日本消化器外科学会雑誌
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14 巻, 1 号
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  • 藤田 博正, 橋本 敏夫, 島津 弘, 福田 健文, 高野 真澄, 中村 修三, 大山 廉平, 高橋 任夫, 佐藤 正典, 丸谷 巌, 野田 ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌と診断される以前の食道x線写真を検討し, 食道癌の早期発見および見逃しを防ぐ方法について考察した.
    1) 食道造影法: screening検査でも, 全食道を少なくとも2方向から, 二重造影の時期に撮影することが大切で, その条件をみたすたあ, われわれは4枚撮影法を行っている.
    2) 食道X線読影法: 最も読み落しやすいのは表在型食道癌で, そのX線像は壁不整, 硬化像, 粘膜の粗橿性, 雛襲の異常などである.これらの所見をみとめた場合は内視鏡, 生検を行う必要がある.
    3) 良性食道病変や近接臓器癌を有する症例では食道癌を合併する頻度が高いにもかかわらず, 見逃されやすい.したがって厳重なfollow-upが大切である.
  • 内田 雄三, 内山 貴尭, 調 亟治, 中村 譲, 中尾 丞, 南 寛行, 川原 克信, 一万田 充俊, 日高 重幸, 大曲 武征, 綾部 ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 10-20
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    原発巣が切除された食道癌症例58例のうちA3症例は24例であり, これらの症例について臨床的ならびに病理学的に検討し, 気管, 気管支, 肺浸潤例の外科的治療について検討した.A3症例24例のうちa3症例は16例 (66.7%) であり, 気管, 気管支浸潤例は5例, 肺浸潤例は5例であった.気管, 気管支浸潤例のうち, 食道気道瘻を形成した2例は術前照射療法なしに合併切除を施行したが4ヵ月以内に死亡した.食道気道瘻を形成していない症例に対しては浸潤部位を削りとるようにして切除が行われた.肺浸潤例では5例中4例に肺部分切除が行われ, 1例では剥離が行われた.術後4例に肺転移がみられたが, いずれも浸潤側肺であった.肺浸潤例に比較し, 気管, 気管支浸潤例の方が頚部リンパ節転移の傾向が大であった.照射例の中にはA3=a0-2の症例があり, 浸潤部位の癌組織が消失したと思われる症例もある.以上の成績より次のように結論する.(1) 肺浸潤例に対しては肺部分切除が積極的に行われる.(2) 気管, 気管支浸潤例で食道気道瘻を形成していない症例では限局型A3・N0-1症例においてのみ合併切除が考慮され得る.それ以外の症例では浸潤部位をできるだけ含めて切除し, 遺残癌組織には照射を主とした後療法が行われる.切除不能例および瘻孔形成例では, 先ずBy-pass手術を優先し, 根治照射を行うのがよい.ただし, Ce症例は例外である.
  • 内視鏡所見よりみた術前合併療法の効果の予測
    神津 照雄, 久賀 克也, 磯野 可一, 小野田 昌一, 石川 達雄, 山崎 義和, 円山 正博, 高橋 敏信, 谷口 徹志, 植松 貞夫, ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌症例の術前合併療法の効果を予測する尺度を得る目的で, 113例の初診時内視鏡検査時の主病巣形態から検討を行った.主病巣形態を立ち上がりの性状, 辺縁隆起表面の癌露出程度, 口側へののび方の3項目について, 各々分類し, 各項目の形態分類別のEf分布から効果指数を設定し, 3項目の合計を, その症例の術前合併療法効果予測指数とした.この予測指数とEfには密接な関連がみられ, 指数5以上の症例ではEf2, 3は75.9%, 指数4で66, 7%, 指数3で31.4%, 指数2以下では20%であり, Ef3のみについても同様であり, また術前合併療法別にみても同じ傾向がみられた.従って, 内視鏡所見から術前合併療法の効果をかなり予測できる.
  • 磯部 茂
    1981 年 14 巻 1 号 p. 27-38
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    各種外科手術直後の患者を対象に胃酸分泌および血漿ガストリン値の測定を行い, ストレス潰瘍の成因の一端をなす攻撃因子の影響を検討した.また38例のストレス潰瘍出血例に対し18例に手術を施行し, 主に手術術式に関し検討して以下の結果を得た.脳外科手術直後 (1~2病日) および閉塞性黄疸患者で減黄術直後 (1~3病日) には胃酸分泌の亢進が認められ, さらに前者では血漿ガストリン値が170.3±79.8pg/mlと著明に上昇していた.胸部外科や一般外科手術直後にはいわゆる攻撃因子の増強は認められなかった.ストレス潰瘍出血例に対し15例に迷切兼胃亜全摘術を施行したが, 再出血は1例に認められたのみで, 本疾患に対する手術術式として最良のものと考えられた.
  • 特にリンパ節転移を中心にして
    石井 俊世, 三浦 敏夫, 原田 達郎, 中山 博司, 平野 達雄, 吉田 千里, 野川 辰彦, 橋本 茂広, 藤井 良介, 高木 敏彦, ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室で最近10年間に経験した早期胃癌手術症例について検討した.対象症例は原発胃癌切除総数583例の22%を占め, m癌55例, sm癌は73例であり, 男女比は1.9: 1で男性に多く, 平均年齢は55歳で高齢者の比率が高く, 進行癌の平均年齢と差はなかった.肉眼病型では陥凹型61.7%, 混合型21.9%, 隆起型16.4%で, 若年者は全例陥凹型であるが, 高齢者の肉眼型別頻度に差はみられなかった.対象症例のリンパ節転移率は14.8%であり, m癌では10.9%, sm癌は17.8%であった.群別転移率は第1群リンパ節7.0%, 第2群6.3%, 第3群1.6%であり, 少くともR2の廓清が必要と考える.また転移率は腫瘍径が大なるに従って高く, 隆起型や陥凹型より混合型が高率を示した.
  • 竜 崇正, 植松 貞夫, 渡辺 義二, 古川 隆男, 菊池 俊之, 尾崎 正彦, 佐藤 博
    1981 年 14 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    リニア式電子スキャンを用いて超音波映像下に膵を直接穿刺し, 吸引細胞診や, 膵管造影, 膵嚢胞造影を施行した.吸引細胞診は膵癌21例中18例 (86%) の診断率であり, 3cm前後の切除可能な膵癌の診断も可能となった.膵管造影は最少5mnから最大12mnまでの膵管8例に穿刺し, 全例明瞭な膵管像を得ることができ, さらに胆管造影を併用することにより癌の拡がりをより的確に把握することができるようになった.膵嚢胞造影は4例に施行し形態や内容の検索により, 膵嚢胞腺癌の1例を術前に的確に診断することができた.本法による副作用は経験しておらず安全で, 診断的意義の高い検査法である.
  • 碓井 貞仁, 小高 通夫, 久賀 克也, 渡辺 一男, 竜 崇正, 川村 功, 神津 照雄, 西島 浩, 古川 隆男, 渡辺 義二, 小出 ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝内結石症を術前診断による胆管の狭窄部位によって, 狭窄のみられないI型, 左肝管枝に狭窄のあるII型, 右肝管枝に狭窄のあるIII型, 左右肝管枝あるいは肝門部胆管に狭窄のあるIV型, および肝外胆管に狭窄のあるV型の5型に分類した.I型は胆摘 (截石) +総胆管ドレナージ, II型は左葉 (外側区域) 切除の適応で遠隔成績も良好である.IV型の初回手術例, V型に対しては胆摘の他, 肝門部胆管空腸吻合術, 乳頭形成術などの付加手術が必要である.IV型の再手術例に対する肝門部空腸吻合術は吻合部狭窄, 胆管炎のため予後不良であるが, 術中胆石の可及的除去と適切な胆管ドレナージ, および術後胆道鏡截石は術後経過, 予後ともに良好で, 肝内結石症に対する1つの治療法として有意義である.
  • 和田 英理
    1981 年 14 巻 1 号 p. 59-68
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆汁性腹膜炎の死因ないしは病態におよぼす細菌性因子, とくに腸管内細菌の果たす役割りを主として血中endotoxinを中心に無菌, 大腸菌0-26単独汚染および普通マウスを使用し, 腹腔内にヒトの無菌胆嚢胆汁を注入し胆汁性腹膜炎を惹起せしめ6, 12および24時間と経時的に検索した.その結果無菌群では全例endotoxin陰性であったが, 単独汚染群では15例中14例 (93%), 普通群では15例中12例 (80%) の陽性例を得た.これは腸管内細菌由来のendotoxinが胆汁の作用により障害された小腸粘膜側より門脈内に流入し, 同時に障害をうけている肝のendotoxin処理能力の低下とあいまって, ついにはsystemicendotoxemiaへと発展して行く経路の一端を解明したものと考える.
  • 大沢 二郎, 矢田貝 凱, 滝 吉郎, 大塩 学而, 細谷 亮, 篠田 正昭
    1981 年 14 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去5年間に胃癌術後肝門部転移4例, 胆摘後肝門部狭窄1例の計5例の閉塞性黄疸患者にPTCDによる減黄後, 右肝内胆管空腸吻合術を行い, いずれも4ヵ月以上の生存期間を得ることができ, この内胆汁瘻術が癌末期患者に十分適応できることが認められた.
    一方PTCDによる週毎の1日平均胆汁量200ml, 2週目までの減黄率50%を境にbiliary bypass手術の術後経過の良否が分かれ, 上記5例の右肝内胆管空腸吻合術症例はいずれもこの条件を満たし, PTCDが単に減黄手段にとどまらず, 予後判定的意義をも持つことが判明した.
  • とくに胆道鏡的截石術と肝切除の意義について
    奥山 和明, 高橋 敏信, 田 紀克
    1981 年 14 巻 1 号 p. 74-78
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝内結石症を胆汁うっ滞の原因となる胆管狭窄部位と結石の存在部位より検索対象7例をIa型 (肝外型) 2例, Ib型 (肝内肝外型) 2例, IIa型 (肝内両側型) 2例, IIb型 (肝内限局型) 1例の4型に分類し, それぞれの分類型に対する治療法につき言及した. すなわち治療の基本方針は術中術後の胆道鏡的裁石術であるが, IIb型のように偏側の肝葉とくに左葉に結石が限局し, 荒廃肝で炎症巣である場合には狭窄部位を含めた一期的肝切除の適応となる. われわれの治療法で結石は全例完全に除石され経過良好である. また術前のecho guided PTCは肝内結石症の確定診断と手術々式の決定にあたり有効な手段であることを強調したい.
  • Elemental Dietによる社会復帰の可能性について
    藤田 秀春, 草島 義徳, 渡辺 公男, 竹下 八州男, 小西 孝司, 磯部 次正, 宮崎 逸夫, 佐々木 誠
    1981 年 14 巻 1 号 p. 79-85
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器外科術後, 高度の消化吸収障害のために社会復帰が困難な症例に対し, 成分栄養 (以下EDと略) の応用によるIVHからの離脱と, 社会復帰の可能性について検討した. 教室におけるED施行症例は28例で, 上記の適応となったものは, 膵全摘+胃全摘, 膵頭十二指腸切除, 胃全摘+膵脾合併切除 (Appleby手術), 小腸大量切除の4例である. 前3者は消化器切除に加えて, 腹腔動脈, 上腸管膜動脈周辺の広範なリンパ節廓清によって高度の消化吸収障害を来した例であるが, EDによって完全にIVHから離脱し, さらに家庭においてEDを施行することによって, 社会復帰が可能となった, しかし小腸大量切除例では, 前3者に比較して効果は不良であった.
  • Metronidazole, Kanamycin併用投与の有用性について
    小野 成夫, 小平 進, 滝沢 建, 固武 健二郎, 伊井 祥, 生駒 光博, 勝又 貴夫, 高田 育明, 宮田 潤一, 石引 久弥, 阿部 ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 86-90
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸手術100例の術前腸管処置法を, 機械的処置のみの群10例, 同様の機械的処置およびKanamycinを1回量250mg1日4回, 2.5日間経口投与した群40例, 同様の機械的処置およびKanamycinとMetronidazoleをそれぞれ1回量250mg1日4回, 2.5目間経口投与した群50例の3群に分け, 術中の大腸内菌種1手術終了時の創面内菌種, 術後の創感染率について検討した. 術中の大腸内菌種検索より, Kanamycinの経口投与は, 大腸内グラム陰性桿菌, とくにE.coli, Metronidaozoleの経口投与は, 大腸内の嫌気性菌, 特にBacteroidesの抑制に有効であるという結論を得た. これら2剤の併用投与による術前腸管処置は, 術後の創感染率を最も低下せしめた.
  • 貝原 信明, 木村 修, 西土井 英昭, 田村 英明, 岡本 恒之, 古賀 成昌, 田中 公晴
    1981 年 14 巻 1 号 p. 91-95
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    直腸癌患者26例に対して骨盤内後腹膜気体造影法とバリウム注腸造影法を同時に行い, その所見から癌の壁外浸潤の有無を判定しようと試みた. 腫瘤周囲の後腹膜腔にfree airがみられなかった8例では, 切除標本の組織学的検索による壁深達度はa2またはa1であり, 全例に壁外浸潤が認められ, その最長径は平均4.1cmであった. これに対して, 腫瘤周囲の後腹膜腔にfree airを認めた18例のうち9例では, 壁深達度sm~pmであり壁外浸潤はみられなかった. 一方, 残りの9例の壁深達度はa1~a2であったが, これら症例の壁外浸潤の最長径は平均2.5cmであり, その程度は軽いものが多かった. 腫瘤の中心が前壁にあるものでは, free airの所見から壁外浸潤の有無を判定することは困難であった. 以上のことから, 骨盤内後腹膜気体造影法は, 癌巣が後壁ないし側壁にある直腸癌症例の壁外浸潤の右無を術前に知るための, 有用な検査法であると考えられた.
  • 本邦集計例の考察
    三浦 敏夫, 石川 喜久, 畦倉 薫, 橋本 芳徳, 小武 康徳, 石井 俊世, 下山 孝俊, 内田 雄三, 高木 敏彦, 中山 博司, 吉 ...
    1981 年 14 巻 1 号 p. 96-101
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 中川 研一, 西亀 正之, 藤井 俊宏, 黒田 義則, 奥道 恒夫, 江崎 治夫, 井藤 久雄, 高石 雅敏, 山木戸 道郎
    1981 年 14 巻 1 号 p. 102-108
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 直毅, 小暮 洋暉, 石川 宏, 田島 芳雄
    1981 年 14 巻 1 号 p. 109-112
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 吉田 淳, 岩佐 真, 世古口 務, 五嶋 博道, 川原田 嘉文
    1981 年 14 巻 1 号 p. 113-116
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 旭 博史, 佐々木 純, 一色 道夫, 吉田 博, 阿部 正, 及川 和彦, 瀬田 孝一, 森 昌造
    1981 年 14 巻 1 号 p. 117-122
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 宮路 重和, 香月 武人, 八尋 克三, 安藤 健一, 勝屋 弘明
    1981 年 14 巻 1 号 p. 123-127
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 古川 信, 小坂 進, 水上 哲秀, 稲田 章夫, 櫛引 健
    1981 年 14 巻 1 号 p. 128-131
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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