日本消化器外科学会雑誌
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19 巻, 8 号
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  • 特に胃内容排出時間の検討
    白羽 誠, 泉谷 良, 松本 博城, 河村 正生, 須藤 峻章, 寺田 益士
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1683-1688
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道再建に用いた亜全胃の排出能をみるために, 99mTc-Sn colloidによる胃管内容排出時間を測定した.術後1~2ヵ月と6ヵ月以上の23例 (後縦隔11例, 胸骨後経路12例) の胃内容排出曲線, 50%排出時間, 幽門形成術付加の影響, 術後摂食状況などについて検討した.その結果, 胃内容排出曲線は, slow, delayed, rapid typeの3型に大別できた.後縦隔では胸骨後に比べ排出時間は遅延した.幽門形成術付加の有無による排出時間に有意差はなかった.術後摂食状況は, slow, delayed, rapid typeの順に愁訴は少なかった.胸腔内再建胃管に食物が停滞すればする程, 愁訴が増すと考えられ, 食物移送を重視した, より細い胃管が望ましいと推察された.
  • 近藤 高志
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1689-1698
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病および非糖尿病例122例を対象に胃切除後の耐糖能の変化を検討した.O-GTTでは非糖尿病群で耐糖能悪化, 高IRI反応となるが, 糖尿病群は耐糖能の改善, インスリン初期分泌の上昇をみた.IRGは術後高反応を示し, 両群に差はなかった.iv-GTTでは非糖尿病群の耐糖能悪化, IRI反応低下に対し, 糖尿病群では耐糖能, IRI反応は不変であった.非糖尿病胃全摘後O-GTTの経時的変化は, 術後1週では比較的平たんな血糖曲線となった.その後徐々に急しゅんとなり, 6ヵ月以後著しいoxyhyperglycemia型を持続した.糖尿病例O-GTTでの耐糖能改善は, 胃切除後の体重減少によるインスリン感受性改善とインスリン分泌改善によると考えられた.
  • 種村 広巳, 田中 千凱, 伊藤 隆夫, 大橋 広文, 佐治 董豊, 古田 智彦, 松村 幸次郎, 東 修次, 河田 良, 深田 代造, 坂 ...
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1699-1705
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    噴門部癌 (E-G junctionの上下2cm以内に癌の中心を有するもの) についての特殊性を検討する日的で, 広範進展例を除く胃癌手術例891例を噴門部癌, 上部, 中部, 下部胃癌に分け, 性別, 年齢, 手術結果, 予後について検討し以下の結論を得た.1) 噴門部癌は高齢の男性に多い.2) 分化型腺癌が多く, 漿膜浸潤 (72.2%), リンパ節転移 (77.8%) が高率にみられ高度進行例が多い.3) 腫瘍径の比較的小さい症例でもすでに漿膜浸潤 (62.5%), リンパ節転移 (62.5%) がみられ高度進行例が多い.4) 噴門部癌の5生率は治癒切除例でも30.3%と他領域胃癌に比べ不良で, 食道浸潤例の5生率は23.0%とさらに不良である.
  • 岩佐 善二, 犬房 春彦, 高木 宏己, 田中 晃, 中村 哲彦, 福原 毅, 安富 正幸
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1706-1710
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌のestrogen receptor (以下ER) を細胞組織化学的に検討することは胃癌の組織発生・増殖・進展とホルモン環境との関係を解明するために重要である.そこで原発胃癌140例を対象としてPAP法 (Peroxidase anti-peroxidase;以下PAP) によるER染色法を行い免疫組織化学的に検討した.全胃癌の陽性率は16.4%で, 女性で閉経後に多い傾向である.癌型別では3型28.2%と最も多く, 2型, 4.型, 0型の順であり, 組織型別では分化型が未分化型の約2倍の頻度であった.ERの細胞内局在性は細胞質に比べて核に局在する頻度が低く, ERの臓器特異性が認められ胃癌に対する内分泌療法の有効率はきわめて低いものと考えられる.
  • 竹下 公矢, 神戸 文雄, 丸山 道生, 越智 邦明, 砂川 正勝, 羽生 丕, 遠藤 光夫
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1711-1717
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去20年間に経験した胃膠様腺癌44例について, その臨床病理学的特徴を明らかにする目的でほかの組織型を示す胃癌切除例との比較検討を試みた.膠様腺癌はBorrmann 1型, 幽門腺領域を占める頻度が高いなど分化型癌に類似している反面, 若年者に多く, 癌巣も大きいため切除断端浸潤陽性例も多かった.膠様腺癌の予後は不良であるが, これは主に治癒切除率が低いこと, ps (+) 例の多いことに起因した.膠様腺癌の転移リンパ節の組織像は, 原発巣の粘膜層もしくは粘膜下層の組織像と高率に一致した.また胃壁内組織像をみると, 粘膜層から粘膜下層まで膠様腺癌が優位のものは半数未満であるが, 固有筋層以下では多数例で膠様腺癌が優位であった.
  • 円錐型金属片を使った肝切除について
    才津 秀樹, 奥田 康司, 佐藤 光治, 中越 完平, 浜崎 恵, 溝口 博保, 広瀬 直樹, 浦口 憲一郎, 矢野 真, 三好 敦生, 野 ...
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1718-1725
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝切除に際して, 切除すべき脈管と残さなければならない脈管を十分に認識しつつ切除をすすめることは少なからず困難である.
    われわれは7×3mmの円錐型金属片を考案し, これに糸をつけ肝切除時ポイントとなる部位に, 超音波映像下に穿刺留置しておき, 金属片に向って糸に沿い肝切除をすすめるようになり, さらに安全かつ正確な肝切除が可能となった.肝細胞癌3例, 胆嚢癌1例, 肝門部胆管癌2例の計6例に使用したが極めて有用であった.なお, 金属片は超音波ではcomet signを伴なったstrong echoとしてとらえられ, 十分鑑別が可能であった.
  • 成広 朗
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1726-1733
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    硬変肝切除後早期に予想される, 肝に対するインスリン作用の低下の機序を検討するために, ラット正常肝および硬変肝切除後早期のインスリンレセプターおよびインスリン分泌能の変動を検討した.その結果, 正常肝切除後にはinsulinogenic indexの上昇が12~48時間でみられた.一方インスリン特異結合能は24時間で低下し, 48時間で回復傾向にあった.硬変肝切除後にはinsulinogenic indexは24時間で正常肝切除後ほど上昇しなかった.一方インスリン特異結合能は正常肝切除群より低下し, 48時間でも回復がみられなかった.以上の結果より, 硬変肝切除時には正常肝切除時に比べ, インスリン感受性の低下があり, またインスリン分泌能の低下も疑われた.
  • 冨岡 勉, 井沢 邦英, 土屋 涼一, 原田 昇, 吉野 寮三, 角田 司, 野田 剛稔, 山口 孝, 山本 賢輔, 林 邦昭, 森 宣, ...
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1734-1742
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する術前肝動脈塞栓術施行例25例と非施行例23例の病理学的検索を行った.スポンゼル単独使用群8例と, 抗癌剤併用群17例とは壊死率に差はなく, 手術を前提として肝動脈塞栓術を行う場合塞栓物質のみにて肝動脈塞栓術を行い早期に腫瘍を含む硬塞病変の切除を行うべきものと考えられた.
    壊死組織の診断には鍍銀染色が有用であり, 完全壊死例を含め肝細胞癌として特徴を示すものが多く診断価値があるものと考えられた, また肝動脈塞栓術から手術までの期間による組織修復過程は, 形態学的に経時的なパターンを示さなかった.これは結節の大きいものは修復過程の遅延が起るものと考えられた.
  • 松本 文夫
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1743-1752
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸27例につきPTCD後の胆汁中胆汁酸を測定し, 10例につき胆汁酸 (CDCA) 負荷試験を行って, 減黄効果や臨床経過と比較検討した.胆汁中総胆汁酸排泄量は, 黄疸例では非黄疸例にくらべ低値をとり, また, 減黄効果および胆汁中ビリルビン量と正の相関がみられた.胆汁中胆汁酸が0.5mg/ml以下, 300mg/day以下では予後不良で, 重篤な肝障害が示唆された.胆汁酸負荷による血中消失曲線をみると, 非黄疸例, 減黄良好例, 減黄不良例の相違が的確にとらえられ, 減黄不良例では抱合型胆汁酸の直線的増加が特徴で, 肝からの排泄障害の残存が推測された.PTCD後の減黄効果を早期に予測するうえで, 胆汁酸負荷試験の成績は良い指標となること考えられた.
  • 青木 洋三, 山口 和哉, 川口 富司, 嶋田 浩介, 上田 耕臣, 川嶋 寛昭, 勝見 正治
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1753-1758
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    pinhole collimator装着胆道シンチグラフィーを用いて胆石症術後89例の胆汁排泄動態を観察した.旁乳頭憩室併存例はこの内の11例, 12.4%で, 特に原発性胆管結石例では7例中3例, 42-9%と高率に合併した.胆道シンチグラフィーから得られたtime-activity curveをもとに胆道末端部から十二指腸への胆汁排泄能を胆道末端部におけるradioactivityの減衰率で表現すると, 胆嚢結石, 胆嚢逸脱胆管結石例では憩室の有無で差がないのに, 原発性胆管結石例では憩室合併例で著明に低下していた.これらの結果は, 旁乳頭憩室が胆道末端部括約筋機能に影響を与え, 胆汁のうっ滞, ひいては胆管結石形成の一因たりうることを推察させるものであった.
  • 吉松 信彦
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1759-1767
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆嚢粘膜の化生性変化と胆嚢癌との関係を検討する目的で胆嚢癌33例, 慢性胆嚢炎162例の手術摘出胆嚢を病理形態学的に検索した.胆嚢癌非癌部粘膜と慢性胆嚢炎粘膜に出現した化生性細胞の出現頻度は杯細胞がそれぞれ25例 (75.8%), 89例 (54.9%), パネート様細胞が18例 (54.5%), 50例 (30.9%), 基底顆粒細胞27例 (81.8%), 54例 (33.3%), ガストリン陽性細胞16例 (48.5%), 21例 (13.0%), 偽幽門腺31例 (93.9%), 134例 (82.7%) であった.胆嚢癌非癌部粘膜では, 化生性変化が高度であり, 特に基底顆粒細胞, ガストリン陽性細胞が高頻度に認められ, 両者を有する化生性変化と胆嚢癌の密接な関係が示唆された.
  • 平田 公一, 白松 幸爾, 秦 史壮, 桂巻 正, 斉藤 哲夫, 小林 謙二, 早坂 滉
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1768-1773
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    昭和41年4月から昭和59年4月までに経験した膵嚢胞36症例について, 仮性嚢胞と真性嚢胞に分け, 外科治療・臨床経過 (当科治療後1年以上観察) について検討した.仮性嚢胞28例中25例に, 真性嚢胞8例中6例に外科治療を施行した.両嚢胞に対する手術術式としては原則として切除術としているが, 前者で5例 (20%), 後者で4例 (67%) となっている.なお術式選択において背景病変としての慢性膵炎存在の有無に関する診断が重要となる.術後経過については良好・軽快症例が大部分を占めたが, 仮性嚢胞に3再発症例を, 真性嚢胞に膵癌の合併あるいは2年後発生例を認めるなど, 反省あるいは留意すべき症例があった.
  • 橋本 創, 中尾 量保, 宮田 正彦, 津森 孝生, 浜路 政靖, 石川 士郎, 房本 英之, 川島 康生
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1774-1777
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 小林 雅夫, 田中 承男, 稲葉 征四郎, 山岸 久一, 井口 公雄, 宇根 郁夫, 糸井 啓純, 浜田 春樹, 岡 隆宏, 杉原 洋樹, ...
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1778-1781
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 神谷 順一, 二村 雄次, 早川 直和, 長谷川 洋, 山瀬 博史, 岡本 勝司, 岸本 秀雄, 近藤 哲, 塩野谷 恵彦
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1782-1785
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 磯野 可一
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1786-1790
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 切除と郭清
    阿保 七三郎
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1791-1795
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 藤巻 雅夫
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1796-1800
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 三富 利夫
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1801-1805
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 安藤 暢敏
    1986 年 19 巻 8 号 p. 1806-1810
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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