接流域からの峰越路線から派生して路線が開設されたためと考えられる。地形条件の厳しい地域では,このような稜線路線の開設が有効であると考えられる。
  • 梅田 修史, 鈴木 秀典, 山口 智
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 3 号 p. 143-152
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    作業道路網の実態分析を行った。結果を要約すると以下のようになる。1)斜面を30度以上と未満に区分した。30度以上の斜面は,作業道(幅員3m,切土高1.5m)を開設すると路面の一部が盛土で構成される斜面であり,防災的には急傾斜地となり,地形的には小起伏面との傾斜変換線が遷急線(侵蝕前線)となる斜面である。2)四万十町の路網は,路線長の52%が面積割合35%の30度未満の緩斜面に開設されていた。平均傾斜が大きくなるほど30度未満の斜面の分布が路網配置に重要となる。3)締固め試験,路面CBR値から,急傾斜地は締固め能力の大きな土(締め固めれば密度が大きくなる土)で構成され,また急斜面に開設される道は路盤を締め固めて構築されている。4)締固め試験は,道を作設する斜面の土の評価法となる。一方,作業道の作設は路面のCBR値で評価される。
  • 松本 武
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 3 号 p. 153-162
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    森林の管理生産基盤としての林道網の評価を法面構造の視点から行った。切土法高1mを直接進入可能,切土法高4mをスイングヤーダで集材可能として該当区間から道路から150mの矩形バッファをGIS上で発生させて解析を行った。対象地の林道近隣の人工林の分布はまとまって存在するというよりも分散している傾向にあり,直接進入可能な区域は林道から150m以内の区域の40.8%を占めるが,カバーされる人工林は150m以内の区域の内20.2%にとどまっていた。集材可能区域は150mバッファ内の79.1%に達しているが,カバーされる人工林は150mバッファ内の35.3%にとどまっていた。法面構造と沿線の人工林資源の分布状態から,既存の林道では横の機能は十分とはいえない路線の存在が明らかとなった。
速報
研究・技術資料
論文
  • 伊藤 崇之, 上村 巧
    原稿種別: 本文
    2007 年 22 巻 3 号 p. 187-196
    発行日: 2007/12/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    自走式搬器を用いて集材作業を1人で行うための自動化技術開発の一環として,自動荷おろし機構の開発を行った。常に正確な自動荷おろしを行うためには,吊荷が着地して荷吊索にかかる負荷が無くなったことを検知する必要がある。このため筆者らは,改造の容易さや本来の機構を損なわないという観点から,荷吊索にかかる負荷を荷吊索ドラム駆動用油圧モータの圧力として計測する方法を考案し,圧力が減少し始めた時を接地,無負荷になった時を着地として荷下げの自動停止を行う制御手法を構築した。この方法では吊荷が軽い場合には油圧の変化が小さくなって検知が不可能となるため,検知可否の境界を計算によって求め,重錘を使用した荷おろし実験により確認を行った。実験結果はおおむね計算値通りであることが確認され,境界値は搬器高10mで約100kgと若干大きな値になったものの,この値に注意すれば作業を行うことは可能であると考えられた。また,自動停止などの動作は想定したとおり,正確に行うことができ,市販の自動脱荷フックと組み合わせることにより作業員の操作が一切不要な荷おろしが可能となった。
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