日本消化器外科学会雑誌
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13 巻, 10 号
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  • 伊奈 淳
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1139-1146
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    健康成人16名, 胃潰瘍患者64名, 十二指腸潰瘍患者41名および術後症例として教室の幽門括約筋保存胃切除例39名, 標準Bilhoth I法例30名, BillrothII法例10名, 選択的近位迷走神経切離例14名, 選択的近位迷走神経切離術+幽門形成例4名及び選択的迷走神経切離術+幽門洞部切除例14名の計192名について, 胃排出時間と肉汁負荷後血清ガストリン反応の関係及び胃液酸度と空腹時血清ガストリンの関係について検討した.血清ガスリン反応と胃排出時間の間に有意な相関を認めた.即ち血清ガストリン反応は胃排出時間が遅い (遠い) 程強 (弱) かった.この相関関係は術後胃では成立せず, 胃切除群も迷切非胃切除群でも同様に消失した.
  • 田代 征記, 後藤 平明, 今野 俊光, 村田 悦男, 横山 育三
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1147-1152
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵全摘術を4例に施行し, 術後の代謝, 特に糖代謝と消化管ホルモンの変動とについて検討した.糖代謝に関しては, 術後早期のcatabolic phaseでは糖5-6gに1単位の, anabolic phaseになると糖8-10gに1単位のinsulinでcontrolできた.感染時の血糖調節のcontrolは困難であった.消化管ホルモンの動態については30K抗体に対するIRGの存在は認められたが, 血糖上昇作用の有無については不明であつた.経ロブドウ糖負荷ではIRG値は上昇した.arginine負荷ではglucagon分泌は誘発されなかった.食餌負荷によるgastrin分泌反応は全くみられなかった.
  • 密着二重造影法による検討
    菱田 泰治, 小島 靖, 長谷川 重夫, 梶浦 直章, 高浜 竜彦, 吉本 賢隆, 秋元 滋夫, 高橋 周二, 川崎 誠治, 上笹 功, 三 ...
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1153-1162
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    密着二重造影法によって, 胆管末端部の構造を検討した結果, つぎの成績を得た.胆管末端部には, 約14%の症例で“膨大部”が存在することをみとめた.胆管末端部は, 十二指腸壁内をある距離斜走する型と, 総胆管が細く, かつ先細りで直線的に十二指腸に開口する型を基本型とし, 他にいわゆる, 胆管・膵管合流異常が少数ある.総胆管拡張例は大部分が第1の型から生じ, 他に, 先天性総胆管拡張症の範略に入るもの, 胆管・膵管合流異常が少数含まれる.胆管末端部粘膜の弁様構造をしめすと考えられるspiculaは24%にみられたが, 先細り型以外の症例に本来存在する弁様構造が, 病的過程によって次第に消失していくことが推定された.
  • とくに胆嚢の組織像について
    武藤 良弘, 内村 正幸, 脇 慎治, 林 輝義, 鮫島 恭彦, 瀬川 徹, 小原 則博
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1163-1167
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    石灰乳胆汁5症例を組織学的に検討し, ついで本症の胆嚢組織像をより明確にするために本症と同様に胆嚢管閉塞が存在する慢性萎縮性胆嚢炎の胆嚢組織籐と比較検討した.その結果, 本症における胆嚢粘膜の剥脱は軽度でRASや粘液腺形成もより多くて筋層は肥厚性であった.漿膜下層は対照に認められるような結合織の増生や血管の閉塞性病変もなく, 炎症は軽度で炎症細胞浸潤は粘膜層に限られてみられた.この成績より本症の胆嚢は胆嚢管閉塞が存在するにもかかわらず, 形態的に良好に温存されていることが特徴的であった.これら成績に基づいて胆嚢管の閉塞状態と胆嚢病変との関連性を検討し, さらに石灰乳胆汁の生成機序について考察を加えた.
  • 三輪 恕昭, 守山 稔, 小野 二三雄, 橋本 修, 小林 努, 岡 哲秀, 北川 尭之, 中村 憲治, 万波 徹也, 小長 英二, 折田 ...
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1168-1173
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌9例, 直腸癌6例を含む17例の癌例に, 手術7-10日前に内視鏡下にBCG-CWS 200-500γを腫瘤内投与し, 術後はBCG-CWSの皮内投与を継続して, 免疫学的パラメーターと予後について検討した.
    17例の術後1ヵ月目のリンパ球PHA幼若化率, Tリンパ球頻度, PPD皮膚反応の値は術前値より増加した.術後長期のfollow upの結果では, BCG-CWSによる幼若化率の上昇効果は術後3ヵ月が最高であった, BCG-CWSを用いる免疫療法は, 非治癒切除消化器癌例の2年生存率を高めた.
  • 森本 悟一
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1174-1185
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    雑種成犬95頭を用いて, その結腸に外科刀と電気メスを組合せた4種類の切開を加え, Gambee一層縫合を行い, 縫合創治癒を比較した. 結腸全層を電気メスで切開した場合には, 約17%に縫合不全の発生を認めた.しかし, 粘膜・粘膜下層のみ, または漿膜・筋層のみに電気メスを使用し, その他の層に外科刀を使用すると部分的に少し創治癒の遅れる所はあるが, 縫合不全発生率, 耐圧試験成績では, 外科刀のみを使用した場合と比べほとんど差のない値を示した.したがって電気メスは使用方法のいかんによっては, 消化管の縫合を要する部分の切離または切開に充分安全に使用できると考えられる.しかし従来一般に考えられるごとく, 全層の電気メス切開は縫合創治癒を遷延させ, その使用はさけるべきである.
  • 更科 広実, 深尾 立, 尾崎 梓, 岡村 隆夫, 岩崎 洋治, 川北 勲, 大島 統男
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1186-1190
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    人工肛門より明瞭な注腸造影を得るために, 内外2筒からなる陰圧型の人工肛門注腸補助器を開発した.これとgyroscopeとの併用により, 直腸癌術後などの人工肛門保有者30例に注腸X線検査を行い, つぎのような利点が判明した.すなわち (1) 残存結腸の完全な二重造影像が得られ,(2) 人工肛門周囲を汚すことなく検査が終了し,(3) 腸管穿孔の心配が全くないことなどである.これらの検査でわれわれの補助器が有用であった症例を紹介し, さらに人工肛門からの高圧浣腸にも応用しているのでその実際について説明した.
  • 溝口 修身, 竹村 克二, 初瀬 一夫, 門田 俊夫, 黒川 胤臣, 田巻 国義, 加辺 純雄, 平出 星夫, 寺島 肇, 三村 一夫, 岩 ...
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1191-1195
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    内臓逆位症は5,000人から10,000人に1人の割にみられるまれな疾患であるが, これに胃癌を合併した症例はわが国で21例と少ない.われわれは全内臓逆位症に合併した進行胃癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は41歳女性.主訴は心窩部痛および体重減少で, 入院後右胸心, 内臓逆位症に加えて前庭部中心の進行胃癌であることが判り, 胃亜全摘, R3廓清, 横行結腸合併切除さらにBI吻合を施行した.P1H0N3S3のStage IVで非治癒切除ではあったが, 術後経過は良好で3週間後に退院した.1年以上経った現在も元気に会社勤務に復している.
  • 山本 誠已, 和田 信弘, 半羽 健二, 戸田 慶五郎, 中谷 敏英, 嶋 義樹, 池田 好秀, 宮本 長平
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1196-1200
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 飯田 則利, 牛島 賢一, 住友 健三, 今村 敦郎, 鎌田 重之, 松坂 俊光, 古賀 安彦, 朔 元則, 池尻 泰二
    1980 年 13 巻 10 号 p. 1201-1204
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/03/02
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