日本消化器外科学会雑誌
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13 巻, 1 号
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  • 米沢 健, 土屋 周二, 細井 英雄, 池田 義雄, 鈴木 馨一郎
    1980 年 13 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道再建術として頚部で食道胃管吻合を行った127例を対象として胃管の挙上性について検討し, さらに成犬にて, 正常胃からいわゆる全胃管, 全胃管から形成胃管, 形成胃管から山岸胃管とした場合の同一犬の同一部位の血流変化を, Sr85およびCr51-microsphereを用いて測定した. その結果, ヒトにおいて全胃管を形成胃管とすると平均36%, さらに山岸胃管とすると平均10cm挙上性が良好となった. また犬において全胃管を形成胃管にすると胃管血流量は増加した. これらの結果より, 胃管の挙上性および血流を良くするには, 胃小弯を大きく切除し可及的胃管を細くすることが大切であろうと考えられた.
  • 梅原 秀樹, 大同 禮次郎, 恵谷 敏, 谷奥 卓郎, 岡本 寅司
    1980 年 13 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道再建用大弯側胃管の延長と幽門ドレナージ効果を目的として, 幽門前庭部に漿膜筋層輪状切開を付加する方法を考案し, 雑種成犬を用い, 術直後より3カ月にわたり, 筋電図学的基礎的検討を加えた. すなわち筋電図的には脱神経胃の胃体下部から幽門前庭部においては異所性の異常放電や逆蠕動性BERが高頻度に認められ, 幽門部の収縮圧も高値を示したが, 輪状切開を付加すると, 切開より肛側のBERの発生頻度は激減し, 幽門部は電気的に静的な状態となり, その収縮圧も著明に低下する. また固形食としてのレヂンペレットを用いた胃管よりの排出能は輪切によって促進される.
    われわれの漿膜筋層輪状切開は幽門形成術として十分なドンナージ効果がえられることを実験的に証明した.
  • 北島 政樹, 検見崎 博樹, 相馬 智
    1980 年 13 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌手術前に肝転移の有無を察知することは治療法の決定に重要である. そこで術前に, 1) 肝シンチグラム, 2) 選択的腹腔動脈造影, 3) αフェトプロテイン (αFp) 測定, 4) 超音波検査, 5) CTスキャンニングを施行し, 手術および剖検所見と比較することにより臨床的意義について検討した. 肝シンチグラムは3cm以下の腫瘍の診断が困難の場合が多く, 同時に偽陽性, 偽陰性所見も認められた. 動脈造影は血管増生, 濃染像, 肝動脈枝の変化が主所見であった. 6例にαFp陽性を認め, いずれも肝転移陽性であった. 胃癌肝転移は検査対象胃癌132例中34例 (25.8%) に認められ, 病理組織学的には分化型腺管腺癌が多かった.
  • とくに大腸全摘・亜全摘術を中心として
    井上 敏直
    1980 年 13 巻 1 号 p. 23-34
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸手術後, とくに大腸全摘, 亜全摘術後の腸内細菌叢の変化を術式別に比較検討した.
    術後における排泄腸内容の細菌叢は, 好気性菌数には著変を認めなかったが, 嫌気性菌数と総菌数は著しい減少と変動を示した.嫌気性菌数の減少は, 回盲弁の温存, 肛門括約筋の温存, 残存大腸を長くすること, あるいは腸内容の腸内通過時間が延長すること等により減少の程度が少なくなった.
    術後における排泄腸内容の細菌叢の変化を経時的に追跡したところ,.嫌気性菌が徐々に増加して, 2~4ヵ月後には各々の術式に特有な, 安定した糞便細菌叢が完成することが明らかになった.この時期は大腸全摘, 亜全摘術後の大腸欠損に対する回腸の代償作用, 大腸化の始まる時期と一致した.
  • 特に胆嚢癌組織発生の背景として
    平井 貞朗
    1980 年 13 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    有石胆嚢炎103例, 無石正常胆嚢10例, 胆嚢癌20例についての化生とその癌化について臨床病理学的検索を行った.その結果有石例はテープ緑変例 (蔗糖分解酵素の発見) 13例 (12.6%), 偽幽門腺55例 (53.4%), 杯細胞33例 (32.0%), EC細胞12例 (11.7%), Paneth細胞3例 (2.9%) の出現を見, 無石例は偽幽門腺, 杯細胞が各1例 (10.0%) であった.分化型胆嚢癌16例中腫瘍内に12例 (75.0%) の杯細胞がみられ, さらに腸型吸収上皮の存在するものがあった.化生と分化型癌は諸検査に共通性があり, 正常胆嚢粘膜→ 慢性胆嚢炎 (含結石) →腸上皮化生→分化型胆嚢癌 (腸型癌) を生じうる可能性が考察できた.
  • 川口 英弘, 吉田 奎介, 堤 敬一郎, 高野 征雄, 本間 憲治, 阿部 要一, 村山 裕一, 塚田 一博, 神谷 岳太郎, 武藤 輝一
    1980 年 13 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去17年間に経験した胆嚢癌78例について検討した結果つぎのことを確認した.(1) 全期間を通じての臨床成績は, 術前診断的中率30.8%, 治癒切除率28.9%, 5生率35.7%, 胆のう結石合併率56.0%であった.(2) 動脈撮影法や直接胆道撮影法が普及した現在においても, 術前診断的中率は向上したが, 切除率の向上は認めがたかった.(3) 60歳以上または多彩な症状を有する胆石保有者に対し, 精査の上積極的に手術すべきである.(4) 深達度と予後とは緊密な関係があるため, 術中, 胆のうの精査を徹底し, 浸潤が漿膜下までの場合は, 肝床合併切除十リンパ節廓清, 漿膜外までの場合は, 積極的に拡大肝右葉切除などの広範合併切除+リンパ節廓清を施行すべきである.
  • とくに胆汁のlithogenicityと胆嚢収縮能について
    仲野 明, 石黒 直樹, 嶋田 紘, 杉山 貢, 福島 恒男, 土屋 周二
    1980 年 13 巻 1 号 p. 52-57
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去5年に教室で行った胃切除術後に6例胆石症を経験した.それらの症例の胆汁中のコレステロール, 燐脂質, 胆汁酸の%モル比から胆汁のlithogenicityを求め一般胆石症および胆石症を伴なわない胃切除後症例のlithogenicityと比較検討した.また胃切除症例の術前, 後の胆嚢収縮率について比較を行った.
    Admirand-Smallの三角の位置からみると胃切除後胆石症および胆石症を伴なわない胃切除後症例のlithogenicityは, 一般胆石症のそれに比して低いと考えられた.
    胃切除後の胆嚢収縮率は術前に比して低下していた.これらのことより胃切除後胆石症の成因としては, 胆汁のlithogenicityの変化より, 術後に胆嚢機能が低下し胆汁うっ滞による因子が強いと考えられた.
  • 大橋 昭, 西山 潔, 大見 良裕, 金子 等, 小林 俊介, 辻仲 康伸, 犬尾 武彦, 土屋 周二
    1980 年 13 巻 1 号 p. 58-62
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    血中CEA値 (z-gel法) 5.0ng/ml以上を陽性とした場合, 直腸癌再発例の陽性率は, 88.0% (22/25) と著しく高い.
    局所および肝シンチグラム等の臨床的再発発見より, CEA陽性化が先行する場合がしばしば認められる.
    直腸癌治癒手術後, CEAが高値となったときには, 臨床的に再発が確認されなくても, 化学療法, 再手術などの積極的な治療を行うことがすすめられる.
  • 〔附〕本邦報告例の文献的考察
    森 文樹, 江里 健輔, 濃川 正信
    1980 年 13 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃のBizarre Leiomyoblastomaは稀な平滑筋由来の腫瘍で, その特徴的な組織像と比較的良性の臨床経過をとることが知られている.われわれは46歳, 男性で有茎性に胃幽門前庭部大弯より胃外性に発育した本腫瘍の1例を経験したので報告するとともに, 文献的に渉猟しえた本邦報告28例を考察した.
  • 駱 万才, 畑野 良侍, 杉原 国扶, 井上 賢二, 工藤 驍悦, 岩井 武尚, 佐藤 彰治, 毛受 松寿, 滝沢 登一郎, 青木 望
    1980 年 13 巻 1 号 p. 68-72
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 山崎 晋, 島村 善行, 長谷川 博
    1980 年 13 巻 1 号 p. 73-77
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 玉置 明, 柿田 章, 池田 雄祐, 葛西 洋一
    1980 年 13 巻 1 号 p. 78-83
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 小沢 和恵, 浮草 実, 戸部 隆吉
    1980 年 13 巻 1 号 p. 84-89
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝機能の判定には肝細胞と網内系のKupffer細胞の機能の両面より検討する必要がある.肝切除に際して, 肝切除後, 残存肝のenergy balanceが崩れるcriticalな時期があり, この時期を乗り切ることが出来れば予後は良好である.肝硬変を合併するときにはこのcriticalな時期が延長する.以上のことを念頭におき, 術前に耐糖能曲線により肝の機能的予備力を予測し, 術中は残存肝組織のcytochrome a (+a3) 量によって切除許容量を決定し, 術後は血中アセト酢酸/3-ヒドロキシ酪酸比により残存肝の代謝動態を知りそれに応じた対策をたてるべきである.
    肝切除に伴う網内系の機能低下の可逆性については現在正確に判定し得る指標はない.
  • 京 明雄, 岡本 英三, 豊坂 昭弘, 植木 重文, 田中 信孝, 山中 若樹
    1980 年 13 巻 1 号 p. 90-94
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 河野 信博, 長尾 桓, 菅原 克彦
    1980 年 13 巻 1 号 p. 95-100
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 13 巻 1 号 p. 101-135
    発行日: 1980/01/01
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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