食道静脈瘤の手術的消滅は, 術中内視鏡使用による直視下直達手術で確実になった.
しかし術後長期観察中に一部症例では静脈瘤再発はさけ難いので, その機構と対策を求め, 1978年以降直視下に手術した胃上部切除25例, 胃上部横断26例, EEA胃上部切除29例の計80症例を検討した.
再発は予防手術7例中3例, 治療手術73例中21例あり, 術前の局在性はLsの症例が多く, 胃上部横断術に頻度が高かった. また再発時期は不定, 再発程度は術前またはそれ以下で増悪例はなかった.
静脈瘤の術後再発には, 肝門脈側の循環異常増悪, 局所血行の再建状態と排出血の経路特徴が関与するので, これらに対して集学的管理を要する.
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