森林組合を中心とした森林管理・森林経営の現場おけるGIS・GPSの利用・活用の実態を把握するとともに,森林情報の利活用についての問題点を明らかにした。今回調査を行った森林組合のうち地籍調査が終了していない組合では,現在,森林区画の境界が不明確であることが問題になっていた。これらの森林組合ではGPSを利用して森林区画の境界を調査し,GISで,その境界情報の管理を行っていた。また,我が国の森林情報の基本である森林簿・森林計画図の情報は森林施業計画策定の援助資料として森林所有者等に提供が可能であること,森林組合には森林所有者に対して施業計画の作成および指導援助が可能であると森林施業計画制度運営要領に規定されている。調査した組合でも,これらの情報を基本としてGIS・GPSを活用して現地に即した情報に整備して,森林施業計画を作成していた。しかし,森林組合など現場で整備された情報は,現在,森林簿・森林計画図に反映されるように規定されていない。現場で整備された情報が既存の森林情報に反映できるような体系化が望まれる。
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