日本消化器外科学会雑誌
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15 巻, 1 号
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  • 島 伸吾, 杉浦 芳章, 米川 甫, 尾形 利郎, 松山 重雄
    1982 年 15 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    雑種成犬22頭の頚部食道にCO60を1回300rad週3回に分割照射を行い, 合計3000radと6000radの照射群を作り, 照射終了後2週目に照射野内の食道を1cm切除し, 断端をOlsen型1層吻合を行い, 術後2週目に全例屠殺剖検し非照射群と比較検討した.縫合不全発生率は非照射群18例中1例 (5.6%) 3000rad照射群は9例中1例 (11.1%) と有意差はなかったが, 6000rad照射群は7例中5例 (71.4%) と前2者との間に有意差を認めた.3000および6000radの照射を行うと組織内hydroxyproline量はそれぞれ70%と85%に減少する.しかし吻合後2週目では増加の傾向が認められたが非照射群より低値であった.病理組織学的変化は主に粘膜下層に浮腫を中心に強い反応が認められた.
  • 福田 稔, 山岸 良男, 広田 正樹, 佐藤 定雄
    1982 年 15 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃切除後の骨障害とう歯について, 術後2年以上経過した240例を対象に検索を加えた.
    胃切除後の骨障害およびう歯は40~50%におよび, また椀骨の骨塩量の低下も, 術後経過とともに多くなることが判明した.またう蝕経験歯数も術後経過とともに多くなり, 術後10年以上経過すると, う蝕経験歯数多数者は70%にもおよんだ.
    この原因としては, 二次性副甲状腺機能亢進症になっている可能性が大であると考えられた.
  • 川浦 幸光, 大村 健二, 岩 喬
    1982 年 15 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    進行胃癌症例について, 占居部位からみた転移, 進展様式を検討した.C領域癌50例, M領域癌32例, A領域癌32例を対象とし, 組織型, リンパ管侵襲, 静脈侵襲, 浸潤様式, S, H, P, n因子との関係を検討した.その結果以下の結論を得た.1) C領域癌はリンパ管侵襲を介してリンパ節転移しやすい.2) M領域癌は同様にリンパ管侵襲を介してリンパ節転移しやすい.3) A領域癌はリンパ管侵襲を介して腹膜に直接播種する一方, 静脈侵襲を介して肝転移するという二方向性の進展様式をとる.4) 肉眼型ではBorrmann 2型が3型に比してリンパ節, 肝, 腹膜転移が低く, Borrmann 3型でA領域の癌は静脈侵襲を介して肝転移する一方, リンパ管を介して腹膜転移する.
  • 加藤 元一, 福田 健, 沢井 清司, 徳田 一, 藤本 荘太郎, 中島 正継
    1982 年 15 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    吻合部狭窄により経口摂取不能となった19症例 (食道癌: 1, 胃癌: 12, 食道静脈瘤: 1, 胃潰瘍: 4, 十二指腸潰瘍: 1) に対し, 内視鏡的切開拡張術を施行した.このうち, 切開による拡張を行ったもの16例, 抜糸のみで拡張したもの3例で, これにより全例, 固形物の経口摂取可とすることができた.重篤な合併症はなく, 胃・十二指腸吻合部狭窄切開の1例に切開後一過性の発熱をみたにすぎない.また, 胃癌で胃空腸吻合を行った1例に, 切開後6ヵ月で再狭窄をみたが, 再切開により嚥下障害は改善され, その後経過良好である.吻合部狭窄に対する内視鏡的切開拡張率は, その治療法として安全かつ確実な方法と考えられる.
  • 中村 達, 飛鋪 修二, 阪口 周吉, 賀古 真, 金井 弘一
    1982 年 15 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本学開院以来約3年間にcholangioma 8例を経験した.そのうち5例に拡大肝葉切除および胆道再建を行い, その3例に門脈合併切除を行った.これらの経験に基ずいてcholangiomaの診断と治療について検討し, 次の結果を得た.(1) cholangiomaの主訴は黄疸が多く, 来院時すでに病期が進行しているものが多い.(2) 脈管侵襲傾向が強く, 全例に肝動脈および門脈に浸潤変化を認めた.(3) 切除術施行例は5例で, 拡大肝右葉切除+胆道再建+門脈切除再建3例, 拡大肝左葉切除+胆道再建2例である.hilar typeでは全例に門脈合併切除が必要であった.(4) cholangiomaの根治術では総肝動脈, 腹腔動脈周囲リンパ節, 膵後部リンパ節などの広汎なリンパ節郭清が必要である.
  • リンパ節転移を中心に
    米村 豊, 永川 宅和, 宮崎 逸夫
    1982 年 15 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去5年間に切除された膵頭十二指腸領域癌24例 (うち乳頭部癌9例, 膵内胆管癌5例, 膵頭部癌10例) について主としてリンパ節転移および予後につき検討した.乳頭部癌のリンパ節転移率は56%, 転移部位は (13) (14) (17), 膵内胆管癌では転移率60%, 転位部位は (8) × (12) (13) (14) (16) (17), 膵頭部癌では転移率90%, 転移部位は (8) (8) × (9) (11) (12) (13) (14) (16) (17) (18) であった.リンパ節転移と予後では転移陰性6例は5年生存4例をふくめ全例生存中である.転移陽性例では乳頭部癌・膵内胆管癌の各1例が5年生存したが転移部位は (17) b (13) aであり,(14),(8) × に転移を有する例は全例1年以内に再発死した.膵癌ではリンパ節有転移例は全例再発死した.このことから腸間膜根部, 腹腔動脈根部・大動脈周囲リンパ節の徹底した郭清が必要と考えられた.
  • とくに膵頭十二指腸切除術症例の消化吸収障害と管理を中心に
    永川 宅和, 磯部 次正, 渡辺 公男, 浅野 栄一, 山崎 軍治, 竹下 八州男, 小西 孝司, 倉知 圓, 佐々木 誠, 藤田 秀春, ...
    1982 年 15 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    著者らの教室で開発, 施行している拡大郭清膵頭切除術 (Translateral approach法) にともなう栄養障害の病態解明を目的として, 各種の消化吸収試験を行い.主に標準膵頭切除術と対比して検討した.すなわち, 131I-Triolein試験についてみると, 拡大郭清膵頭切除術7例は全経過を通じて, 平均で30~40%の高度障害を示したのに対し, 標準頭切除術18例は7~20%の軽度あるいさ中等度障害にとどまっていた.PFD試験では, 平均45~55%, 5g D-Xylose試験については, 1,100mg~1,200mgと標準膵頭切除術に比べかなりの低下を認めた.以上, 拡大郭清例の消化吸収障害の程度はかなり大きいが, 著者らが行っている術後対策と栄養管理について併せて報告した.
  • Catheter Ileostomyによる二期手術について
    仁尾 義則
    1982 年 15 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    最近5年間に経験したクローン病は8例で, その切除標本の検討から, 肉眼的病変部より単に一定の距離をおいて切除するのみでは, skipする微小病変を取り残す可能性が高いことが考えられたため, 最近の症例では根治術に先立つてcatheter ileostomyを施行し, これにより小腸二重造影を行い, 微小病変の検索に努めるようにしている.これによつて根治術前既に切除範囲を決定し得る.なお術中も内視鏡検査を併せ行い, 微小病変の遺残を徹底的に防ぐように努めている.本法を施行した4例の術後経過期間は, 最長4年で, 術後成績を云々するには不充分ではあるが, 現在までのところ再発を来した症例はいまだない.
  • 安藤 久実, 藤井 英樹, 星野 澄人, 沈 秀明
    1982 年 15 巻 1 号 p. 55-63
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵切除を行うにあたり, まず最初に門脈を切除する術式の安全性について, Unthron tube®による上腸間膜静脈-大腿静脈一時バイパスを雑種成犬を用いて作製し, 循環動態および空腸粘膜微細構造の面より, 門脈単純遮断群を対照として比較検討した.
    門脈単純遮断群では, 門脈遮断後には門脈圧の上昇 (12.7±3.1cm H2O→40.4±7.8cm H2O), 血圧の下降 (126.7±16.0mmHg→56.0±4.5mmHg), 心拍出量の減少 (1.68±0.30l/min→0.84±0.16l/min) がみられ, また空腸粘膜絨毛突起の破裂とミトコンドリアの変性が45分後にはみられた.これに対してバイパス作製群では, 門脈遮断後60分においても循環動態および空腸粘膜微細構造に殆んど変化を認めず, この方法を用うれば門脈合併膵切除術が安全に施行できると考えられた.
  • 吉川 恵次, 小山 真, 畠山 勝義, 相場 哲朗, 薛 光明, 山岸 良男, 工藤 進英, 広田 正樹, 山本 睦生, 三科 武, 小田 ...
    1982 年 15 巻 1 号 p. 64-73
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれの教室で経験した18例の“外科的”盲係蹄症候群 (Blind Loop Syndrome: BLS) 症例について, 吻合の部位;形式により4群に分類し, それぞれの臨床症状と経過の特徴や吸収試験などの検査成績について検討した.18例中17例に手術が施行され, 腸結核が原疾患である1例を除き術後経過は良好であった.“外科的”BLSの治療としては手術療法が原則であると考えられるが, 高齢者やpolysurgeryの経過を辿り強度の癒着や解剖学的な腸管の位置関係の把握が困難と予想される症例などでは, 即座に手術に踏みきる事なく, 高カロリー輸液 (TPN) や成分栄養法などの栄養管理とともに抗生物質療法も試みるべきであると思われる.
  • 江端 俊彰, 小林 謙二, 伝野 隆一, 後藤 幸夫, 戸塚 守夫, 早坂 滉
    1982 年 15 巻 1 号 p. 74-77
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器外科領域では種々の原因により敗血症を併発し, 敗血症性ショックに陥ることがある.敗血症に伴う多臓器不全は種々の治療に抵抗し, 死亡率も高く, とくに注目を集めている症候群である.最近5年間で教室における敗血症は27例であり, 25例は臓器不全を合併した.腎不全68%, DIC48%, 肝不全36%, 肺不全32%, 消化管出血28%であり, 単発臓器障害では50%, 多臓器障害では88%の死亡率を示した, 多臓器不全は敗血症, 敗血症性ショックとの関係が強く示唆されており, 治療は各臓器不全に対する対症的治療と敗血症, 敗血症性ショックに対するショック治療であり, 多臓器不全に対する有効な治療および予防に関する研究が待たれる.
  • 病理組織学的抗腫瘍効果と腫瘍内分布を中心に
    北島 政樹, 加賀 文貴, 池田 義毅, 検見崎 博樹, 上田 光久, 八木田 旭邦, 小野 美貴子, 立川 勲, 相馬 智, 福住 直由
    1982 年 15 巻 1 号 p. 78-85
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Time dependentであるFT207坐剤を用い, 実験的および臨床的検討を行なつた.雑種成大により血中内濃度の推移をみると, 投与後9時間まで有効濃度を保っていた.担癌患者における血中内濃度は1500mg投与では8時間, 750mg投与では6時間, 有効血中濃度以上を示した.以上の成績を基に胃癌23例, 大腸癌9例に対し術前投与を行なつた.その結果, 総投量が8.0g以上の投与例において, FT207の活性物質である5Fuの腫瘍組織内濃度は有効血中濃度以上であつた.これらの高値は胃癌ではBorrmann I型, II型および大腸癌では限局潰瘍型であつた.徴細血管構策像を検討してみるといずれもhyper vascularであり, 血流が関与していることが想定された.
  • 宮本 幸男, 竹下 正昭, 大竹 雄二, 須藤 英仁, 内田 健二, 六本木 隆, 小堀 哲雄, 川井 忠和, 泉雄 勝
    1982 年 15 巻 1 号 p. 86-88
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 岸 清志, 小立 寿成, 小川 東明, 水本 清, 竹内 勤, 日野原 徹, 岩井 宣健, 西村 興亜, 古賀 成昌, 伊藤 忠雄
    1982 年 15 巻 1 号 p. 89-92
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 内田 博, 有馬 純孝, 志村 秀彦, 田中 一雄
    1982 年 15 巻 1 号 p. 93-98
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • とくに病理学的所見と成因を中心として
    原 和人, 矢島 謙志, 安田 清平
    1982 年 15 巻 1 号 p. 99-103
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 島瀬 公一, 吉川 宣輝, 笹井 平, 河原 勉, 下江 庄司, 水野 滋
    1982 年 15 巻 1 号 p. 104-107
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 山岡 博之, 小林 衛, 武藤 正樹, 金子 靖
    1982 年 15 巻 1 号 p. 108-113
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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