森林利用研究会誌
Online ISSN : 2432-5996
Print ISSN : 0912-960X
8 巻, 2 号
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総説
論文
  • 猪内 太郎, 酒井 秀夫
    原稿種別: 論文
    1993 年 8 巻 2 号 p. 7-16
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    トラクタ集材とプロセッサ造材の組合せ作業において,土場が十分広い場合に,土場におけるプロセッサの待ち時間がトラクタ集材とどのように関わっているかについて検討を行った。土場において,集材された材の元口の向きが巻立て場の方向と逆になると,プロセッサは元口の方まで移動しなければならず,多量のロスタイムが生じる。元口が巻立て場を向くように荷下そうとしても,荷の吊り方(元口吊り,末口吊り)と集材路の位置関係で,トラクタがプロセッサの前を回り込んで荷下ししなければならない場合には,プロセッサはトラクタに道をあけなければならず,調査地では平均133秒の待ち時間が生じた。トラクタがプロセッサを邪魔することなく,元口が巻立て場を向いて荷下せるように,伐倒方向と集材路の配置を計画する必要がある。また,土場に材が多いときには,トラクタの荷下しに対するプロセッサの待ち時間は少ないが,土場に材が少なくなると,トラクタ荷下し手とプロセッサが接近するようになり,プロセッサに待ち時間が生じるので,効率良い荷下し方法が必要とされる。
  • 豊川 勝生, 山田 容三
    原稿種別: 論文
    1993 年 8 巻 2 号 p. 17-24
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    北海道でハーベスタの運転作業環境を人間工学の観点から調査した。オペレータの作業中の心拍数は心拍水準で54%で,生理的負担は軽い。作業中,最大心拍数となるのは,ハーベスタ後進中であった。オペレータの視野は,魚眼レンズ法による写真より分析した。この結果,主な視野障害物は,ジブ,ヘッド,タイヤ,測尺用計器と作業中の運転情報となるものであり,良好な結果を示したが,右前タイヤが計器の陰となり,オペレータからは見えない。アイカメラによる注視点の調査から,オペレータは,ヘッド,林地,対象木,枝を払った送り材を見る傾向にあった。チェーンソーの操作方向や測尺用計器の配置から,オペレータは対象木,伐採木を左10°の方向で,送り材,玉切りした材を右10°の方向で注視しており,視線方向として効率的な作業を行っていた。注視対象物の連続時間分布から,測尺用計器に注視の集中度合が高い。等価騒音レベルを用いたオペレータ耳元騒音は,ハーベスタ停止中が65dB(A),走行中が76dB(A),作業中が77〜81dB(A)で,労働安全衛生規則による職業性騒音暴露限界85dB(A)より低い結果を示した。
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