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旭 博史, 渡辺 正敏, 阿部 正, 斉藤 功, 金 直樹, 森 昌造
1984 年 17 巻 10 号 p.
1803-1807
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃内pHの直接測定は胃分泌を具体的に知る方法としてきわめて優れている. われわれはtelemeteringを応用した胃内pH24時間連続測定を行い, Famotidine20mgあるいは10mg1日2回投与による健常人の胃内pHにおよぼす影響を検討した. 健常人の胃内pHは摂食時の上昇を除いて2前後で推移することが多かった. Famotidine投与により胃内pHの上昇が認められ, 深夜および日中のpHが高いレベルを示した. 平均H+activityの抑制率は20mg投与で72%, 10mg投与で70%を示し著明な胃酸分泌抑制効果を認めた. 血中ガストリンはFamotidine20mg投与で軽度上昇した. また, 血中セクレチンには変動がみられなかった.
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熊谷 一秀, 前川 勝治郎, 卜部 元道, 林田 康男, 竹添 和英, 城所 仂
1984 年 17 巻 10 号 p.
1808-1813
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
陥凹性早期胃癌の発育進展を検討するため, 癌巣の大きさと組織型との関係に加え占居腺領域による特性をみた. 対象は教室の単発陥凹性早期胃癌298例である. その結果, 占居腺領域を問わず分化型腺癌例は癌巣が大きくなるにつれ, sm癌の頻度が増し, 癌巣の大きさと深達度に関連性がみられたが, 未分化型腺癌例はそれらに相関関係は認められず, とくに中間帯領域に占居する未分化型腺癌例に顕著であった. 以上より, 分化型腺癌例の発育進展は同心円状進展が示唆されたが, 中間帯領域の未分化型腺癌例の進展に関しては, 多中心性発育も考慮に入れるべきものと考えられた.
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米村 豊, 沢 敏治, 片山 寛次, 松田 祐一, 嶋 裕一, 田中 茂弘, 松木 伸夫, 高島 茂樹, 宮崎 逸夫, 三輪 晃一
1984 年 17 巻 10 号 p.
1814-1819
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
残胃のリンパ流および残胃の癌のリンパ節転移をRIリンフォグラフィーと残胃の癌治癒切除例で検討した. 残胃のリンパ流は左胃動脈・脾動脈, 左下横隔膜動脈に沿うものが主体で胃癌取り扱い規約による1群と2群が等価値となり, 3群よりも4群リンパ節との関連が深い. B1法の胃・十二指腸吻合部位近傍では (12) (13) (14V) が, B2法の胃・空腸吻合部位近傍では (14V) へのルートがある. 食道胃接合部を越え食道浸潤を有する例では1・2群に加え左下横隔膜動脈周囲・縦隔リンパ節郭清が必要である. 以上より残胃癌では癌占居部位・再建法を考慮した合理的かつ重点的なリンパ節郭清が必要である.
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渡部 洋三, 津村 秀憲, 小島 一雄, 川島 利信, 工藤 猛, 巾 尊宣, 能美 明夫, 佐々木 浩, 大久保 剛, 矢吹 清隆, 佐藤 ...
1984 年 17 巻 10 号 p.
1820-1829
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
本研究の目的は, われわれがこれまで出血性潰瘍に対して行ってきた保存療法と外科療法の成績を分析し, その治療方針を再検討することにある. 対象は慢性出血性潰瘍152例とストレス潰瘍を含むAGML54例である. 保存療法のうちH
2受容体拮抗剤による間欠静注法の止血効果は, 軽症あるいは中等症の出血例に対しては80%以上の有効率であったが, 重症出血例に対しては30~50%と低い有効率であった. これらの無効例のうちAGMLの重症出血例に対しては, secretin 2U/kg/hの持続点滴法が有効であった. これら保存療法と内視鏡的止血法の組合わせにより, 外科療法の適応は, AGMLの重症出血の一部の例や, 穿孔あるいは狭窄をともなう慢性出血性潰瘍など限られてくる.
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三隅 厚信, 八木 泰志, 原田 和則, 本明 宜彦, 大地 哲史, 水本 誠一, 赤木 正信, 谷脇 孝, 久野 則明, 松岡 寿夫, 岡 ...
1984 年 17 巻 10 号 p.
1830-1835
発行日: 1984年
公開日: 2011/08/23
ジャーナル
フリー
十二指腸潰瘍に対する選択的近位迷切術 (SPV) 98例 (術後6ヵ月~6年経過) を対象として, その術後成績について臨床所見, 検査成績およびアンケート調査成績を検討して, 次の結果を得た.
減酸率はMAOで73.5%であり, 広切85.4%に比べてやや低いが, drainageの有無では差がない. 再発率は2.0%で広切の1.4%よりも高い傾向がみられ, drainage (-) 群には再発例はない. 術後愁訴は広切よりSPVことにdrainage (-) 群に多いが, 術後経過とともに減少し, 術式間に差がなくなる. 社会復帰, 就労状況は広切に比べて良く, drainage (+) 群よりも (-) 群で良好である.
SPVは術後の減酸および再発の点で広切よりも多少劣るが, 術後愁訴や社会復帰状況の面では良好であり, その適応を慎重に選べばかなり優れた術式であると思われる.
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久保 章, 川本 勝, 福島 恒男, 杉田 昭, 仲野 明, 石黒 直樹, 土屋 周二, 鴻丸 裕一
1984 年 17 巻 10 号 p.
1836-1840
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
回腸または回盲部の各種の切除により, 十二指腸内細菌叢がどのように変化するか検索した. 回腸切除例, 回盲部切除例では, 十二指腸液中総菌数, 嫌気性菌数は10
5~10
6/ml好気性菌数は10
3~10
5/mlと高値を呈し, 切除範囲あるいは回盲弁の有無による差は認められなかった. 回腸人工肛門造設例では, 総菌数, 嫌気性菌数は10~10
2/mlと低値を示した. このように回腸, 回盲部切除例では小腸内のbacterial overgrowthが認められるため, 術後blind loop syndromeの発現には充分留意して栄養管理を施行する必要が認められた.
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balloon-occluded hepatic arteriographyおよびpercutaneous transhepatic portographyの有用性について
木下 博明, 酒井 克治, 久保 正二, 井上 直, 井川 澄人, 広橋 一裕, 高島 澄夫, 中塚 春樹, 小野山 靖人, 佐藤 守男, ...
1984 年 17 巻 10 号 p.
1841-1850
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
原発性肝癌16症例の術前に一時的血流遮断下肝動脈造影法 (BOHA) および経皮経肝的門脈造影法 (PTP) を施し, これら血管造影法によってえられた腫瘍の進展範囲を従来の肝動脈造影像 (OHA), 経動脈性門脈造影像および切除標本と比較検討した. その結果, BOHAは腫瘍被膜, 被膜外浸潤および肝内転移巣の描出にすぐれており, またPTPは肝内門脈枝の分岐形態の把握, 門脈腫瘍塞栓および門脈側副血行路の診断に有用であった. したがってこれらの血管造影法は肝癌の手術適応や切除範囲の決定に重要な検査法であると考えられた.
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川浦 幸光, 魚津 幸蔵, 石田 文生, 平野 誠, 山田 哲司, 岩 喬
1984 年 17 巻 10 号 p.
1851-1855
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
肝門部胆管癌14例を対象として診断と治療につき検討した. 次の結果を得た.(1) 超音波検査 (US), CT断層 (CT), 経皮経肝的胆道造影 (PTC), 血管造影 (Angio) を総合判断しても, 胆管2次分枝を越える例, スキルス様進展をとる例では浸潤範囲を正確に同定できなかった.(2) PTCでは胆管浸潤は92.9%, 血管造影で肝転移が90%, US, CTで門脈浸潤, 肝内直接浸潤は75%の診断率であった.(3) 14例中根治術は3例のみであった. 1例は胆管切除術を, 1例に胆管切除兼膵頭十二指腸切除術を, 残り1例に右三区域切除術にて根治術可能であった.(4) 14例中3例に神経侵襲を認めた.(5) 12ヵ月以上生存例は3例のみであった.11例は6ヵ月以内に肝不全, 遠隔転移で死亡した.
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島山 俊夫, 香月 武人, 北村 儀雄, 近藤 千博, 崎浜 国治
1984 年 17 巻 10 号 p.
1856-1860
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃切除後胆石症の成因を明らかにする目的で, 術後急性胆嚢炎症例の検討, 迷走神経幹枝切断をともなう胃切除術前後の胆嚢機能の検討, 教室で治療した胃切除後患者の追跡調査, 胃切除術の既往を有する胆石症症例の分析を行った. 全幹迷切により胆嚢は弛緩・拡張するが, 収縮能はよく保たれていた. 胃切除術後胆石発生率はBillroth-I法形式再建例7.3%に比べてBillroth-II法形式再建例では22.2%と高かった. 胃切除後胆石症は男性に多く (男: 女=4.7:1) みられ, ビリルビン系石が多く, 総胆管胆石合併の頻度が高く (47.1%), 胆汁中有菌率も75%と高かった. 胃切除術後の胆石形成の主たる要因はBillrtoth-II法形式消化管再建に附随する十二指腸盲管, 胆汁うっ滞, 逆行性胆道感染などと推定される.
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上原 泰夫, 小島 治, 間島 孝, 西岡 文三, 藤田 佳宏, 高橋 俊雄
1984 年 17 巻 10 号 p.
1861-1864
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
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フリー
大腸癌患者30例において血清CA19-9値が測定され, その臨床的意義について検討が加えられた. 大腸癌患者の血清CA19-9値は365±239U/ml (Mean±SE) であり, 健常人のそれ (11±2U/ml) に比べ高値を示した. また, 病期進行とともに血清CA19-9値は高値となる傾向にあった. 血清CA19-9値は癌組織内CA19-9値と相関する傾向にあった. 血清CA19-9陽性率は37%であり, CEA (63%) やTPA (50%) のそれに比べやや低かった. 術後患者においては血清CA19-9値は担癌状態をよく反映すると考えられた. 以上, CA19-9は大腸癌において有用な腫瘍マ-カーとなりうると考られたが, 他の腫瘍マーカーとの併用がより有用と考えられた.
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加藤 知行, 近藤 三隆, 安井 健三, 加藤 王千, 落合 英一
1984 年 17 巻 10 号 p.
1865-1869
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
腹腔内に腫瘍が存在する大腸癌症例147例について開腹直後に洗浄細胞診を行った. その結果癌細胞の陽性率は腹膜播種 (以後Pと略す) ・腹水ともに (+) 100%, P (+)・腹水 (-) 58.3%, P (-)・姑息手術18.2%, P (-)・治癒手術5.5%で進行したものほどその陽性率は高かった. 細胞診の結果と予後との関係をみると, 姑息手術例の細胞診陽性例では53.3%に癌性腹膜炎の増悪をみたが細胞診陰性例では4.5%に癌性腹膜炎の進展をみたのみだった. 治癒切除例では細胞診陰性例に腹膜再発はなく, 陽性例では3例中1例ではあるが腹膜再発をみている. したがって細胞診陽性例では, 姑息手術例ではその後の癌性腹膜炎が増悪し, 治癒切除例では腹膜再発の危険性が高いものと考えられた.
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殿村 邦彦, 杉本 一好, 寺部 啓介, 亀井 秀雄, 近藤 達平
1984 年 17 巻 10 号 p.
1870-1874
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃癌症例61例, 大腸癌症例39例を対象としてallogeneicな腫瘍組織抽出液を抗原として, Leukocyte Adherence Inhibition (LAI) Testを行い術前, 術後のstage別陽性率, 再発癌症例の陽性率を求めた. 根治手術可能であった症例は術前のLAI陽性率は高く, 非根治手術に終った症例の陽性率は低かった. 再発癌症例でもLAI値陽性率は高く, 癌補助診断に有用と考えられた. 胃癌抗原に対する大腸癌症例のLAI値陽性率も比較的高く, 抗原の交差性も示唆された. 患者自己血清を加えLAI testを行うと陽性例が陰性化した. 患者自己血清中にblocking factorの存在が示された.
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戸倉 康之, 大石 俊明, 鈴木 敏生, 中村 真一, 関 惇
1984 年 17 巻 10 号 p.
1875-1878
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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加辺 純雄, 辻 康之, 柿原 稔, 河野 道弘, 初瀬 一夫, 門田 俊夫, 黒川 胤臣, 田巻 国義, 平出 星夫, 三村 一夫, 玉熊 ...
1984 年 17 巻 10 号 p.
1879-1882
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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本邦報告例の検討
古川 敬芳, 菊池 俊之, 谷口 徹志, 原 壮, 竜 崇正
1984 年 17 巻 10 号 p.
1883-1886
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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草島 義徳, 加藤 真史, 伊藤 雅之, 小西 一朗, 小西 孝司, 藤田 秀春, 宮崎 逸夫, 岡田 保典, 重田 浩一, 中瀬 真一
1984 年 17 巻 10 号 p.
1887-1890
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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三輪 晃一, 礒部 芳彰, 藤沢 克憲, 新本 修一, 木下 元, 小島 靖彦, 嶋田 紘, 中川原 儀三, 吉村 光生
1984 年 17 巻 10 号 p.
1891-1895
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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自験5例を中心に
金沢 学秀, 佐竹 克介, 李 在都, 長山 正義, 梅山 馨, 青木 豊明, 川田 普亮
1984 年 17 巻 10 号 p.
1896-1899
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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永瀬 勉, 渡部 洋三, 佐藤 浩一, 林田 康男, 前川 武男, 城所 仂
1984 年 17 巻 10 号 p.
1900-1903
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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伊豆蔵 正明, 中尾 量保, 宮田 正彦, 長谷川 利路, 奥村 賢三, 沢田 道雄, 川島 康生
1984 年 17 巻 10 号 p.
1904-1907
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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鈴木 範男, 酒井 克治, 木下 博明, 広橋 一裕, 山崎 修
1984 年 17 巻 10 号 p.
1908
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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長島 通, 竜 崇正, 渡辺 義二, 山本 義一, 山本 宏, 有我 隆光, 小高 通夫, 佐藤 博, 恒元 博, 石川 達雄
1984 年 17 巻 10 号 p.
1909
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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三品 寿雄, 草島 勝之, 小松 作蔵
1984 年 17 巻 10 号 p.
1910-1913
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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村上 弘治, 森 昌造, 石田 薫, 岡本 和美, 大津 友美, 鈴木 克, 新津 頼一, 大浪 優二, 菅原 智
1984 年 17 巻 10 号 p.
1914-1917
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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山名 秀明, 掛川 暉夫, 岩本 元一, 陳 哲明, 植田 正信, 坂本 和義
1984 年 17 巻 10 号 p.
1918-1921
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
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岡 正朗, 石上 浩一, 村上 卓夫, 水田 英司, 三井 俊明, 正木 康史, 丹黒 章
1984 年 17 巻 10 号 p.
1922-1925
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
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平澤 博之, 小高 通夫, 小林 弘忠, 田畑 陽一郎, 大川 昌権, 添田 耕司, 織田 成人, 小林 進, 室谷 典義, 磯野 可一, ...
1984 年 17 巻 10 号 p.
1926-1929
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
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佐野 文男, 葛西 洋一, 樟本 賢首, 五十嵐 究, 真鍋 邦彦, 吉本 正典, 圓谷 敏彦, 西田 修
1984 年 17 巻 10 号 p.
1930-1934
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
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小野 由雅, 鶴丸 昌彦, 渡辺 五朗, 秋山 洋
1984 年 17 巻 10 号 p.
1935-1938
発行日: 1984年
公開日: 2011/03/02
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