工業用製材鋸屑(樅、唐檜、及び松)を稀硫酸を以つて加水分解し、それによつて生ずる糖液を更にペントーズ及びヘキソーズの兩者を醗酵する乳酸バクテリヤによりて醗酵した。此の醗酵を充分に行はしめる爲に其糖液に窒素の給源として麥芽(五%)を、又中和試藥として過量の炭酸カルシウムを加へる必要がある。
七-一〇%濃度の糖液は五-七日間で醗酵し全糖分の八二-八八%を分解する。分解糖分の九五-一〇〇%に相等する酸の収量が得られ此の酸は九〇-九五%の乳酸と五-一〇%の醋酸よりなる。
ベルギウス法による糖液は硫酸法による糖液と同程に醗酵し、酸の収量も殆ど相等しき結果を與へた。
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