-
河野 辰幸, 吉野 邦英, 滝口 透, 山崎 繁, 妙中 俊文, 下重 勝雄, 鈴木 知行, 永井 鑑, 遠藤 光夫, 渋沢 三伸
1987 年 20 巻 1 号 p.
1-6
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
咽頭喉頭食道摘出術後遊離空腸移植による再建を行った7例を対象とし, 移植空腸および残存食道運動につき検討した. 静止圧では上部食道括約機構に相当する昇圧帯が認められず, 移植空腸部分は大気圧に近い値を示した. 空腸の空腹期自律運動は検査時間の27%にみられ, そのうち48%は肛門側への伝播を示す規則性のある連続性収縮波であった. この出現時間は術後経過期間とともに低下する傾向を示し, また食事中の連続性収縮波はまれで, 本来の空腸運動周期に類似していた. 移植空腸の静止期, 自律運動期にかかわらず嚥下による移植空腸内の伝達性陽性波は観察されなかったが, 残存食道の運動はほぼ正常のパターンを示した.
抄録全体を表示
-
木下 榮一, 二川 俊二, 斉藤 実, 大浦 慎祐, 大橋 薫, 平出 康隆, 深沢 正樹, 別府 倫兄, 杉浦 光雄
1987 年 20 巻 1 号 p.
7-14
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
1979年から1984年12月までの間に順天堂大学第2外科で行った内視鏡的硬化療法94例の長期予後について, 同時期に施行した246例の経胸食道離断術 (杉浦法) の予後と比較検討した. 内視鏡的硬化療法群では1ヵ月以内死亡10.6%, 4年累積生存率46.9%であるのに対し, 経胸食道離断術群では術死4.5%, 4年累積生存率74.8%であった (p<0.05). Child分類別, 時期別累積生存率や止血効果についても, 内視鏡的硬化療法より経胸食道離断術 (杉浦法) の方が成績良好であった. 内視鏡的硬化療法は手技も簡単で容易に施行されうるが, 経胸食道離断術と比較し, その効果は現在のところ, 不十分でその長期予後も不良であった.
抄録全体を表示
-
山田 明義, 小林 誠一郎, 佐藤 裕一, 杉山 明徳, 井手 博子, 村田 洋子, 奥島 憲彦, 室井 正彦, 羽生 富士夫, 遠藤 光夫
1987 年 20 巻 1 号 p.
15-22
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
表在陥凹食道癌36例のX線像を分析し, 4型に亜分類し, その臨床的意義を検討した.
陥凹Iは平滑な隆起の表面に淡い綿雲状のバリウム斑として陥凹が描かれるもので, 全例が早期癌で予後も良好であった.
陥凹II-1は平滑な周堤をゆうするもので, 混合型の1例を除き早期癌であった. 脈管侵襲を有する症例2例で再発がみられた.
陥凹II-2は不整像の強い周堤を有するもので, すべての症例に, リンパ節転移がみられ, 最長生存期間も2年6ヵ月で, 予後は悪い.
陥凹IIIは周堤がないか, わずかに認められるもので, 表在平担型との境界域の浅いもの, 微小癌以外はリンパ節転移を認め予後も悪い.
抄録全体を表示
-
高木 巌, 国島 和夫, 陶山 元一, 篠田 雅幸, 松永 信, 渡辺 裕介, 横山 隆, 住吉 健一, 吉田 穣
1987 年 20 巻 1 号 p.
23-28
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胸部食道癌に対し非開胸食道抜去術を施行した26例を対象にその意義について検討した. 切除対象は反回神経麻痺例などの明らかな姑息切除例5例を含み, ほとんどがpoor risk症例であったにもかかわらず, 治療成績は比較的良好で直死0, 5生率36.9%であった. 反面, 癌遺残例が4例, 術中大出血例が2例あり, それらはすべてIu下部Im上部症例であった. 非開胸食道抜去術は胸部食道癌にも応用しうる術式であるが, 胸部食道癌根治術におけるリンパ節郭清の意義を追求している現在, 対象はIu下部Im上部にかからない症例で開胸開腹による切除再建が術前検査所見上難しいと判断されたpoorrisk症例か, リンパ節郭清の意義が少ない姑息切除例に限定すべきである.
抄録全体を表示
-
浜副 隆一, 古賀 成昌, 前田 迪郎, 清水 法男, 金山 博友, 池田 芳明, 井上 康裕, 沢田 隆
1987 年 20 巻 1 号 p.
29-33
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃癌91例と胃十二指腸良性疾患19例の計110例において, TPA, CA19-9, CEA, IAPの4種の腫瘍マーカーを同一血清にて測定し, それぞれのsensitivity, specificity, diagnostic accuracyを胃癌の進行度別に比較検討した. TPAのsensitivityはCEAのsensitivityより (p<0.001), CA19-9のspecificityはTPA, IAPのspecificityより (p<0.03, p<0.01) 有意に高かった. TPAのdiagnosticaccuracyは, stage III~IVと非切除・再発胃癌ではそれぞれ67.2%, 83.3%で, CEAにおけるより有意に (p<0.02) 高かった. combined assayではTPAとCA19-9の組み合わせが最も優れていた. 以上より, TPAとCA19-9がCEAやIAPと同等, あるいはそれ以上の価値をもつ胃癌の腫瘍マーカーになりうる可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
田村 聡, 岡本 尭, 本橋 久彦, 石橋 信, 河原 悟, 増沢 千尋, 武宮 省治, 杉政 征夫, 西連寺 意勲, 麻賀 太郎, 小林 ...
1987 年 20 巻 1 号 p.
34-39
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
Borrmann4型胃癌164例を対象として, 治療成績と背景因子について検討し治療法について考察した. 切除例74例を肉眼形態から, 胃粘膜すうへきが肥大または結節状になった“すうへき型”(G-Type) と幽門部の肥厚が著明な“狭窄型”(P-Type) に亜型分類した. G-TypeでAppleby法を行った症例の成績が良く, 長期生存例を経験している. 術式別の成績では, 胃全摘のうちAppleby法の成績が良く, 治療法として本法を推漿する. P
1, P
2症例の成績は, 切除例が非切除例より良いが, S
3, N
3の合併がない場合, さらに良好な成績が期待できることから, P
1, P
2症例でもS
3, N
3の合併がなければ積極的に切除し, 他の非治癒因子が残らないように努力する方針である.
抄録全体を表示
-
特に虚血が原因と考えられる合併症とその対策について
飯塚 一郎, 片山 憲恃, 田中 洋一, 小西 敏郎, 出月 康夫, 丸山 雄二, 和田 達雄
1987 年 20 巻 1 号 p.
40-48
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
Appleby手術症例83例について, 主要な術後合併症の発生状況を検討した.
肝壊死4例, 胆嚢壊死7例, 胆嚢炎8例, 縫合不全9例 (うち十二指腸関連縫合不全6例), 膵瘻 (重症・確診例) 6例が発生した. このうち, 肝壊死, 胆嚢壊死, 十二指腸関連の縫合不全は, 対照とした通常の胃全摘例にはみられず, 固有肝動脈拍動微弱などの副血行不良を疑う所見を有した例や, 術後のトランスアミナーゼ高値例に多かったことから, 総肝動脈切離にもとづく虚血が一因と推定された. これらの合併症は, 術中所見に応じた適切な処置や方針変更により, かなり予防できると考えられた. 一方, 胆嚢炎と膵瘻は, 虚血による合併症ではないと推定された.
抄録全体を表示
-
とくに, 肝予備能との関連について
中本 実, 成瀬 勝, 柳沢 暁, 秋田 治之, 高橋 恒夫, 長尾 房大
1987 年 20 巻 1 号 p.
49-55
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
肝硬変併存肝癌における術後血漿アミノ酸の推移と肝予備能との関連を検討した. 47例の肝切除のうち肝硬変併存肝癌は22例に施行した. 肝硬変併存症例における肝不全発症例は3例 (13.6%) に見られた. 総アミノ酸濃度は肝不全非発症と発症例では術前には差が認められなかったが, 術後第1~3病日には発症例が非発症例の約3.5倍に達した.
BCAA/AAAモル比では術前1.8, 1.2, 第1~3病日には1.2, 0.9と発症例が低い傾向であった. 第7病日には非発症例は術前値に復帰したが, 発症例では低値を持続した. 肝予備能として, グルカゴン負荷テストによる10分値でのΔcyclicAMP/ΔBS比を算出し, 肝不全発症との関連を検討すると, 発症例では2.7, 非発症例では30.9となり, アミノ酸モル比と正の関係を見た. ICGR
15とアミノ酸モル比との相関は認められなかった. Fisher液の投与はとくに肝硬変併存例では, 第1~3病日のモル比が全例低下するため, 積極的に行っている. 肝不全発症例に対し, 時期の判断を誤ったためか, 血漿交換を行っても救命しえなかった. 術後第7病日にもモル比が術前に復帰しない症例は肝不全発症予備群と考え, 積極的な治療が望まれる.
抄録全体を表示
-
根木 逸郎, 内山 哲史, 清水 良一, 城野 憲史, 古谷 卓三, 沖村 英二, 坂田 晃一朗, 西川 雅裕, 廣瀬 喜明
1987 年 20 巻 1 号 p.
56-60
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
最近の教室における肝切除を行った大腸癌肝転移8例について臨床病理学的に検討を加えた.
原発巣の組織はカルチノイドと粘液癌がそれぞれ1例ずつで, あとはすべて分化型腺癌でいずれも進行癌であった. 同時性転移が2例で異時性転移が6例であった. 血中CEAは測定例全例 (5例中5例) が陽性で, ほとんどが20ng/ml以上の高値を示した. なおこの間の肝転移のない大腸癌症例の血中CEA陽性率は41.4%(58例中24例) であった. この血中CEAは肝切除後急速に低下し2ヵ月までに正常域に復した. まだ追跡期間は短いが8例中3例が社会復帰しており, 症例を選べば大腸癌肝転移に対する肝切除は有意義であると考える.
抄録全体を表示
-
池原 照幸, 奥野 匡宥, 阪本 一次, 加藤 保之, 由井 三郎, 東郷 杏一, 鎗山 秀人, 梅山 馨
1987 年 20 巻 1 号 p.
61-66
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
手術前後に血清CEA値を測定しえた大腸単発癌253例を対象とし, 血清CEA値の臨床的意義について検討した. 術前の血清CEA値の平均は6.6±9.1ng/mlで, 陽性 (2.6ng/ml以上) 率は54.9%であった. 術前の血清CEA値および陽性率は肝転移, 組織学的壁深達度, 腫瘍最大径, 癌の進行度ならびに根治性などと比較的相関したが, 癌腫の占居部位, リンパ節転移および組織型とは相関しなかった. 治癒切除例において, 術後3ヵ月目の血清CEA値が陽性を示す症例では, 再発率が高かった. 全手術例を対象とした場合, 血清CEA値が高い程累積5年生存率は不良であったが, 治癒切除例においては, 血清CEA値と5年生存率との相関は認めなかった.
抄録全体を表示
-
関根 毅, 須田 雍夫
1987 年 20 巻 1 号 p.
67-72
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
大腸癌に対する治癒切除症例191例における局所再発症例17例 (結腸癌5例, 直腸~ 肛門管癌12例) について術後3年以上を経過した非再発症例65例と対比し, 原発巣の臨床病理学的特徴を中心に検討した. 大腸癌における局所再発率は治癒切除症例の8.9%を占め, 再発までの期間は平均13.2カ月 (結腸癌11.0ヵ月, 直腸~肛門管癌14.1ヵ月) であった. 局所再発は結腸癌では盲腸 (C), 肉眼型3型, 壁深達度si, 直腸~ 肛門管癌では下部直腸 (Rb), 肉眼型3型, 側方転移を伴うリンパ節転移n
2 (+) 以上, 剥離面の癌浸潤 (ew) 1mm以内に高率に認められた.
抄録全体を表示
-
谷口 正次, 高橋 孝, 太田 博俊, 高橋 利道, 金井 道夫, 小鍛冶 明照, 加藤 洋, 藤原 章, 柳沢 昭夫
1987 年 20 巻 1 号 p.
73-78
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
癌研病院外科において1946年より1978年までに治癒切除された単発直腸癌745例中, 局所再発62例 (8.3%), リンパ節再発42例 (5.6%) を認め, これらは年代とともに減少の傾向にあった. 局所再発率は, Rb (13.3%) P (12.9%) の症例に高く, 女性, 若年者および前壁の腫瘍に多い傾向がみられた. また, 肉眼型で潰瘍中間型, 浸潤型, 組織型では中分化腺癌および粘液癌に多かった. リンパ節再発率も, Rb (6.7%) P (29.0%) に高いなど, 局所再発と同様の傾向がみられた. 局所再発例中71.0%, リンパ節再発例中71.4%が, 2年以内に再発していた.
抄録全体を表示
-
徳永 行彦, 小西 靖彦, 小原 弘, 山内 陽一, 野崎 智嗣, 牧 孝, 山中 三知夫, 平野 信夫
1987 年 20 巻 1 号 p.
79-82
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
島 伸吾, 米川 甫, 吉住 豊, 杉浦 芳章, 大塚 八左右, 尾形 利郎
1987 年 20 巻 1 号 p.
83-86
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
小田 行一郎, 垣花 昌彦, 大久保 靖, 名越 正樹, 三島 好雄
1987 年 20 巻 1 号 p.
87-89
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
小林 進, 大西 盛光, 関 幸雄, 丸山 達興, 今関 英男
1987 年 20 巻 1 号 p.
90-93
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
大東 誠司, 菊池 友允, 川田 裕一, 小川 健治, 梶原 哲郎
1987 年 20 巻 1 号 p.
94-97
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
河野 仁志, 古賀 俊六, 谷浦 博之, 林 貴史, 八板 朗, 中村 輝久
1987 年 20 巻 1 号 p.
98-101
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
城間 勉, 土持 昭男, 上釜 勇, 菊池 二郎, 伊集院 一成, 豊平 修, 中馬 康男, 香月 武人
1987 年 20 巻 1 号 p.
102-105
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
長谷川 洋, 二村 雄次, 早川 直和, 前田 正司, 神谷 順一, 岡本 勝司, 山瀬 博史, 岸本 秀雄, 塩野谷 恵彦
1987 年 20 巻 1 号 p.
106-109
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
田中 康博, 宮田 正彦, 中尾 量保, 浜路 政靖, 坂本 嗣郎, 橋本 創, 竹中 博昭, 伊豆蔵 正明, 中村 正廣, 川島 康生
1987 年 20 巻 1 号 p.
110-113
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
岡 忠之, 内村 元継, 森松 稔
1987 年 20 巻 1 号 p.
114-117
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
小畠 敏生, 音琴 要一郎, 疋田 茂樹, 土田 勇, 大森 康弘, 曹 光男, 梶原 賢一郎, 小野 真一, 林田 啓介, 磯本 浩晴, ...
1987 年 20 巻 1 号 p.
118-121
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
梛野 正人, 近藤 成彦, 金井 道夫, 森 光平, 丹野 俊男, 向山 博夫
1987 年 20 巻 1 号 p.
122-125
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
小柳 信洋
1987 年 20 巻 1 号 p.
126-129
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
竹重 言人
1987 年 20 巻 1 号 p.
130-133
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
高瀬 靖広
1987 年 20 巻 1 号 p.
134-137
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
-
吉田 奎介
1987 年 20 巻 1 号 p.
138-142
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー