森林利用学会誌
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36 巻, 3 号
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論文
  • 伊能 健悟, 仁多見 俊夫
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 36 巻 3 号 論文ID: 36.141
    発行日: 2021/07/31
    公開日: 2021/08/01
    ジャーナル フリー

    チェーンソーによる伐採作業は,重大な労働災害を招く可能性のある危険な作業である。作業の安全は規則,制度,教習等で確保すべく取り組まれている。しかし,安全に関する経験を継承することは容易ではなく,また,それに資するためのチェーンソー作業の定量的な評価方法は確立されていない。そこで,本研究では,スマートフォンによるデータ取得と伐倒作業時データ抽出の自動化を行い,チェーンソー作業の定量的評価手法について検討した。データ取得では,屋内での模擬的な伐倒作業を,スマートフォンを利用して計測し,伐倒作業時データ抽出の自動化には隠れマルコフモデルを利用した。結果として,適切な特徴量の選択・前処理を行うことで,学習データに対して高い精度で伐倒作業時データを抽出することができた。本研究により,チェーンソーに外付けでセンサーを装着してデータを取得・解析することで,林業作業のデータ取得から発展的な解析のための自動化された情報抽出が可能であることが示された。

  • 瀧 誠志郎, 青木 三六, 小路丸 未来, 稲田 純次
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 36 巻 3 号 論文ID: 36.151
    発行日: 2021/07/31
    公開日: 2021/08/01
    ジャーナル フリー

    非GNSS環境下の森林内で安全にドローンを飛行させることができればSfM(Structure from Motion)により森林内の三次元点群モデルを構築できる可能性があり,森林内調査の簡便化,省力化が期待できる。本研究では,AI搭載型ドローン(Skydio 2)による森林内調査への活用の可能性を明らかにすることを目的に,Skydio 2の森林内飛行の可否評価およびSfM処理による森林内の三次元点群モデルの構築を行った。森林内では,垂れ枝や立木に衝突することなく自動で回避しながら安全に飛行できた。SfM処理の結果,森林内に設置したGCPを使うことで地上解像度が0.0045 mの三次元点群モデルが構築できた。構築した森林内三次元点群モデルの精度は公共測量で定める精度規定を満たすことがわかった。Skydio 2の飛行性能を勘案すると,本研究で実施した林分よりも高密度林分であっても安全に飛行させることができ,森林内調査に活用できると考えられる。Skydio 2のような森林内飛行が可能なドローンは,効率的に森林内の情報を高精度なデジタルデータとして取得することができることから「林業DX」の実現に資する有効なツールである。

速報
  • 伊藤 崇之
    原稿種別: 速報
    2021 年 36 巻 3 号 論文ID: 36.161
    発行日: 2021/07/31
    公開日: 2021/08/01
    ジャーナル フリー

    架線集材における架設作業を省力化・効率化することを目的に,スイングヤーダ集材の先柱控索に使用されるワイヤロープを合成繊維素材に置き換えて架設する方法を検討した。導入したのは超高分子量ポリエチレンの繊維ロープと高強度ポリエステル繊維のベルト荷締機で,架設能率や作業者の心拍数,作業中の先柱の揺動を計測して新しい架設方法の実用性を総合的に評価した。合成繊維素材を用いた架設方法は,各控索に金属製の引締め機構が必要であるため,架設資材の総質量は素材質量の差ほどの軽量化には至らず,心拍数も一部樹上作業者に30% の軽減が見られたが全体として効果は明確ではなかった。一方で作業時間は半分程度と大幅に低減された。集材中の先柱の揺動はワイヤロープに比べ大きかったものの,増し締めを行うことで構造伸びが除去されて弾性率が向上し,先柱の揺動を抑制することが可能であった。以上のことから,控索に合成繊維素材を用いることで架設作業の省力化が期待でき,適切な張力管理を行うことで安全に作業可能であることが示唆された。

  • 松本 武, 下田 政博, 岩岡 正博, 榊原 岳史, 上村 巧, 鈴木 秀典
    原稿種別: 速報
    2021 年 36 巻 3 号 論文ID: 36.169
    発行日: 2021/07/31
    公開日: 2021/08/01
    ジャーナル フリー

    The gazing area and gazing target of an operator during spur road construction were analyzed using an eye camera. The gazing points were distributed toward the right side from the center of the visual field. Gaze constituted 32% of the observation time, and the remaining was saccades. This gaze occupation ratio was lower than that previously reported for driving cars and trains. In total, 67% of the gazing was distributed within the effective visual field. The targets that were the most gazed were bucket (and the periphery of bucket). The gazing frequency was 23.5% and the gazing time was 15.8%. However, these values were lower than those previously reported for excavation-turning-loading work on a flat plane using an excavator.

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