日本消化器外科学会雑誌
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15 巻, 9 号
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  • 中山 恒明
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1415-1419
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • Child分類による肝硬変症例の検討
    高野 征雄
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1420-1429
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤に対して教室で施行した直達手術129術中, 食道離断+血行郭清33例, 食道離断28例, 胃上部切除12例計73例の肝硬変症例をChild分類に従って, A群26例, B群31例, C群16例に分けその手術成績を基礎疾患の重症度に基いて客観的に検討し, 直達手術の治療的効果の再評価を試みた.手術死亡率は経胸的食道離断 (61例) 8.2%, 胃上部切除8.3%と術式間に差はなく, 緊急手術18.2%, 待期手術5.3%, 予防手術0%, A群3.8%, B群0%, C群31.3%, 遠隔時再出血率6% (食道離断+血行郭清0%, 食道離断8.7%, 胃上部切除18.2%) であった.5年生存率は全体で65.7%で各術式間に差はなかったが, A群79.2%, B群79.1%, C群14.1%と有意にC群で不良であった.このことから手術時の肝予備能がその予後を規定する最大の因子と考えられた.術後長期間のICG消失率の変動をみたが術前値から大きな変動を認めず, 直達手術は肝循環動態に影響を与えないことを裏付けた.以上の成績を各種シャント術式と比較検討したが, 直達手術の安全度, 食道静脈瘤に対する止血効果, 遠隔生存の上で, いささかも劣ることなく, 特に食道離断+血行郭清に高い評価を与えてよいと思われた.一方, 直達手術のデメリットとして, 縫合不全, 狭窄, 逆流性食道炎の他, 下痢, 腹痛, 腹満等の消化器症状を術後長期間認め, 今後さらに種々改良検討の必要性を認めた.
  • 組織学的効果からの解析
    町田 哲太, 吉田 弘一, 池内 広重, 狩野 寛治, 高橋 通宏, 三浦 裕一
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1430-1436
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    術前合併療法を受けた69例の食道癌のX線像と切除標本の照射効果を検討した.浸潤型では表層浸潤型は4例全例がEf3で, 外膜浸潤, リンパ節転移, 脈管侵襲, 壁内転移などの病理学的悪性度も低いが, 5例の全層浸潤型はEf 1, 2が多く病理学的悪性度も高い.潰瘍浸潤型5例はその中間で, 全層浸潤型以外は術前照射の適応がある.腫瘤型のうち管内型7例では照射効果が高く, リンパ節転移以外の病理学的悪性度も低いが, 壁在型9例は照射効果が落ちる上に病理学的悪性度が高い.両型ともリンパ節転移率が高いので, 切除を優先さす方が合理的である.潰瘍型は39例中31例がa2以上なので, 術前照射で外膜因子を制御して切除率の向上を図るべきである.
  • 切除可能性の判定について
    余喜多 史郎, 古味 信彦, 森本 重利, 矢野 嘉朗
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1437-1441
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    前に腹腔動脈撮影を施行しえた進行胃癌47症例につき, 血管造影所見と癌型の肉眼的分類, 組織分類, 手術術式との関係につき検討を加えた.胃癌血管像は主としてhypervascular typeで, 動脈相に種々な程度のencasement所見を認め多彩であった.手術術式との関係についてみると, 左胃動脈本幹ないし一次分枝に異常所見を認めた症例は, 単開腹症例では11例中9例 (81.8%), 胃腸吻合症例では6例中5例 (83.3%) であった.逆に切除可能症例についてみると非治癒切除症例7例中2例 (28.6%), 治癒切除症例23例中2例 (8.6%) であった.したがって, 左胃動脈本幹, 一次分枝に異常所見を認めなければ, 少なくとも切除可能症例であろうと思われた.
  • 新谷 清, 藤原 敏典, 小林 修, 守田 知明, 兼行 俊博, 中野 秀麿
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1442-1448
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    16例の肝障害例に対し, 術前に一般肝機能検査の他にICG Rmax, 50g OGTT, HPT, glucagon負荷後の血中cyclic AMPの反応等を可能な限り行って手術を施行した.その結果, 肝硬変合併肝癌での右葉切除と肝硬変による食道静脈瘤に対するmesocaval H shuntの各々1例が死亡したが, ICGRmaxは肝硬変では低値を示し, 死亡した2例のそれは各々0.61, 0.27であった.ICG RmaxはAlb, Ch.E, ZTT, HPT, R15, KICGと統計学的に有意の相関を示した.cyclic AMPの反応は疾患群間および同一疾患群内にもばらつきがみられたが, 手術予後を示唆する貴重な情報をもたらしたものもあり他の検査で手術適応の境界線上にあるときは有力な判定法になりうる.
  • 菅野 千治, 岡田 恒良, 後藤 芳則, 平田 善久, 小野寺 健一, 斉藤 和好, 森 昌造
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1449-1453
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれは過去23年間に経験した胆嚢癌切除症例を胆道癌取扱い規約に沿ってretrospectiveに分類検討したので若干の文献的考察を加えて報告する.胆嚢癌手術例は34例で, 切除例は18例, 切除率52.9%であった.治癒切除例は7例で, 治癒切除率は対切除患者の38.9%であった.Stage別ではI 5例, II 3例, III 5例, IV 5例で, Stage Iの1~10年生存率は100%と良好であった.Stage IIの1, 3年生存率は66.7%, 5年生存率は50%であった.Stage IIIには3年生存はなく, Stage IVになると1年生存もみられなかった.漿膜面浸潤度および壁深達度と予後の間には密接な関連がみられ, 胆嚢癌の進展形式を知り, 症例に応じた適切な手術術式の選択が重要と思われた.
  • 鈴木 英登士
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1454-1464
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    経十二指腸乳頭括約筋形成術後の括約筋機能廃絶の効果, ならびに吻合口の開存状態について内視鏡的に検索した.オリンパス光学製JF-B2, フランス製カメラBealieu 16Bを用い, 内視鏡下内測定には米国ミラー社製No.4 F (catheter pressure transducer) を使用した.41例中完全開口34例, 不完全開口7例であった.完全開口の吻合口径はX線上平均8.5mmと十分に大きく, また16mmシネフィルム分析の結果, 括約筋機能は完全に廃絶されていた.そして内圧測定により, 胆管内圧は十二指腸内圧を鋭敏に感受し, これに同調する傾向がみとめられた.形成術後の結石再発は皆無であり, 本法はその適応を選びさらに完全に遂行されるならば胆道ドレナージ法として, 極めて有効かつ安全な術式と思われる.
  • 重盛 憲三
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1465-1475
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌38例, 大腸腺腫32例, 家族性大腸腺腫症6例およびその家族5例を対象とし, さらに対照とした健常者10例について手術あるいは内視鏡下生検にてえた大腸粘膜を6~24時間器管培養を行いながらthymidine methyl-3Hの連続標識法にてradioautogramを作製し, 腺窩内細胞動態の観察を行った.正常大腸粘膜では標識細胞は腺窩下方に出現し, 時間の経過とともに腺窩上方へ移動していく.すなわち増殖帯は腺窩下方に存在した.腺窩の高さ, 腺窩の高さに対する最高位標識細胞の高さの比率, 標識率には大腸各部位に差は認められなかった.大腸癌では腺窩の上方, 表層を中心に標識細胞が分布し, 増殖帯がこの部位を中心に存在していた.標識率は正常粘膜に比べて有意に高値を示した.癌の移行部粘膜の細胞動態は正常粘膜と差がなかった.大腸腺腫の標識細胞は癌と同様に腺窩の上方, 表層を中心に分布し, 増殖帯はこの部位を中心に存在していた.標識率は正常粘膜より有意に高値を示したが, 癌との間には差がなかった.家族性大腸腺腫症腺腫の細胞動態は大腸腺腫と変らなかった.家族性大腸腺腫症およびその家族のflat mucosaの標識率は正常大腸粘膜と差がないが, 最高位標識細胞の高さは有意に高く, 細胞増殖帯の延長が考えられた.すなわち, 家族性大腸腺腫症のflat mucosaを腺腫の前段階としてみるならば, 腺腫の発生は増殖帯の腺窩底部から上方への延長として始まり, これに腺腫様変化が加わると考えられた.
  • 天目 純生, 高橋 正年, 笠原 小五郎, 若林 邦夫, 柏井 昭良, 松田 道生, 森岡 恭彦
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1476-1484
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    雑種成犬15頭を用い, 下行大動脈・下大静脈遮断後, 補助循環装置による腹部の15~20℃, 60分間の選択的冷却を行った.全例で選択的冷却は可能であり, 12頭の2週間生存犬を得た.生存犬では肝障害は軽微で一過性であった.
    腹部領域選択的冷却中, 冷却後に凝固系の活性化と二次線溶の発現がみられたが, self limitingなものであり, 遮断解除・プロタミン投与後比較的速やかに回復傾向を示した.
    本法による拡大膵切除実験では, 腹部が低温循環遮断下にあるため, 門脈遮断・切除・再建中の出血とsplanchnic poolinは軽度であった.9頭中5頭の2週間生存犬を得, 生存犬では肝・腎障害は軽度で一過性であった.
  • 島田 良昭, 原田 邦彦, 佐尾山 信夫, 谷木 利勝, 曽我部 仁史, 大嶺 裕賢, 井上 権治, 伊井 邦雄, 桧沢 一夫
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1485-1490
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 深井 泰俊, 吉田 英晃, 堀田 敦夫, 菊川 政男, 吉川 高志, 桜井 隆久
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1491-1495
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 森谷 行利, 渕本 定儀, 西原 幸一, 渡辺 哲夫, 樋口 康彦, 岩藤 知義, 米花 孝文, 小長 英二, 三村 久, 折田 薫三, 折 ...
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1496-1500
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 正敏, 安部 彦満, 籏福 哲彦, 森 昌造, 増山 仁徳, 豊島 秀彦, 安井 豊, 漆原 邦之
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1501-1505
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 大山 廉平, 橋本 敏夫, 丸谷 巌, 佐藤 正典, 藤田 博正, 中村 修三, 高野 真澄, 前田 耕太郎, 富田 濤児, 西田 一巳
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1506-1511
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 栗田 武彰, 福真 秀美, 村上 哲之, 佐々木 睦男, 今 充, 小野 慶一
    1982 年 15 巻 9 号 p. 1512
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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