日本消化器外科学会雑誌
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15 巻, 5 号
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  • 田辺 元, 稲津 一穂, 馬場 政道, 吉中 平次, 末永 博, 門松 民夫, 小島 青志, 福元 俊孝, 松野 正宏, 愛甲 孝, 末永 ...
    1982 年 15 巻 5 号 p. 737-743
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌の壁深達度およびリンパ節転移の術前予知を目的に, 食道壁層造影を22例に行い21例を切除し, 術前食道X線造影像および切除標本の超軟X線検索, 病理組織学的検索を施行した.術前造影所見から食道壁層造影判定規準を3型 (5亜型) に分類した.その結果深達度判定可能例は16例で, 手術所見との一致例は11例 (69%) であった.領域リンパ節の術前描出は不可能であったが, 切除標本の超軟X線検索では造影度7.1%であった.
    また, 併用化学療法として食道癌12例の癌腫口側正常食道壁内にBleomycinを同時注入した.切除領域リンパ節内Bleomycin平均濃度は0.82μg/g (Bioassay法) であり, リンパ節転移治療効果が期待される.
  • 大井川 健
    1982 年 15 巻 5 号 p. 744-754
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌手術例77例にSwan-Ganz Catheterを挿入し, 術前, 術直後 (術後24時間以内), 術後遠隔期 (術後24時間から術後5日まで) の循環動態と臨床像について検討を行なった.
    術前64例では循環動態1型35例 (54.7%), II型28例 (43.7%), III型0例, IV型1例, V型0例で, 術前循環動態と癌占居部位, 術前検査成積, 術前栄養状態との間には関連は認められなかった.
    術直後および術後遠隔期においてI・II型で推移する症例には特に合併症は認められなかったが, III型を示す症例には心筋梗塞, 肺浮腫, 完全A-Vブロック等重篤な合併症が認められた.食道癌術後は循環動態III型を示す症例には, 各症例に応じた厳密な術後管理が必要であると考えられた.
  • 渡辺 正敏, 籏福 哲彦, 石田 薫, 金森 裕, 近藤 宗廉, 森 昌造
    1982 年 15 巻 5 号 p. 755-761
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Gastroesophageal refiux (GER) の病態解明と診断の確立の日的で, 新たに連続24時間食道pH測定を行い, 健常人と滑脱型食道裂孔ヘルニアのGERについて検討した.健常人7例の1時間当りの逆流時間と逆流回数は3.4±2.4分と1.0±0.4回で, 1回の最長逆流時間は17.4±8.2分であった.これに対して滑脱型食道裂孔ヘルニア11例の逆流時間と逆流回数は13.5±6.6分と1.9±1.0回, 最長逆流時間は65.9±36.7分で, 健常人と比べていずれも有意に上回る値を示した.また, 健常人と逆流性食道炎を有する滑脱型食道裂孔ヘルニアとの間にはさらに大きな差が認められた.以上より, 本検査はGERの病態把握と逆流性食道炎の診断にかなり有用なことが判明した.
  • 大沢 二郎, 矢田貝 凱, 滝 吉郎, 細谷 亮, 大塩 学而, 三輪 智久, 篠田 正昭
    1982 年 15 巻 5 号 p. 762-768
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去6年間における十二指腸潰瘍穿孔手術例62例の統計的検討とアンケート調査による術後遠隔調査を行ない, 穿孔部を含めた幽門側胃切除後, 生理的なBillroth I (B1) 法吻合を主体とし, 十分な腹腔洗浄により癒着, 創汚染, 入院期間の延長につながる腹腔ドレーンを使用しない我々の手術々式の功罪と今後の問題点について考察を加えた.すなわち, 我々の手術々式は救命という第一目標ではすぐれた成績を挙げているが, 退院後も小胃症状 (36%), 食後症状 (30%) を訴える症例はかなり高頻度で, これら患者の早期の治療, さらにはこれら症状の発生しない術式への改善の必要性を認める結果であった.
  • 田中 恒夫, 児玉 求, 児玉 治, 松山 敏哉, 江崎 治夫
    1982 年 15 巻 5 号 p. 769-773
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    我々は1976年以来残存膵外分泌能の推移を知る目的で膵疾患を中心にtestmealPFDを施行している.今回膵癌, 胆道癌手術症例において部位別に検討した結果, 尿中PABA6時間排泄値は膵頭部癌, 乳頭部癌では低値を示し, その排泄パターンは膵外胆管癌以外では遅延型のパターンを呈した.また切除例においては6時間排泄値は術後12ヵ月以上では術前に比べて有意に改善し, その排泄パターンは特徴的なものであった.以上PFDを検討する場合6時間排泄値のみならず同時にその排泄パタ-ンを分析することによって, 膵管の状態, 膵外分泌能の回復などを知ることができる.
  • 特に嫌気性菌との関係について
    花井 拓美, 由良 二郎, 品川 長夫
    1982 年 15 巻 5 号 p. 774-780
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆道系疾患における嫌気性菌の臨床的意義を検討した.一般に嫌気性菌は好気性菌と混合で検出されることがほとんどで, ビ系石の総胆管・肝内結石症50例では36%, 胆管炎症例22例では45%, 急性化膿性胆管炎症例11例では73%に混合で検出された.すなわち重症感染例ほどその傾向が顕著である.胆道系における嫌気性菌感染成立の背景には好気性菌との混合感染による胆汁のpH, ORPの低下が関与しており, ここに嫌気性菌と好気性菌のbacterial synergismが急性化膿性胆管炎の発症ならびにその病態に大きい影響を及ぼしているものと考える.
  • 鳥谷 裕, 有馬 純孝, 志村 秀彦
    1982 年 15 巻 5 号 p. 781-792
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1978年以来, 11例の腹水貯留症例に対して, LeVeen tubeを用いてperitoneo-venous shunt術を施行し, 手術々式および術後経過に関して検討を加えた.
    対象は, 胃癌4例, 肝癌1例, 下行結腸癌1例, 肝硬変症4例, Lupoid肝炎1例であった.術後, 11例中10例で腹囲の減少を認め, 特に良性群においてその効果は著明であった. 同時に良性群では, 血清albumin値の上昇を伴う血清総蛋白の上昇が著明であった.
    以上より悪性群に対する本法施行の適応に関する検討と, 良性群に対する適応の拡大が今後の課題と考えられ, 症例を選択するとことにより本法施行の効果は十分に得られるものと考える.
  • 田中 隆
    1982 年 15 巻 5 号 p. 793-802
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    左右肝管が分断されていないPTCD症例100例を選択しPTCD後の減黄効果にいかなる因子が関与しているのか検討した結果, 年齢, 黄疸持続期間, 胆管炎, 胆汁排泄量, 胆管閉塞部位, 癌腫の大きさ, 肝転移, 減黄期間中の消化管出血などが関与し, とくに黄疸持続期間, 重篤な胆管炎, 減黄期間中の消化管出血が減黄効果に大きな影響を及ぼした.一般肝機能のうち減黄効果の判定に一つの指標となりうるものにコリンエステラーゼがあり, 0.4△PHU以下で減黄は遷延する可能性が強かった.
  • 川浦 幸光, 大池 恵広, 辻口 大, 松本 憲昌, 岩 喬
    1982 年 15 巻 5 号 p. 803-806
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    当教室における1973年6月から1981年6月までの8年間に手術により確認された胆嚢癌35例を検討し, 外科的治療方針についても言及した.胆嚢癌症例35例に対し, 実施した術式は次のごとくであった.単純胆摘7例, 拡大胆摘2例, 拡大胆摘+肝楔状切除1例, 拡大胆摘+総肝管および膵頭十二指腸切除1例, 拡大肝右葉切除+膵頭十二指腸切除1例, 減黄手術18例, 肝動脈内抗癌剤持続注入5例であった.上記のうち他臓器合併切除を伴う根治術を行ったものの予後はよくないが, 今後, 胆嚢癌に対し, 遠隔成績の向上のためには他臓器合併切除を伴う根治術が最も望ましいことを強調した.
  • 自験例11例と本邦文献例165例の分析
    羽田野 隆
    1982 年 15 巻 5 号 p. 807-818
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    他臓器重複大腸癌の手術例について自験例11例と本邦文献例165例を収集し, 臨床統計的に分析して次の主な結果を得た.
    1.最近症例数は増加しており, 他臓器先行重複大腸癌25.6%, 同時性重複大腸癌55.1%, 大腸癌先行重複癌19.3%となっていた.
    2.他臓器癌の種類は他臓器重複胃癌と同様, 日本人に多い癌, 臨床度の高い癌が上位をしめした.
    3.大腸癌先行重複癌は他に比べて特異的で, 大腸癌手術時年齢で男は7歳以上若く, 単発性の比率が減少し, 大腸癌を最多とする悪性腫瘍の遺伝負荷は高率だった.したがって異時性重複は他臓器先行と大腸癌先行をわけて取り扱い検討した.
  • 藤本 茂, 橘川 征夫, 石神 博昭, 雨宮 邦彦, 大山 欣昭, 呉 正信, 遠藤 文夫, 奥井 勝二
    1982 年 15 巻 5 号 p. 819-825
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    切除不能大腸癌41例の手術所見, 制癌治療と予後について検討した.41例の50%生存期間は9.3ヵ月であり, 41例中制癌治療非施行20例の生存期間は8.1±5.4月である.また, 制癌剤投与14例のそれは16.5±15.5月, 術後照射の7例は11.3±8.2月の生存期間である.手術所見中生存期間との相関はH因子のみに認められ, それ以外のP, S, N因子には相関を認めなかった.長期生存症例の多くはH0, P0~1, S3であり, 術後の生存期間の長短による分類では, 15月以上生存の場合に制癌治療を受けた症例が有意に長期生存した.術前・術後の検査成績中AIPが生存期間と相関を有した.
  • Polymyxin B, Tinidazole併用投与の効果について
    平山 隆, 正宗 良知, 斎藤 俊博, 国井 康男, 菅野 久義, 菊地 金男
    1982 年 15 巻 5 号 p. 826-830
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌手術の術前処置としてPolymyxin B (PLB) およびTinidazole (TDZ) を投与し, 腸内細菌叢について, 投与前後の菌数変動, 術後の創感染率について検討した.大腸癌71例を対象とし, 31例は機械的処置およびPLBを1回量100万単位, 1日3回, 3日間投与, 40例は同様の処置に加え, TDZを1回1,000mg, 1日1回, 3日間併用投与を行った.糞便内菌数算定よりPLB群では好気性菌が109から106個に減少し, TDZ併用群は, 好気性菌に加え, 嫌気性菌も1010から107個に減少した.術後創感染予防に対してはPLB群は19%であったが, TDZ併用群は5%の創感染率で, PLB, TDZ併用投与は有効であるという結論を得た.
  • 常見 修平, 小島 治, 栗本 貴志, 北川 直樹, 山根 哲郎, 春日 正己, 大内 孝雄, 咲田 雅一, 谷奥 卓郎, 西岡 文三, 藤 ...
    1982 年 15 巻 5 号 p. 831-836
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌58例 (結腸癌35例・直腸癌23例) について血清CEA値を検討した.
    術前血清CEA陽性 (2.5ng/m1以上) は57%に認められ, 異常高値 (5.0ng/ml以上) は31%であった.癌腫の占居部位が肛門側に近づくにつれて陽性率は上昇する傾向にあった.異常高値を示す症例はDukes B以上の進行癌である事が示唆された.手術との関係で, 根治手術例で姑息手術例に比べてCEA陽性率が低い傾向があるも, 血清CEA値のみで根治手術の可否を論ずるには危険性が伴なった.術後1ヵ月目の血清CEA値は根治手術の良き指標となり得た.以上, 大腸癌の血清CEA値の臨床的意義を明らかにし, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 須田 健夫, 青木 照明, 平井 勝也, 渋谷 努, 佐々木 謙伍, 間中 正章, 山口 重二, 岩崎 貴, 森川 洋一, 羽生 信義, 長 ...
    1982 年 15 巻 5 号 p. 837-841
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 伊関 丈治, 牛山 孝樹, 柴山 和夫, 荒井 邦佳, 笹子 三津留, 村田 宣夫, 児玉 孝也, 三条 健昌, 別府 倫兄, 木村 泰三, ...
    1982 年 15 巻 5 号 p. 842-846
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 三穂 乙実, 鈴木 博昭, 田代 直, 小菅 勝, 塩入 信彦, 長洲 堯雄, 山口 重二, 長尾 房大
    1982 年 15 巻 5 号 p. 847-851
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 川村 邦昭, 寺嶋 剛, 曽布川 憲充, 鈴木 孝雄, 継 行男
    1982 年 15 巻 5 号 p. 852-856
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 加藤 俊夫, 松本 好市, 福田 宏司, 川村 慶三, 山本 純二, 入山 圭二, 鈴木 宏志
    1982 年 15 巻 5 号 p. 857-861
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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