胃癌の治療成績が向上した今日, 再発の問題は, 臨床医に残された大きな課題である.われわれは教室で経験した胃癌剖検例92例を分析し, 占居部位および組織型と遠隔臓器転移との関係を検討した.
遠隔臓器転移は43例 (47%) に認め, 高分化型に多く, 占居部位との関係はなかった.また, 遠隔臓器転移を臓器別に分類すると, 従来いわれているWaltherのmechanical theoryにあてはまらない転移形式があり, とくに肺転移に注目し, その転移経路 (門脈型, 奇静脈型, リンパ-血行型, リンパ行型) を示した.
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