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EEA使用例の食道内圧所見を中心にして
中川 辰郎
1987 年 20 巻 12 号 p.
2689-2695
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
経腹的食道離断術 (EEA使用) を施行した25例を対象とし, 下部食道括約筋機能, 食道運動, 術後嚥下障害について食道内圧測定, 内視鏡観察より検討した.術前の下部食道括約筋圧 (LESP) は28.1±5.1cmH
2Oと正常であるが, 下部食道括約筋長 (LESL) は38.1±7.9mmと短縮していた.LESPは術後2週で11.1±2.1cmH
2O, 2年で24.2±5.8cmH
2Oと有意に低下したが, 嚥下障害は術後6ヵ月以内に消失した.吻合部狭窄は, 術後1ヵ月で45%, 2年で10%に減少した.ステイプル露出は, 1ヵ月で27%, 2年で22%であった.食道運動障害は, 下部食道の陽性波高の低下, 陽性波発現時間の遅延によるもので, 術後8週に回復した.LESPの術後の長期低下は, ステイプル露出が影響していると思われた.
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とくに組織内濃度と組織学的効果について
片見 厚夫
1987 年 20 巻 12 号 p.
2696-2705
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
食道癌術前患者36例にoil Bleomycin (oil BLM) 30~90mg+sodium polyacrylate/日を経口投与し, 組織内BLM濃度・組織学的効果を投与量との相関から検討した, 1.腫瘍内では粘膜側より外膜側に高値を示す例が多く, リンパ節では第4群まで移行し, 60, 90mg/日群は30mg/日群より, 転移陽性群は陰性群より有意に高値を示した (p<0.05).2.原発巣の多くはEf1であったが本剤単独で60, 90mg/日群の3例 (2例中分化型) にEf2aを認め, リンパ節でもEf2aを3例認めた.3.血中尿中濃度は低値を示し全例に副作用を認めなかった, 本療法は経口投与という簡便な方法で長期投与が可能で, 術前および種々の併用療法後の維持療法として有用と思われた.
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過去10年間の症例の検討
北村 道彦, 西平 哲郎, 平山 克, 河内 三郎, 加納 正道, 赤石 隆, 標葉 隆三郎, 関根 義人, 片山 正文, 実方 一典, 増 ...
1987 年 20 巻 12 号 p.
2706-2711
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
昭和51年より60年までの10年間に手術した胸部食道癌275例を対象とし術後の肺合併症について検討した.肺合併症は70例 (25.5%) に発生した.近年, 手術適応と手術操作が拡大しており, それに従って肺合併症の発生も増加する傾向がみられた.高齢者, 呼吸器疾患の既往を有する例, 低肺機能例では肺合併症の発生率が高い傾向がみられ, 術式によっても発生率に差がみられた.高齢, 低肺機能などのリスクを有する例に適応とした分割手術では肺合併症の発生率が一期手術と同等であり, リスクの高い症例には試みてよい術式と思われる.術後1ヵ月以降にも26例 (9.5%) に肺合併症が発生しており, 術後長期にわたり注意深い呼吸管理が必要と思われる.
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山田 哲司, 金平 永二, 佐々木 正寿, 疋島 寛, 橋爪 泰夫, 大村 健二, 林 外史英, 北川 晋, 中川 正昭, 瀬川 安雄
1987 年 20 巻 12 号 p.
2712-2717
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
昭和50年1月から昭和60年12月までの11年間に胃切除が行われた756症例中, 多発早期胃癌20例, 多発進行胃癌22例, 計42症例の多発胃癌症例に臨床病理学的検討を加えた.多発胃癌は70歳以上の男性に発生頻度が高く, 早期癌ほど発生頻度が高かった.多発癌の主病巣はすべて胃の中・下部にあり, 上部に主病巣のあった症例はなかった.また多発癌の副病巣の36%が, 主病巣より噴門側に位置していたことより, 早期癌といえども胃切除の範囲は中部, 下部を含む広範囲な切除を行うことが癌取り残しを防ぐためには必要なことと考えられた.
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大塩 学而, 真辺 忠夫, 野中 敦, 土谷 利晴, 藤堂 徹一郎, 戸部 隆吉
1987 年 20 巻 12 号 p.
2718-2721
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
胃癌患者60例において血漿補体値 (C
3およびC
4) を一元免疫拡散法で測定した.胃癌患者ではC
3値 (94±30mg/dl), C
4値 (41±21mg/dl) ともに健常人 (C
3: 86±26mg/dl, C
4: 35±11mg/dl) に比べ軽度の上昇を認めた.C
3値はstageIII, IVと癌の進行に伴って上昇した.また, 肝転移 (124±37mg/dl) および腹膜播種 (107±37mg/dl) を認める群において, 有意の上昇を認めた. C
4値も同様の傾向を示したが, C
3値に比べ, 相関の程度は低かった. リンパ節転移の有無および組織型はC
3, C
4値に大きな影響をあたえなかった. 胃癌患者においては補体値, 特にC
3値が腫瘍の進行度と関連しており, 今後の臨床応用が期待される.
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吉田 和彦, 杉原 保, 池上 淳, 石後岡 正弘, 松毛 真一, 高田 稔, 竹内 正幸, 河島 秀昭, 竹内 護, 山崎 左雪, 高田 ...
1987 年 20 巻 12 号 p.
2722-2729
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
肝細胞癌102例に対する肝切除術と肝動脈塞栓術 (TAE) の治療療成績を検討した.肝切除38例の累積生存率は1年85.9%, 2年78.6%, 3年66.0%, 4年32.6%で, TAE64例では1年61.8%, 2年33.7%, 3年25.8%, 4年25.8%であった.肝切除群においてHr1以上切除群とHrS以下切除群との間には予後・再発率に有意差はなかった.肝硬変併存Ts症例において, 肝切除群の累積生存率は1年90.2%, 2年84.8%, 3年60.3%, 4年30.2%で, TAE群では1年81.6%, 2年48.1%, 3年以上生存は0であり, 3年以上生存を得るためには縮小手術ででも腫瘍を切除すべきと考えられた.
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脱血負荷黄疸犬を中心に
新井 善雄, 浅沼 義博, 大内 慎一郎, 鹿嶋 秋五, 小山 研二
1987 年 20 巻 12 号 p.
2730-2734
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
閉塞性黄疸時の消化管吻合法を評価するため, 雑種成犬の小腸にAlbert-Lembert法とGambee法吻合を施行し, 脱血負荷も加えて, 組織血行動態の変化および組織像について検討した.その結果, 正常小腸組織血流量は97.8±15.5ml/min/100g (n=16) であるが, 黄疸犬では72.3%(n=6) に減少し, さらに脱血により著減するが, 還血しても組織血流は回復しなかった.脱血後3日, 7日を経た検索では, 脱血犬の組織血流回復は遅延し, 黄疸例では特に顕著で, Gambee法では, 正常小腸の61.3%(n=4), Albert-Lembert法では51.9%(n=4) であった.また, 黄疸, 脱血の有無を問わず, Gambee法はAlbert-Lembert法よりも良好な組織血流を保持しており, 循環障害の回復は良好と考えられた.
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長谷 和生, 望月 英隆, 山本 哲久, 加賀田 豊, 玉熊 正悦
1987 年 20 巻 12 号 p.
2735-2740
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
防医大1外開設以来8年半に行った注腸造影1,053例中140例 (13.3%) に大腸憩室を認めた.大腸の部位では右側型58.6%, 左側型30.0%, 両側型11.4%と, 本邦での従来の報告に比べ左側型が多く, しかもその左側型では加齢とともに発見頻度が増加する傾向を認めた.このうち22例 (15.7%) に手術を行ったが, 手術適応となった憩室合併症では反復する憩室炎と穿孔が最も多く, 次いで膿瘍形成, 狭窄, 下血であった.穿孔例6例中5例に対して1期的に腸切除・吻合術を行い, 術後経過は順調であった.右側型の膿瘍形成例には主として腸切除を行い良好な結果を得たが, 選択すべき術式については誘導術のみの術式とのさらなる比較検討が今後必要である.
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高橋 日出雄, 穴沢 貞夫, 東郷 実元, 石田 秀世, 片山 隆市, 桜井 健司, 石原 歳久
1987 年 20 巻 12 号 p.
2741-2745
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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初瀬 一夫, 柿原 稔, 望月 英隆, 玉熊 正悦
1987 年 20 巻 12 号 p.
2746-2750
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
消化器悪性疾患650例を対象として術後合併症の発生頻度や死亡率を検討した.その結果術後合併症は肝・胆・膵悪性疾患55.4%(36/65), 胃癌, 大腸癌22.9%(134/585) で肝・胆・膵悪性疾患に多く, 死亡率は感染性合併症16.5%(16/97), 非感染性合併症5.4%(4/73) と感染性合併症例に多いことが明らかとなった.そこでつぎに胃癌術後30例の腹腔内感染症について検討した.その結果要因では進行癌根治をめざす手術手技上の因子が, また前期 (昭和52年12月~ 昭和56年12月) の死亡率33.3%(8/16) に比べ後期 (昭和57年1月~昭和60年1月) には8.3%(1/12) と減少したのはショック, DIC, MOFの予防, 管理の向上が大きく関与していることが示唆された.
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日月 裕司, 加藤 抱一, 渡辺 寛, 飯塚 紀文
1987 年 20 巻 12 号 p.
2751-2754
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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藤本 直樹, 野口 貞夫, 相川 隆夫, 柴田 信博, 田村 茂行, 渡瀬 誠, 玉井 正光
1987 年 20 巻 12 号 p.
2755-2758
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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石田 亘宏, 小坂 篤, 野口 孝, 川原田 嘉文, 水本 龍二
1987 年 20 巻 12 号 p.
2759-2762
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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石賀 信史, 岡島 邦雄, 富士原 彰, 安田 正幸, 填水尾 哲也, 浜畑 哲造, 森田 真照, 松井 昭彦, 中田 英二, 北村 彰英
1987 年 20 巻 12 号 p.
2763-2766
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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渡部 祐司, 木村 茂, 佐藤 元通, 川田 匡, 上田 重春
1987 年 20 巻 12 号 p.
2767-2769
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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清水 道生, 多淵 芳樹, 河 良明, 斉藤 洋一
1987 年 20 巻 12 号 p.
2770-2773
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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太田 俊行, 高見 元敞, 竹内 直司, 藤本 高義, 清水 宏, 高田 俊明, 博多 尚文, 藤原 彰, 奥村 幸康, 堂野 恵三, 木村 ...
1987 年 20 巻 12 号 p.
2774-2777
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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松原 久裕, 坂本 昭雄, 竜 崇正, 碓井 貞仁, 磯野 可一, 深町 信一
1987 年 20 巻 12 号 p.
2778-2781
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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湯浅 典博, 中井 尭雄, 大場 清, 奥村 武夫, 松浦 豊, 宮崎 芳機, 加藤 岳人, 佐藤 達郎, 上床 邦彦, 林 繁和, 江崎 ...
1987 年 20 巻 12 号 p.
2782-2785
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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縄田 純彦, 藤原 敬且, 中山 富太, 藤井 康宏, 半田 哲朗
1987 年 20 巻 12 号 p.
2786-2789
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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蔡 元奎, 馬場 信雄, 西村 一郎
1987 年 20 巻 12 号 p.
2790-2792
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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川真田 修, 見市 昇, 大岩 敏彦, 武田 功, 中村 憲治, 半田 祐彦
1987 年 20 巻 12 号 p.
2793-2795
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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下田 司, 諏訪 敏一, 平形 征, 更科 広実, 奥井 勝二
1987 年 20 巻 12 号 p.
2796-2799
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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池田 健一郎, 寺島 雅典, 石田 薫, 大津 友見, 岡本 和美, 斉藤 和好, 森 昌造
1987 年 20 巻 12 号 p.
2800
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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中村 正廣, 宮田 正彦, 弓場 健義, 川島 康生
1987 年 20 巻 12 号 p.
2801
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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二抗体法とビーズ固相法との比較検討
松田 裕之, 大野 真司, 桑野 博行, 森 正樹, 甲斐 秀信, 杉町 圭蔵
1987 年 20 巻 12 号 p.
2802
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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遠藤 和喜雄, 門田 守人, 後藤 満一, 左近 賢人, 小林 研二, 梅下 浩司, 中野 芳明, 城戸 良弘, 森 武貞
1987 年 20 巻 12 号 p.
2803
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー
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泉 浩, 橋本 正也, 李 政樹, 佃 信博, 本田 光世, 藤井 宏二, 高橋 滋, 加藤 元一, 松繁 洋, 竹中 温, 徳田 一, 荻 ...
1987 年 20 巻 12 号 p.
2804
発行日: 1987年
公開日: 2011/03/02
ジャーナル
フリー