西園朋広・澤田智志・福本桂子・北原文章・高嶋敦・志水克人・鄭峻介・小谷英司・松浦俊也・齋藤英樹・細田和男:間伐の実施されているスギ林の長期成長--近接する人工林と天然林の時系列データに基づく推察--,森林計画誌59:87~101,2026 本研究では,秋田県上小阿仁村のスギ人工林とスギ天然林の長期継続調査データに基づき,スギ林の林分材積成長の長期的な経年推移パターンを調べた。林齢27~111年の人工林の林分材積純成長量は林齢50年頃に最大に達して,その後徐々に減少する傾向があった。林齢167~264年の天然林の林分材積純成長量は,全般的に林齢170年頃が大きく,その後は減少した。しかし,林齢200年以上の材積成長量は平均で10.0 m3 ha−1 yr−1弱程度であり,一定レベルの成長量を維持していた。また,間伐後に増加し,その後時間の経過とともに減少した。人工林と天然林の推移の比較検討によって,林齢264年までのスギ林の林分材積純成長量は,林齢50年程度に最大に達した後,非常に長い期間をかけて徐々に低下するが,ゼロには収束せず,林齢200年を超えても一定レベル(10 m3 ha−1 yr−1弱)の成長量を示すことがわかった。さらに,林齢200年超のスギ林でも間伐は肥大成長を増加させることが確認された。
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