日本消化器外科学会雑誌
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12 巻, 4 号
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  • 佐々木 公一, 武藤 輝一, 大渓 秀夫, 杵渕 宗作, 斉藤 六温, 沢田 洋一, 田中 乙雄, 川口 正樹, 曽我 淳, 藤巻 雅夫
    1979 年 12 巻 4 号 p. 203-209
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    現在, 胸部上, 中部食道癌に対する一期的術式としては右開胸下癌腫切除→ 食道再建の方式が多くの施設で採用されている.一方, われわれはこれらの順序を全く逆にした一期的食道再建先行術式を1973年以後の44症例に試みてきた.本術式の意義として,(1) 開胸側肺への麻酔侵襲を可及的に軽減できる.(2) 頚部, 腹部の遠隔転移の有無を早期に確認できる.(3) 頚部, 腹部食道の早期離断による癌巣の孤立化と円滑な胸腔内手術操作を可能とする.(4) 術者が癌腫の切除, 廓清に専念できる心理的効果をもたらす.などが挙げられる.本術式は手技上の利点とともに術後合併症も少なく, 今後の食道癌手術適応の拡大に十分貢献し得るものと考える.
  • とくにガストリンの放出とfeedback過程への関与について
    杉原 国扶
    1979 年 12 巻 4 号 p. 210-218
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃迷走神経幽門洞枝のgastric gastrin放出に対する役割, とくにnegative feedback過程への関与の有無について検討するため, 犬に幽門洞pouchを作成し, 主に右胃大網静脈血中ガストリン値の変動を実験的に検討した.
    末梢静脈血に比べ右胃大網静脈血はgastric gastrinの変動を忠実に反映しているが, 幽門洞枝温存群と切断群との間に幽門洞刺激下での右胃大綱静脈血中ガストリン値の差をみとめなかった.また幽門洞酸性化を行うと血中ガストリン値は急速に低下するが, 両群の間に減少パターンの差を全く認めなかった.すなわち, 胃迷走神経幽門洞枝は「胃相」においてgastric gastrinの放出およびnegative feedback過程に積極的に関与していない結果を得た.
  • とくに非治癒切除例の検討
    羽生 丕, 中島 昭, 星 和夫
    1979 年 12 巻 4 号 p. 219-226
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室で過去12年間に切除された胃上部癌87例を中心に, その臨床, 病理組織学的特徴と手術治療成績を検討した.治癒切除例の累積5年生存率は55.6%で, 他の部位の胃癌と比べかならずしも不良ではなく, 胃上部癌の術後遠隔成績の改善には非治癒切除例, とくに口側断端陽性例を減らす努力が必要と思われた.食道浸潤例では, 癌の口側浸潤範囲を肉眼的に正しく判定することの困難な例が少なくなく, 切除線の決定にあたっては術中の迅速凍結標本検査が必要と考えられた.また直接死亡例の検討から, 致命的な合併症の誘因としては術式そのものの影響は少なく, むしろ術前の嚥下障害に伴う低栄養状態が重要であると考えられた.
  • 木南 義男, 永川 宅和, 新村 康二, 宮崎 逸夫
    1979 年 12 巻 4 号 p. 227-232
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去16年間に教室において行った膵頭部癌に対する姑息手術82例の手術成績を検索することから,著者らは非切除例の治療の可能性を検討した.手術術式は内瘻が主である胆道bypass手術(89%)と消化管吻合からなる.これら症例の腫瘍所見をみると,くる実大のものは8.3%で,他は鶏卵大以上例であり,肝転移例は20.8%で,腹腔内播種や他臓器浸潤例は68.1%であった.手術死亡率は28%であるが,消化管出血(26.1%),肝腎機能不全および悪液質(各々21.7%)などで失っている.耐術52例は平均5.6ヵ月生存し,胆道bypass例の39.5%は6ヵ月以上生存し得た.しかし,腫瘍進行度と予後との密接な関係がみられ,姑息手術といえども早期手術が望まれる.
  • 小林 重矩
    1979 年 12 巻 4 号 p. 233-244
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆石症72例を対象に, PS試験による膵外分泌機能, 開腹時膵触診による硬化度, 生検膵の組織学的検索を行い, 随伴する膵障害の実態を解明し, かつ臨床検査所見よりその臨床像を検討した.その結果, 外分泌機能障害27例37.5%, 硬化病変34例47.2%, 組織学的膵病変16例22.2% (うち慢性膵炎4例5.6%) の随伴がみられた.随伴性膵障害の臨床像は特に胆道造影および低緊張性十二指腸造影における異常所見を示す症例に膵障害合併頻度が高く, 形態学的検査にてその存在可能性が推測された.
  • 武藤 良弘, 内村 正幸, 脇 慎治, 林 輝義, 鮫島 恭彦, 松元 定治, 立花 正, 門野 寛, 岡本 一也
    1979 年 12 巻 4 号 p. 245-252
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆のう壁に組織球性肉芽腫を有する摘出胆のう35例を対象にretrospectiveに臨床病理学的に検討した.本症は急性胆のう炎発作後数ヵ月を経過していて, 入院時堅い胆のう腫瘤を触れ, X線検査で胆のう造影陰性であり血管造影で胆のう癌と類似の像を呈した.手術に際して胆のう剥離困難であって, 全例胆道に結石嵌頓を認めた.肉眼的に胆のうは急性と慢性胆のう炎の中間的形態を示し, 肥厚した壁内に肉芽腫性結節がみられた.この肉芽腫は組織球を主体とするもので, 胆のう全体に分布する傾向が認められた.本症は胆のう癌に類似し, 特異な病理像を有するので胆のう炎の一型として取扱うべく, “亜急性閉塞性肉芽腫性胆のう炎” と称する病名を提案した.
  • 河野 研一, 山口 俊晴, 成沢 富雄, 高橋 俊雄
    1979 年 12 巻 4 号 p. 253-256
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    直腸癌に対して5-FU坐薬を試作し, その術前投与に関して基礎的・臨床的研究を行った.基礎的実験で5-FU坐薬は末梢血, 門脈血, リンパ節への移行と高濃度の薬剤が大腸壁組織にみられた.臨床例でも同じように腫瘍組織に高濃度の薬剤とリンパ節への移行がみられた.42例の直腸癌患者に坐薬400mgを連日10日以上投与した.切除例のうち29例にその効果をみると, 2,000mg以上の投与例に腫瘍の縮小, 癌周提の平坦化などがみられ, 組織学的に癌細胞の変性・融解・壊死などの変化を示し有効と判定されたものは50%であった.肛門部痛, テネスムス, 出血などの副作用がみられたが重篤なものではなく, 血液, 肝機能障害はみられなかった.
  • とくにX線診断について
    小田原 良治, 西 満正, 野村 秀洋, 愛甲 孝, 金子 洋一, 川路 高衛, 萩原 一行, 川井田 繁, 小玉 徳信, 笠毛 博, 前之 ...
    1979 年 12 巻 4 号 p. 257-263
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    急性胃アニサキス症自験例25例の臨床像, X線像の検討を行った.本症は心窩部痛, 上腹部痛または嘔気, 嘔吐を主訴として来院するものが多く, 成人男子に好発.原因となった魚はサバが圧倒的に多く, 生魚摂取後10時間以内に好発する.X線所見としては胃角の変形, 粘膜皺襞の腫大が高率に認められ, X線上描出可能であったものは22例中19例 (86%) と高率であった.胃角変形高度の症例では, 胃角近縁に虫体が存在している傾向にあった.
    著者らの検索しえた範囲で, 胃アニサキス症と胃の変形について論じたものを見出しえなかったが, これらの胃角の変形が本症診断に際しての右用な指標となりうると考えられた.また, 自験例は大岩らの急性胃炎の分類の浮腫型の病態を示しており, 諸家の報告でも浮腫型を示すものが多いことより, 急性胃アニサキス症と浮腫型急性胃炎との間に強い関連性があるとの印象を得た.
  • 勝田 仁康, 有本 重也, 内藤 行雄, 田伏 俊作, 川嶋 寛昭, 上田 耕臣
    1979 年 12 巻 4 号 p. 264-268
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 別府 真琴, 左近 賢人, 後藤 満一, 疋田 邦彦, 平井 健清, 村井 紳浩, 谷口 積三, 吉本 信次郎, 青木 栄三郎, 上原 教良
    1979 年 12 巻 4 号 p. 269-274
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 守田 信義, 江里 健輔, 中山 富太, 小林 修, 小田 悦郎, 八牧 力雄
    1979 年 12 巻 4 号 p. 275-282
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 藤本 泰久, 山下 隆史, 沈 敬補, 奥野 匡宥, 紙野 建人, 梅山 馨, 庄司 昭伸
    1979 年 12 巻 4 号 p. 283-287
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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