森林利用学会誌
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28 巻, 4 号
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論文
  • 山田 容三, 佐藤 仁美
    原稿種別: 本文
    2013 年 28 巻 4 号 p. 237-244
    発行日: 2013/10/31
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    利用可能な木質バイオマス資源量をより現実に近い形で予測するため,長伐期施業と短伐期施業の2つのシナリオを両立させたシミュレーション手法を提案した。このシミュレーション手法を用いて,典型的な山村地域である愛知県豊田市稲武地区を対象に,主伐・間伐による利用可能な木質バイオマス資源量を100年先まで予測した。その結果,主伐・間伐による供給可能な用材量,発生する土場残材量,それを用いて生成されるバイオマス液化燃料(BTL)は,道路から100m以内を基準に考えると200m以内では約3倍,300m以内では約5倍になった。また,短伐期施業の輪伐期については,道路から100m以内の場合は70年伐期で,200m以内と300m以内ともに60年伐期で利用可能な木質バイオマス資源量は最も大きくなった。稲武地区における公的機関と一般家庭の軽油と灯油の年間消費量でBTL生成量を評価したところ,公的機関に安定供給するためには道路から200m以内を対象に短伐期施業の輪伐期を60年とするか,道路から300m以内に対象を広げる必要があり,一般家庭に安定供給するためには道路から200m以内を対象とする必要があることが明らかになった。
  • 今冨 裕樹
    原稿種別: 本文
    2013 年 28 巻 4 号 p. 245-254
    発行日: 2013/10/31
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,事業体全体での安全に対する意識や組織風土といった視点を取り入れながら安全確保の方策を見出していくという考え方をもとに,安全意識・行動や組織風土,それらが事業体の安全レベルにどのように影響しているのかということを明らかにすることを目的として調査を行った。その結果,「労災発生少」事業体群は安全に対してプラスに働くものと考えられる安全意識・行動をとっている傾向があること,林業労働者の安全意識・行動には,「積極的安全意識・行動」,「能率主義」,「安全に対する過信」,「自己中心意識」,「安全重視」などが潜在すること,「労災発生少」事業体群では積極的安全意識・行動が強く,能率主義の意識が弱いことがわかった。組織風土についても「労災発生少」事業体群は安全に対してプラスに働くものと考えられる風土を有している傾向があることがわかった。また,林業事業体の組織風土には,「上下の信頼関係」,「コミュニケーション」,「仕事への積極性」,「協調性」,「成果主義」が潜在し,「労災発生少」事業体群は上下の信頼関係,コミュニケーションを有する組織風土があることがわかった。
  • 大澤 篤弘, 仁多見 俊夫, 櫻井 倫, 中村 剛二郎, 丸本 一樹
    原稿種別: 本文
    2013 年 28 巻 4 号 p. 255-261
    発行日: 2013/10/31
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,都道府県での森林GIS事例の一例として和歌山県における導入事例を取り上げ,その導入に至るまでの検討内容について聞き取り調査を実施し,完成したシステムにおいて残された問題点を明らかにし,今後の森林GISのあり方について考察することを目的とした。和歌山県の森林GISは,基本情報の精度を上げるため情報共有とシステムの操作性を重視しており,高度な分析機能は今後の課題事項とされていた。また,システムを十分に使いこなせる人材の育成が遅れており,高度な技能を持ったフォレスターの活用が重要ではないかと考えられた。さらに,広範囲なコスト分析を行うためには,一般道路データのみならず,林道や作業道のデータ収集と更新が必須であると思われた。今後,森林GISに関する専門的知識を持つ人材を長期スパンで育成し,中心部署を設置することが有用であると思われる。また,計画的に素材生産を行うためには都道府県間や民有林・国有林間での情報共有が必要であり,より広域での森林資源管理利用の可能性を意識しながら,近隣区域での森林GIS情報の相互利用もしくは統合も視野に入れておくべきと考えられた。
速報
  • 片桐 智之
    原稿種別: 本文
    2013 年 28 巻 4 号 p. 263-268
    発行日: 2013/10/31
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    フェラーバンチャ機能付バケットを用いた森林作業道作設の伐木工程,木寄工程,掘削工程の生産性を明らかにし,グラップル付バケットによる作設システムとの比較試験を行うとともに,本作業システム全体の生産性と作設コストを評価した。フェラーバンチャシステムの伐木工程は35.14m^3/時となり,従来型システムの2倍となった。また,鋸断作業は胸高直径と明確な関係がなく,平均3秒で行われた。調査で得られたサイクルタイムから試算した1日あたりの作設距離は,フェラーバンチャシステムが114.4m/日となり,従来型システムと比較すると,1人作業より約8m/日長くなり,2人作業より約12m短くなった。作設コストは,フェラーバンチャシステムが606円/mとなり,従来型システムと比較すると,1人作業より5円/m,2人作業より88円/m低くなった。フェラーバンチャ機能付バケットを用いた森林作業道作設システムは,従来型システム(1人作業,2人作業)より有効なシステムとなり得ることが示唆された。
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