目的:看護師の逆境を克服する心理的能力を計測するための「看護師レジリエンス」を開発し,その心理測定学的検討を行った。
方法:32項目からなる「看護師レジリエンス尺度」を作成し,大学病院勤務の464名の看護師に施行。妥当性の検討のため,自尊感情尺度,ハーディネス・パーソナリティ尺度,バーンアウト尺度,ベック抑うつ自己評価尺度も同時に施行した。
結果:429名の看護師が回答(回収率92.5%)。因子分析の結果として4因子が抽出された。各因子は「肯定的な看護への取り組み」,「対人スキル」,「プライベートでの支持の存在」,「新奇性対応力」と命名された。次にα係数による信頼性と相関係数による妥当性の検討を行った結果,信頼性(尺度全体で.84,各因子はそれぞれ.87,.77,.76,.63)と妥当性(自尊感情尺度およびハーディネス・パーソナリティ尺度と正の,バーンアウト尺度およびベック抑うつ自己評価尺度と負の相関),ともに十分な値が得られた。
結論:「看護師レジリエンス尺度」は十分な信頼性と妥当性を有することが示された。
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