日本森林学会誌
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論文
  • 八木 貴信
    原稿種別: 論文
    2026 年108 巻7 号 p. 165-174
    発行日: 2026/07/20
    公開日: 2026/07/20
    ジャーナル オープンアクセス

    管理不足な私有人工林の林況実態の把握はその管理改善に重要だが詳細な検討例がない。そこでそのような林分で取得された市町村森林経営管理事業での標準地調査データを解析した。その林分構造は,解析対象の全林分で林分幹形状比HDR>80となるなど過密な一方,その相対幹距Srが10~20にまたがるなど大きな変異を示した。Srが大きい林分ほど上層樹高,幹直径,林分HDRは小さくなり,Srは林分特性と密接な関係を示した。林分毎の立木HDRの頻度分布は,HDRが小さい立木が多数派の正に歪んだ形状を示した。この分布形状はSrに対して変化せず,分布の位置だけがSrが大きくなるほど低値へ移動した。下層間伐後の林分構造の試算から,林分HDRの十分な改善にはSrが小さい林分ほど強い間伐が必要になるが,Sr≒10の特に過密な林分では,本数間伐率50%の強度間伐でも一回の間伐では間伐直後の林分HDRを≦80にできないことが示された。他方,立木HDRの林分内変異は大きく,Sr≒10の過密林分でも立木HDR≦80の将来木候補が平均して立木の約2割混生し,このような過密林分でも将来木施業は間伐手法として有効なことが示された。

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