日本消化器外科学会雑誌
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17 巻, 8 号
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  • 是永 大輔, 亀川 隆久, 岡村 健, 神代 龍之介, 井口 潔, 古沢 元之助, 恵良 昭一, 野田 尚一, 松坂 俊光
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1501-1506
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    早期胃癌1,010例のうち, リンパ節転移を有する10例のm癌について, 臨床病理学および核desoxyribonucleic acid (DNA) 量分布パターンより検討した. 40~60歳台の女性が多く, 胃中部で長径2.0cm以上の陥凹型未分化型腺癌が多かったが, 隆起型も2例認められた. n1 (+) 7例, n2 (+) 2例, n3 (+) 1例であり, 開放性潰瘍合併例4例, 瘢痕合併例1例, 非合併例5例であった. また, n2, n3 (+) の3例はUI-IVの潰瘍をともなっていた. 核DNA量分布パターンはいずれも分散幅の狭いII型であった. 一方, R2, R3の郭清が施行された6例は治癒切除例であるが, R0, R1の4例では半数が非治癒切除例であった. 以上より, たとえm癌でも, R2以上の郭清を行う外科治療が必要と考えられた.
  • 尾崎 正彦
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1507-1516
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌転移リンパ節の術前CT診断を目的として胃癌123例 (plain CT単独74例, dynamic CT併用49例) を対象に, plain CTとdynamic CTによる診断について比較検討した. 局在診断では, plainCT単独例の正診率が88.5%に対しdynamic CT併用例では92.0%と診断率が向上した. 描出リンパ節を形状からsolitary typeとmassive typeとに分類した. solitary typeではCT上の大きさから組織学的転移の有無は診断できなかったが, massive typeでは94.6%が転移リンパ節であった. さらに, 描出リンパ節をdynamic studyによりenhanced type, nonenhanced typeに分類した.enhanced typeでは81.5%が転移 (-) であるのに対し, nonenhanced typeでは, 98.0%が転移リンパ節であり, dynamic CTの有用性が明らかとなった.
  • 鈴木 博孝, 遠藤 光夫, 鈴木 茂, 長谷川 利弘, 喜多村 陽一, 斉藤 早苗, 新井 稔明, 山下 由起子
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1517-1526
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    早期胃癌のリンパ節転移と郭清を検討した. 早期胃癌1,019例中リンパ節転移はn1 (+) 75例, n2 (+) 28例, n3 (+) n4 (+) 各1例の105例10.3%に認められ, m癌で3.6%, sm癌で16.9%であった. 転移と関係する因子はsm癌, 50歳未満の女性. 大きさ4cm以上, 肉眼型でIIa+IIc型, 組織型でpor.pap., 脈管侵襲陽性であった.占居部別の差はない. 累績生存は5生率92.9%, 10生率82.2%である. 生存率からみると, sm癌はm癌より不良, n (+) 群はn (-) 群より不良であるが, R2郭清はn (-), n (+) にかかわらず予後良好であった. リンパ節転移, 関係因子ならびに生存率からみて深達度, 転移の有無と脈管侵襲が不明な状態では原則としてR2郭清が適応と考えられた.
  • 小野 二六一, 島山 俊夫, 指宿 一彦, 児玉 吉明, 迫田 晃郎, 香月 武人
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1527-1531
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    慢性活動性肝炎 (CAH) 合併例における手術の予後に対するCAHの影響を検討した. CAHは手術時の肝生検にて病理組織学的に診断した. 胃・胆道疾患5例, 門脈圧亢進症9例であった. 病理組織学重症度をRappaportのZone分類にしたがい, 術後の合併症との関連を検討した. 術後合併症は, 57%にみられ, 血清GOT, GPTの上昇, 高アミラーゼ血症, 腹水, 胸水, 横隔膜下膿瘍そして肝不全などがあり, 3例の死亡をみた. 病変がZone3すなわちcentrilobular areaまで及ぶ程合併症がみられる傾向にあった. 門脈圧亢進症では, 特にα-グロブリンの変動が著しいほど合併症の発生をみた. 以上, CAH合併例では, 手術に際し慎重な配慮の必要性が示唆された.
  • 中西 昌美, 佐野 秀一, 北野 明宣, 石黒 敏史, 葛西 洋一
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1532-1536
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    原発性肝癌の転移の病態およびリンパ節郭清の必要性に関し, 病理剖検輯報および当科で経験した肝癌手術例35例, 剖検例28例の遠隔転移を検討し, 次の知見をえた. 日本病理輯報からえた全体の転移率は約70%で肺が最も多く, ついでリンパ節, 副腎, 門脈の隣接臓器が多い, 当科における肝癌手術例の他臓器転移率は20%, リンパ節転移率は14%, 剖検例ではそれぞれ71%, 61%であるが, 両者ともT3・T4症例がT1・T2症例に比しリンパ節転移率が有意に高い. 剖検例においては高率に近接するリンパ節転移が認められることより, 原発巣切除に加え, 12番, 13番のリンパ節郭清を含めた肝切除を行なうことが根治性の上で重要と考えられる.
  • 村山 裕一
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1537-1545
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    51例の閉塞性黄疸症例につき術前血清胆汁酸分析および術後血清総胆汁酸濃度 (TBA) の変化を検査し, 術前後の臨床経過, 各種肝機能検査値と比較検討した. 術前血清コール酸濃度11μg/ml以下, CA/CDCA比1.1以下の症例に死亡例が有意に多く, 肝細胞障害が強く疑われた. TBA減少過程を3群に分類し減黄効果と比較すると, 減少良好なA群は不良なC群に比べ減黄良好な傾向であったが, 各群間に有意差は認めず, TBA変動パターンで減黄効果を予測することは難しかった. TBA変動パターン悪化にともない合併症や死亡例が有意に増加し, 減黄率b値と組み合わせることにより術後経過の予測は一層鋭敏となった.
  • 寿山 博武, 山田 和彦, 児玉 好文, 北国 敏, 中村 雅晴, 能見 雅彦, 大山 崇, 迫田 晃郎, 平 明
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1546-1550
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    減黄術 (percutaneous transhepatic biliary decompression 54例, 胆道外瘻造設術11例) を施行した悪性腫瘍による閉塞性黄疸65例について種々の検討を行ったが, とくに減黄術後早期死亡 (24±14日以内) が17例 (26.1%) と高率であったことから, 予後不良因子について検討し以下の結果を得た.(1) 減黄術による種々の合併症が減黄術後早期死亡群では23.5%~35.3%と高率であり, これらの合併症が成績に大きく影響した.(2) 減黄前の病態や臨床検査成績から, 血清総ビリルビン値が25mg/dl以上, BUN/creatinine比が11以下の2因子の他に体重減少 (>10%), 胆管炎 (38℃ 以上の発熱, WBC>10,000), 腹水, 消化管出血およびStage IVの進行癌などの因子が成績を不良にしたと考えられた.
  • 宮崎 勝, 藤本 茂, 志村 賢範, 遠藤 文夫, 菅沢 寛健, 高橋 修, 栗原 正利, 河田 滋, 越川 尚男, 宇田川 郁夫, 奥井 ...
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1551-1556
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    プロスタグランディンE1 (PG) の障害肝の肝切除時における保護効果を基礎的に検討した. ラットを用い肝動脈よりMMC 1.6mg/kg注入, およびD-Galactosamine (D-Gal) 800mg/kg投与の2種の障害肝を作製し, 24時間後に各々68%肝部分切除を施行した.(1) SGOT, SGPTは障害肝切除後著増するが. PG群で軽減傾向を認めた.(2) 肝切除後DNA合成能は両障害肝共にPG群で有意の充進を示した (p<0.05).(3) 肝切除後生存率ではD-Gal投与群で肝切後3, 6, 6日においてPG群が有意の高い生存率を示した (p<0.05). 以上よりPGE1が障害肝の肝切除において肝細胞を保護し, 切除後のDNA合成が抑制されず, 円滑に行われるものと考えられた.
  • 蛍光強度測定器を用いた客観的な判定について
    佐々木 勝海
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1557-1565
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Thiry-Vella loop型の低血流量虚血腸管モデルを作製し, Fluorescein-Na10mg/kg静注後の腸管壁の螢光発光形態の観察と蛍光強度測定器を用いた蛍光強度の測定により, 虚血腸管の生存性および吻合の安全性を検討した. 腸管壁蛍光発光形態は蛍光の強さによりI型・II型a・II型b・III型と分類された.蛍光強度は血流量と対応する傾向がみられ, 正常腸管壁蛍光強度との比であるFluorescent index value (以下F. I.値と略す) はそれぞれ0.88±0.15, 0.67±0.16, 0.37±0.12, 0.11±0.08を示し, 慢性実験および腸管吻合実験にてI型・II型aの部位およびF. I.値0.5以上を示す部位には, 生存性と吻合に際しての安全性のあることが判明した.
  • 抗菌剤併用投与の効果について
    丸山 洋
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1566-1573
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸手術308例に施行された各種術前腸管処置法を比較検討した. 好気性菌に対しKanamycin, Tobramycin, Polymyxin-Bのいずれかを, 嫌気性菌に対しMetronidazole, Clindamycin, Tinidazoleのいずれかを投与する2剤併用群で有意 (P<0.05) に術後感染は減少した. またPolymyxin-B投与後の糞便中Enterobacteriaceaeの70%, Clindamycin投与後のBacteroidaceaeの50%は耐性菌となった. 一方E. coliとB. fragilisを腹腔内に感染させたラットではTobramycin, Clindamycin併用治療により死亡率が100%から40%へと低下した. これらのことより術前腸管処置には術後使用頻度の少ない抗生剤の2剤併用投与が, 術後には嫌気性菌も考慮した予防的抗生剤投与が望ましいことが示唆された.
  • 冨田 隆, 田矢 功司, 島村 栄員, Masahiro NAKAI, 岡田 喜克, 岩崎 誠, 五嶋 博道, 吉田 洋一
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1574-1578
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌治癒切除例のうち手術時隣接臓器への浸潤が認められ他臓器合併切除を施行したものは17.2% (10/58) で, 長期生存は3年10ヵ月, 2年6ヵ月の2症例であるが, 局所再発や播種性腹膜炎による死亡は2例のみで, 合併切除の有効性を示すものと思われた.
    肉眼的他臓器浸潤例のうち組織学的に癌浸潤は57.1%にみられ, 他の42.9%は結合織や膿瘍形成による炎症性癒着であった. とくに膿瘍形成例でその内腔に癌細胞が浮遊し, 相手臓器まで膿瘍腔が連続進展していることから癌浸潤が考えられた. したがって炎症性癒着といえども癌直接浸潤を考慮すべきである.
  • とくに多発癌と単発癌の相違について
    今西 築, 多淵 芳樹, 中江 史朗, 川崎 浩史, 中村 毅, 大山 正, 瀧口 安彦, 村山 良雄, 斉藤 洋一
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1579-1586
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去14年間に教室で経験した大腸多発癌18例と単発癌291例を対比し, 多発癌の背景因子と臨床的・病理学的な特徴について検討を加え, 以下の結果と結論を得た.
    同時性多発癌は14例 (4.8%), 異時性多発癌は4例 (1.4%) であった. 背景因子として, 性・年齢・遺伝性素因並びにポリープ合併頻度が, 癌病巣の臨床病理学的所見として, 発生部位・肉眼型・深達度・組織型において多発癌と単発癌との間に生物学的な差があることを報告した. 同時に大腸多発癌について上のべについても文献的な考察を加え言及した.
  • SU-PS反応を用いた検討
    春日 正己, 咲田 雅一, 土井 正樹, 下間 正隆, 鈴木 源一, 玉井 政材, 蔭山 典男, 今城 茂良, 藤田 佳宏, 間島 進
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1587-1594
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌, 大腸癌124例を対象として, SU-PS反応の反応性によりOK-432の有効性を把握できないかと考えて, SU-PS反応の術前術後の推移, 免疫学的パラメーターとの相関, SU-PS反応の反応性と予後について検討した. 1) 胃癌・大腸癌の病期が進むにつれてSU-PS反応は低下する傾向にあり, OK-432の投与後にSU-PS反応の増強がみられた. 2) OK-432が20KE以上投与された42症例をSU-PS反応の反応性によりresponder (26例) とnonresponder (16例) に分類すると, responder群ではPPDPHA反応が良好で, IAP値はnon responder群で高かった. 3) 非治癒切除・非切除例の予後はresponder群で良好であった. 以上よりSU-PS反応によりOK-432の有効例が選別できる可能性が示唆される
  • 24時間食道pH測定による病態の把握
    橋本 創, 中尾 量保, 宮田 正彦, 坂口 寛正, 坂本 嗣郎, 田中 康博, 川島 康生
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1595-1598
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 石田 薫, 森 昌造, 鈴木 俊輔, 菊地 信太郎, 小保内 寿人
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1599-1602
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 高見 宏, 吉川 澄, 伊藤 篤, 坂口 寛正, 中村 哲郎
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1603-1606
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 竹中 博昭, 中尾 量保, 宮田 正彦, 藤川 正博, 橋本 創, 津森 孝生, 大西 健二, 川島 康生
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1607-1610
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 栗山 洋, 張 士文, 梅下 浩司, 明石 英男, 水本 正剛, 青木 行俊
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1611-1614
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • および本邦報告例の統計的観察
    大西 和彦, 淵本 定儀, 米花 孝文, 飽浦 良和, 紙谷 晋吾, 浜田 史洋, 折田 薫三
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1615-1618
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 原 一郎, 麦谷 圭一郎, 平井 真実, 土屋 喜哉, 天野 純治, 松林 冨士男
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1619-1623
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 雷 哲明, 谷浦 博之, 河野 仁志, 中村 輝久, 長岡 三郎
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1624-1627
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 到達経路と切除範囲・リンパ節郭清
    磯野 可一
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1628-1631
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 到達経路と切除範囲, リンパ節郭清
    粟根 康行
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1632-1635
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 再建術式と術後機能
    掛川 暉夫, 山名 秀明, 岩本 元一, 陣 哲明, 植田 正信
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1636-1640
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 岡川 和弘, 窪田 剛, 塩崎 均, 小川 道雄, 小川 嘉誉
    1984 年 17 巻 8 号 p. 1641-1644
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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