日本消化器外科学会雑誌
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14 巻, 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 術前照射と術後照射の比較
    藤田 博正, 橋本 敏夫, 野田 辰男, 丸谷 巌, 佐藤 正典, 高橋 任夫, 大山 廉平, 中村 修三, 高野 真澄, 福田 健文, 田 ...
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1655-1661
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌160例について, 術前照射と術後照射の治療成績を比較検討した.主として術前照射を行った前期 (1973-78年) の症例は121例, 切除を先行し術後に合併治療を行った後期 (1979-80年) の症例は39例である.前期と後期で, 切除率は71.1%から61.5%と約10%低下した.しかし, 治癒切除率 (30数%) や手術死亡率 (10数%) では前後期の差をみとめなかった.予後を1-2生率で比較すると, TNM分類のstage Iでは後期の方が, stage IIIでは前期の方がよい傾向があった.stage IIでは両者に差がなかった.従って, 食道癌の治療成績を向上するためには, 早い時期の癌は切除を先行して術後予防照射を追加し, 進行癌では術前照射によって切除率を高めることが肝要であろう.
  • 新発生論と17症例の検討
    山本 貞博
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1662-1672
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆道系の発生異常として, 1.傍乳頭部十二指腸憩室2例, 2.胆道欠損症1例, 3.胆嚢発生異常1例, 4.先天性総胆管拡張症3例, 5.肝内肝外胆管拡張症3例, 6.肝内胆管拡張症2例, 7.先天性肝線維症3例, 8.肝嚢胞症2例を経験し, これを一連のものと把握し, 17症例を順序によって8群に配置して検討した.
    胆道系の発生は, 十二指腸壁から双葉発生して以後20次 (肝門からは18次) の二分割を反復すれば完成に十分と計算される.そしてこの間に生じた誤った分割信号の質, 量や反復性により, 上記の一連の異常形態が招来されたと見る立場から双葉発生論を提起した.
  • とくに重症胆管炎症例に対して
    曽 桂植, 青木 豊明, 森本 修, 谷浦 賢, 藤堂 泰三, 梅山 馨
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1673-1681
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    左肝内胆管主幹枝は解剖学的に分枝の数も少なく, 比較的一定した走行を示し, またその内径も肝内胆管のうちでは最も太く, 肝外胆管が閉塞された場合, 最も早期から太くなるといわれている.
    そこでわれわれはPTC, PTCD時のX線フィルムを検討し, 左肝内胆管主幹枝を選択的に造影するための穿刺目標を設定した.この穿刺目標により選択的経皮経肝左胆管造影法を試みたところ閉塞性黄疸86例中, 1回穿刺70例 (81.4%), 2回穿刺10例 (11.6%) で全例に左肝内胆管主幹枝の造影に成功した.また重症胆管炎症例5例に試みたところいずれも一回穿刺にて成功し, ひきつづきPTCDを行い, 全例に根治術を施行している.
  • とくにsm癌における問題点を中心に
    関根 毅, 須田 雍夫
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1682-1686
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    早期大腸癌8例のうち, とくにsm癌5例について臨床病理学的に肉眼的所見, 組織学的所見および手術々式を中心に検討した.早期大腸癌は大腸癌手術症例137例中8例, 5.8%を占めていた.肉眼的所見では直腸が大部分を占め, 肉眼的形態はいずれも0型 (Ip, Ips, IIa, IIa+IIc) で, 最大径はいずれも1.5cm以上であった.組織学的所見では組織型はいずれも高分化腺癌であり, ポリープ摘除術の1例では脈管侵襲 (静脈侵襲) がみられ, 追加手術が施行された.以上の成績から, 早期大腸癌の治療方針は腫瘍の占居部位, 肉眼的形態, とくに大きさと陥凹ないし潰瘍の有無, さらに年齢, 全身状態を考慮して決定されるべきであることを強調した.
  • 廣田 耕二
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1687-1697
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    結腸穿孔腹膜炎の結腸縫合創治癒に及ぼす影響についての研究は少なく, 従って細菌性腹膜炎下で, いかなる処置を行えば結腸吻合が安全かという明確な結論が得られていない.著者は独自の方法で成犬61頭に細菌性腹膜炎を作製し, さらに68頭を用い, 腹膜炎下で結腸創の縫合を行い, 腹腔内処置法として非治療群, 生食水洗浄群, 生食水洗浄後polyvinylpyrrolidone iodine撒布群, 同じくheparin撒布群, 同じく抗生剤撒布群の5群に分け効果を検討した.その結果, 抗生剤撒布群が死亡率7.1%, 縫合不全率3.5%と最良で, さらに, 腹膜炎の程度, 腹水中細菌数, 縫合部癒着, 耐圧試験, 病理組織検査においても優れた成績を示した.
  • 渡部 洋三, 近藤 慶一郎, 金沢 寛, 若林 厚夫, 津村 秀憲, 小島 一雄, 川島 利信, 工藤 猛, 城所 仂
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1698-1702
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれは胃切除術後の体重減少と下痢の2つを栄養障害の指標として1112例の消化性潰瘍症例 (胃全摘10例, 広範囲胃切除術916例, 幽門洞切除術43例および選迷切兼幽門洞切除術143例) について術後経時的 (1, 3, 7年以上) に追跡調査を行い次の成績を得た.胃切除術後の体重減少, 下痢は, ともにBIとBII法との間に有意差はみられなかったが, その成因に関しては差がみられた.術式別では, 術後消化性潰瘍の発生頻度が最も低くすぐれた術式である選迷切兼門洞切除術は, 術後無酸のための消化障害や胃内容停滞による食事摂取量の減少のために, 体重減少, 下痢の面で広範囲胃切除術との間に有意差が認められなかった.
  • 湖山 信篤, 小川 健治, 花岡 農夫, 服部 俊弘, 中田 一也, 菊池 友允, 芳賀 駿介, 芳賀 陽子, 梶原 哲郎, 榊原 宣
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1703-1707
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 自験3例と本邦集計28例についての考察
    辻仲 利政, 川崎 富夫, 別府 真琴, 疋田 邦彦, 平井 健清, 村井 紳浩, 谷口 積三
    1981 年 14 巻 12 号 p. 1708-1712
    発行日: 1981年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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